- FIIO K9 AKM 据え置き型DAC複合機 約8.9万円
- FIIO K9 AKM 内容・特徴
- DACチップに旭化成エレクトロニクス(AKM)のフラッグシップ「AK4191EQ+AK4499EX」を搭載
- デジタル/アナログ完全分離構造と「DWA ROUTINGテクノロジー」を採用
- 豊富な入力端子
- UAC1.0規格と2.0規格の両方に対応
- PCM 768kHz/32bit、DSD512の再生にネイティブで対応(USB入力時)
- XMOS製「XUF208」と二系統の超高精度水晶発振器を搭載
- DAC部からアンプ部に至るまで完全バランス設計
- オーディオ回路は6ブロックに分離
- 豊富な出力端子
- FIIOとTHXの共同開発による「THX-AAA 788+」ヘッドホンアンプ回路を2基搭載
- 可変ラインアウト機能でプリアンプとしても使用可能
- 左右の音量差やノイズを排除した120ステップのADCボリュームコントロール機能搭載
- 高品位なヘッドホン出力
- 多彩なコーデックに対応するBluetooth入力
- アプリ連携
- ボディ
- FIIO K9 AKM 内容・特徴のまとめ
- FIIO K9 AKM レビュー・サイト
- FIIO K9 AKMの各種レビュー・評価からの分析・考察
- FIIO K9 AKM おすすめのユーザーは
FIIO K9 AKM 据え置き型DAC複合機 約8.9万円
FIIOは据え置き型DAC複合機(ヘッドホンアンプ/プリアンプ)のK9 AKMを2024年1月19日に約8.9万円で発売。従来機・K9(2023年発売・実売約8万円)の後継機。
K9がESS製の「ES9068AS」を搭載していたところ、K9 AKMでは旭化成エレクトロニクス(AKM)のオーディオ向けDACチップのフラッグシップ「AK4191EQ+AK4499EX」を搭載に変更するなど、約1万円の価格上昇ながら内容・音質を確実に向上させています。
本機の内容紹介と、各種レビュー・評価から浮かび上がる本機の実力を分析・考察します。
FIIO K9 AKM 内容・特徴
DACチップに旭化成エレクトロニクス(AKM)のフラッグシップ「AK4191EQ+AK4499EX」を搭載
K9 AKMは、DACチップに旭化成エレクトロニクス(AKM)のフラッグシップ「AK4191EQ+AK4499EX」を搭載しています。
これらのDACチップを組み合わせることで、高解像度で豊かな音場を実現しています。また、S/N比やノイズフロアも向上しており、より静かでクリアな音質を実現しています。また、フィルター切り替えがK9の3つから6つに増加したことで、より好みの音質に調整することができます。
デジタル/アナログ完全分離構造と「DWA ROUTINGテクノロジー」を採用
K9 AKMは、新設計技術によるデジタル/アナログ完全分離構造を採用しています。これにより、デジタル回路とアナログ回路の干渉を排除し、より高音質な音を実現しています。
また、新開発の「DWA ROUTINGテクノロジー」を採用することで、より高精度なデジタル信号処理を実現しています。
豊富な入力端子
K9 AKMの入力端子は、デジタル入力がUSB-B、USB-C、同軸デジタル、光デジタルの4系統、アナログ入力が4.4mmバランス、RCAの2系統です。
とくにUSB入力は、K9にはなかったUSB Type-C端子を追加したことで、USB Type-C端子を搭載したスマートフォンやタブレットなどとも簡単に接続することができます。
UAC1.0規格と2.0規格の両方に対応
USB入力は、USB 2.0規格とUSB 3.0規格の両方に対応。また、UAC1.0規格と2.0規格、両方の規格での接続に対応しているため、幅広いデバイスと接続することができます。
UAC1.0規格は、USBオーディオの旧規格です。USBオーディオの標準規格であるUAC2.0規格よりも、データ転送速度が遅いため、音質に劣る場合があります。しかし、携帯ゲーム機など、UAC1.0規格に対応しているデバイスも多いため、幅広いデバイスと接続することができます。
PCM 768kHz/32bit、DSD512の再生にネイティブで対応(USB入力時)
K9 AKMは、PCMは最大で768kHz/32bit、DSDは最大でDSD512の再生にネイティブで対応しています。ハイスペックなハイレゾ音源をダウンコンバートすることなくそのままの高音質で再生することができます。
XMOS製「XUF208」と二系統の超高精度水晶発振器を搭載
K9 AKMは、XMOS製「XUF208」と二系統の超高精度水晶発振器を搭載しています。これにより、高精度なクロック信号を生成し、より正確な再生を実現しています。
DAC部からアンプ部に至るまで完全バランス設計
K9 AKMは、DAC部からアンプ部に至るまで完全バランス設計を採用しています。これにより、左右の信号が完全に分離され、ノイズや歪みを低減することができます。
オーディオ回路は6ブロックに分離
K9 AKMのオーディオ回路は、「DAC、ローパスフィルタ、ボリュームコントロール、バッファアンプ、プリアンプ、ヘッドホンアンプ」の6ブロックに分離されています。これにより、各ブロックの役割を明確にし、音質の向上を図っています。
豊富な出力端子
K9 AKMの出力端子は、ヘッドホン出力として4ピンXLRバランス、4.4mmバランス、6.35mmステレオを装備しています。ライン出力としてRCA、3ピンXLRバランスを各1系統ずつ備えています。
FIIOとTHXの共同開発による「THX-AAA 788+」ヘッドホンアンプ回路を2基搭載
K9 AKMは、FIIOとTHXの共同開発による「THX-AAA 788+」ヘッドホンアンプ回路を2基搭載しています。このヘッドホンアンプ回路は、高出力と低ノイズを両立し、幅広いヘッドホンを駆動することができます。
ヘッドホン出力は、バランス出力とアンバランス出力の両方を備えています。バランス出力では、左右のチャンネルを独立して出力するため、より広い音場と豊かな音を実現することができます。
ヘッドホン出力は、バランス接続で最大2000mWの出力(32Ω)を実現しています。300Ωで最大780mWと高インピーダンスのヘッドホンも余裕で駆動することができます。
可変ラインアウト機能でプリアンプとしても使用可能
K9 AKMは、可変ラインアウト端子を備えているため、プリアンプとしても使用することができます。これにより、パワーアンプやスピーカーシステムに接続して、高音質な音楽を楽しむことができます。
左右の音量差やノイズを排除した120ステップのADCボリュームコントロール機能搭載
K9 AKMのボリュームコントロール機能は、ADCボリュームコントロール方式を採用しています。この方式は、アナログボリュームコントロール方式と比較して、左右の音量差やノイズを排除することができます。120ステップと細かく調節できるのもポイントです。
高品位なヘッドホン出力
K9 AKMは、ヘッドホン出力として4ピンXLRバランス、4.4mmバランス、6.35mmシングルエンドの3系統を備えています。バランス出力では、左右のチャンネルを独立して出力するため、より広い音場と豊かな音を実現することができます。
ヘッドホンアンプ部は3段階ゲイン切り替えが可能で、ゲインを上げると、より大きな音量で再生することができます。
ヘッドホン推奨インピーダンスは16~600Ωです。16Ωのイヤホンから600Ωのヘッドホンまで、幅広いインピーダンスのヘッドホンに対応することができます。
多彩なコーデックに対応するBluetooth入力
K9 AKMは、Qualcomm製「QCC5124」を搭載し、SBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX LL、aptX Adaptive、LDACに対応しています。aptX AdaptiveとLDACは、ハイレゾ音源のワイヤレス伝送に対応しています。
アプリ連携
K9 AKMは、スマホ・タブレット用アプリ「FIIOコントロール」と連携することで、細かい設定が可能になります。
アプリでは、DACチップのフィルター切り替え、ボリュームの調整、ゲインの設定、音質の調整などを行うことができます。
ボディ
K9 AKMのボディはアルミニウム合金製で高剛性です。外形寸法は200×224.5×72mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約2,660g。縦置きにも対応します。
FIIO K9 AKM 内容・特徴のまとめ
K9 AKMは、高音質で高解像度な音源を再生できる、ハイコスパなDAC複合機です。音質重視のユーザーや、USB Type-C入力を利用するユーザーにおすすめです。
特に、ヘッドホン出力はバランス、シングルエンドの2系統でアンプ出力も十分であり、ヘッドホン推奨インピーダンスは16~600Ωと広範囲にわたるため、幅広いヘッドホンに対応することができます。また、aptX HD、aptX Adaptive、LDACに対応しているため、ハイレゾ音源のワイヤレス伝送も可能です。
さらに、アプリ連携により、細かい設定が可能であるため、好みの音質に調整することができます。
以上が、FiiO K9 AKMの内容・特徴についての説明です。K9 AKMは、高音質で高出力かつ多機能なヘッドホンアンプとして、幅広いユーザーにおすすめの製品です。
FIIO K9 AKM レビュー・サイト


FIIO K9 AKMの各種レビュー・評価からの分析・考察
従来機・K9との音質の違い
K9 AKMは、従来機・K9のソリッドで硬質なモニターライクな音質から、ややウォームで艶のある音質に変わっているようです。これは、DACチップがESS製の「ES9068AS」からAKMのフラッグシップ「AK4191EQ+AK4499EX」に変更されたことが主な要因と考えられます。
また、フィルター切り替えがK9の3つから6つに増加したことで、より好みの音質に調整することができるのもポイントでしょう。
音質の評価
K9 AKMの音質は、レンジ感や音の情報量、解像度などは十分であり、低域の量感もK9より増しているものの、芯がぼやける感じはないようです。総じてK9よりもより自然な高音質に聴こえるという評価が多いようです。
価格と機能の評価
K9 AKMは、約9万円という実売価格を考慮するとDAC複合機として音質・機能ともに隙がなく、価格帯では随一のハイコスパ機と言えるでしょう。ヘッドホン出力は、バランス出力とアンバランス出力の両方を備えており、バランス出力ではより広い音場と豊かな音を実現することができます。また、ライン出力も搭載されているため、プリアンプとしても使用することができます。専用アプリも用意されており、機能性・利便性も高評価です。
外観の評価
K9 AKMの外観は、アルミニウム合金製で高剛性で音質には有利ですが、地味で高級感に欠けるという評価もあるようです。
評価のまとめ
K9 AKMは、音質・機能ともに優れており、価格も本格オーディオ機器としては手頃なため、ハイコスパなDAC複合機を探しているユーザーにおすすめの製品と言えるでしょう。
なお、K9 AKMと従来機・K9の音質の違いについては、以下のような考察もできます。
K9は、モニターライクな音質を重視した設計であるのに対し、K9 AKMは、より自然な音質を重視した設計である。
K9 AKMは、AK4191EQ+AK4499EXの採用により、より低域の量感を増やし、より艶のある音を実現した。
ユーザーの好みや用途に合わせて、どちらの製品が適しているかを検討するとよいでしょう。
FIIO K9 AKM おすすめのユーザーは
各種レビュー・評価から、FiiO K9 AKMの音質は、従来機・K9のソリッドで硬質なモニターライクな音質から、ややウォームで艶のある音質に変わっていることが分かります。これは、DACチップの変更や、デジタル/アナログ完全分離構造の採用などによるものと考えられます。
K9 AKMの音質の特徴を、以下の3つのポイントにまとめると、以下のようになります。
レンジ感や音の情報量、解像度が十分
低域の量感が増しているが芯がぼやける感じはない
ややウォームで艶のある音質(FIIOにしては)
これらの特徴から、K9 AKMは、オールジャンルに対応できる、バランスの良い音質のDAC複合機と言えるでしょう。
価格を考慮すると、K9 AKMは、DAC複合機として音質・機能ともに隙がなく、価格帯では随一のハイコスパ機と言えます。
一方で、外観は地味で高級感に欠けるという評価も見られます。しかし、音質や機能が優れているため、外観を気にしないユーザーにとっては、十分に満足できる製品と言えるでしょう。
まとめると、FiiO K9 AKMは、以下のユーザーにおすすめの製品と言えます。
オールジャンルに対応できる、バランスの良い音質のDACを求めるユーザー
価格を10万円未満に抑えたハイコスパなDAC複合機を探しているユーザー
縦置き・デスクトップ使用が可能なコンパクトなDAC複合機を探しているユーザー
プリアンプ機能や4ピンXLRバランスヘッドホン端子も使いたいユーザー
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