SONY HT-A9M2 ワイヤレス・ホームシアターシステム 約33万円
ソニーは、4本のワイヤレススピーカーでサラウンドを再生するホームシアターシステム「HT-A9M2」を、2024年6月1日に発売。オープン価格で税込みの実売価格は33万円前後。
2021年7月に税込み実売価格約22万円で発売された「HT-A9M」の後継機(2024年現在は28.6万円に値上げ)。
「HT-A9M2」の内容を、従来機・「HT-A9」と比較しての違いを交えてご紹介。
SONY HT-A9M2の内容・特徴を解説(HT-A9とも共通)
以下、HT-A9M2の内容・特徴をHT-A9とも共通のものから紹介・解説。
4本のワイヤレススピーカーによるサラウンド空間

ソニー HT-A9M2は、4本のワイヤレススピーカーを使用して、あたかも映画館にいるかのような包括的なサラウンド空間を提供します。各スピーカーが独立して音を出力することと自動音場補正機能で、どの位置に座っていても均等に高品質なオーディオを体験することが可能です。
複数のファントムスピーカーによる立体音響空間

このシステムの最大の特徴の一つは、「360 Spatial Sound Mapping」というソニー独自の技術により、壁や天井に音を反射させることで多数のファントムスピーカーが生成されることです。これにより、音が物理的なスピーカーの位置に依存せず、広範囲にわたって拡散され、リアルでダイナミックな立体音響空間が生み出されます。
イネーブルドスピーカー搭載で、Dolby Atmosなどのオブジェクトオーディオを再生可能

HT-A9M2に内蔵されているイネーブルドスピーカーは、Dolby Atmosをはじめとするオブジェクトベースのオーディオフォーマットに対応しています。これにより、映画や音楽のサウンドトラックが意図したとおりに正確に再生され、視聴者に圧倒的な音のリアリティを提供します。
ソニー独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」

内蔵マイクを利用してスピーカーの置かれている空間の形状や大小を把握し、それに最適化された音場を創出するこの技術は、リビングルームがまるでコンサートホールのように変わる鮮明な音響体験を実現します。
ステレオ音源を立体音響化して楽しむこともできる

2チャンネルのステレオ音源であっても、アップミックス技術により、立体的で臨場感のある音響に変換され、新たな音の楽しみ方が可能です。
内蔵アンプはS-Master HXで、総合出力は504W
高品質なデジタルアンプであるS-Master HXを内蔵しており、総合出力504Wからなる力強いサウンドを提供します。この高出力により、どんな大きな部屋でもクリアで迫力のあるサウンドを体験することができます。
スピーカーの設置位置に応じた音場最適化が可能

「HT-A9M2」では、スピーカーの設置場所を自動で測定し、それに基づいて最適な音場を自動調整します。これにより、ユーザーは設置の自由度が高く、どのような部屋の環境でも最適な音質を楽しむことができます。
別売りのサブウーファー「SA-SW5/SA-SW3」を追加しての低音強化も可能
追加のサブウーファー「SA-SW5/SA-SW3」を設置することで、さらに深みのある低音を体験することができます。これにより、映画の迫力あるシーンや音楽のリズムをよりリアルに感じることができるでしょう。
詳細な設定などはアプリを利用
専用のアプリを通じて、さまざまな設定やカスタマイズが可能です。使い勝手の良いインターフェースで、細かい調整も簡単に行うことができます。
Bluetooth受信もでき、コーデックはSBCとAAC、LDACをサポート
SBCとAAC、LDACをサポートする多様なBluetoothコーデックに対応しているため、高品質なワイヤレスオーディオ伝送が可能です。手持ちのデバイスから容易に音楽をストリーミングし、高解像度の音源を楽しむことができます。
Spotify ConnectやApple AirPlay 2も利用できる
Spotify ConnectやApple AirPlay 2のサポートにより、スマートフォンやタブレット、PCから直接、お気に入りの音楽サービスをストリーミングすることができます。
対応フォーマットはDolby Atmos、DTS:X、360RA、ハイレゾ
Dolby AtmosやDTS:Xをはじめ、360 Reality Audioやハイレゾ音源など、多彩なオーディオフォーマットに対応しています。これにより、様々なコンテンツを最高の品質で楽しむことが可能です。
・対応音声フォーマット:DTS:X、DTS:X Master Audio、DTS-HD MasterAudio、DTS-HD High Resolution Audio、DTSExpress(DTS-HD LBR)、DTS 96/24、DTS、Dolby Atmos-Dolby TrueHD、Dolby Atmos-DolbyDigital Plus、Dolby TrueHD、Dolby Digital Plus、Dolby Digital、MPEG-4 AAC、MPEG-2 AAC、リニアPCM(2ch/5.1ch/7.1ch)
入出力はeARC対応のHDMI 2.1が各1系統で、VRRやALLMにも対応 8K/4K120、eARC/ARC対応

HDMI 2.1ポートはeARCに対応しており、最新のテレビやゲームコンソールとの高速で安定した接続が可能です。VRRやALLMのサポートにより、ゲームプレイ時の画質も向上し、映像と音声のシームレスな統合が実現されます。8K/4K120にも対応。
HT-A9M2が従来機・HT-A9と違う点
従来機では円筒状だったスピーカーが、薄型の四角形になったため壁掛けなどの設置性向上

ソニーの新型ホームシアターシステム「HT-A9M2」では、従来の円筒形スピーカーが四角形の薄型デザインに変更されました。この形状の変更により、壁掛けや家具の上にスムーズに設置することが可能となり、多くのリビング環境にフィットしやすくなりました。この設計は、スペース利用の効率を上げるだけでなく、インテリアとの調和も考慮されています。
従来はパンチングメタルだったスピーカーグリルも、ファブリックに変更
「HT-A9M2」のスピーカーグリルは、従来のパンチングメタルから高級感のあるファブリック素材へと変更されました。ファブリックグリルは外観を一新し、現代のリビング空間に柔らかく溶け込むデザインとなっています。視覚的にも温かみを感じさせる素材選びは、ユーザーに新鮮な印象を与えます。
ドライバー構成も変更

音響の根幹を成すドライバー構成においても、「HT-A9M2」は進化を遂げました。従来の2ウェイ構成から3ウェイ構成へと変更され、中音域がクリアになり低音の深みが増すことで、総合的な音質が大幅に向上しているとしています。この改良により、リアルなサラウンド体験がさらに豊かになりました。
HT-A9M2:ウーファーを追加した3Way+イネーブルドスピーカー
構成:4.0.4ch
前面トゥイーター:19mmソフトドーム・トゥイーター (31.5 W)
前面ウーファー:85mm x 85mm X-Balanced Speaker (31.5 W)バスレフレックス
前面ミッドレンジ:60mmアコースティックサスペンション・ミッドレンジ (31.5 W)
イネーブルドスピーカー :36mm x 79mm X-Balanced フルレンジイネーブルドスピーカー (31.5 W)
実用最大出力合計値:1基あたり126W × 4基 = 504W
HT-A9:2Way+イネーブルドスピーカー
構成:4.0.4ch
前面トゥイーター:19mmソフトドーム・トゥイーター (42W)
前面フルレンジ:70mm × 82mm X-Balanced Speaker (42W)バスレフレックス
イネーブルドスピーカー :46mm × 54mm X-Balanced Speaker (42W)
実用最大出力合計値:1基あたり126W × 4基 = 504W
受信用アンテナが2本に増えたほか、空き周波数帯への切り替え機能も搭載し、接続安定性も強化
ワイヤレススピーカーでは重要な通信性能の強化も「HT-A9M2」の大きな特徴です。受信用アンテナが2本に増え、より安定した無線接続が可能となりました。また、空き周波数帯へ自動的に切り替える機能を持つことで、干渉の少ないクリアな音声伝送を実現しています。これにより、ユーザーは以前よりも音が途切れる心配がなくワイヤレスサウンドを楽しむことができます。
専用アプリがMusic Center controlからBRAVIA Connectに変更

操作アプリも変更され、「Music Center control」から「BRAVIA Connect」へとアップデートされました。この新しいアプリは、ユーザインターフェースが向上し、操作が直感的で使いやすくなっています。また、アプリの名前のとおり、ソニーのテレビ・BRAVIAとの連携機能も強化されており、よりシームレスなエンターテインメント体験を提供します。BRAVIAとの親和性強化・セット利用促進のために、「BRAVIA Theatre」というマーケティングネームも導入されており、HT-A9M2は新たに「BRAVIA Theatre Quad」と名付けられています。
自動音場最適化がスマホアプリからもできるようになった
自動音場最適化機能も改良され、スマートフォンアプリから直接、音場を調整することが可能になりました。これにより、リスニングポジションや部屋の条件に応じた細かな調整が手軽にできるようになり、最適なサウンドを簡単に実現できます。
付属リモコンは10キーのシンプルなデザインに変更
付属のリモコンデザインもシンプル化され、10キーのみを備えたコンパクトな形状に変更されました。これにより、使いやすさが向上し、日常的な操作がより直感的に行えるようになります。
ネットワークサービスの一部が削減
「HT-A9M2」では、使用頻度の低いネットワークサービスの一部とBluetooth送信機能が削減されています。この改定により、ユーザーにとって本当に必要な機能に焦点を当てることができ、システム全体の使いやすさが向上しています。
削減されたネットワークサービス
Chromecast built-in
Google Home
Works with Google アシスタント
Google アシスタント built-in
SONY HT-A9M2の従来からの変化への評価・考察
メインスピーカーが小型化しサブウーファー追加による音質変化への懸念
ソニーの新型ホームシアターシステム「HT-A9M2」では、メインスピーカーのサイズが小型化されています。それに伴い、新しくサブウーファーが追加されたことは、多くのオーディオ愛好家にとって注目のポイントです。
しかし、この変更が音質にどのような影響を与えるのかが大きな関心事です。従来の「HT-A9」モデルでは、円筒形のボディが生成する豊かなサラウンド音響が特徴でした。新型ではスピーカーの物理的な形状の変更により、その音響特性がどう変わるのか、立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」のパフォーマンスへの影響が懸念されます。
製造コストアップによるコスパの変化への懸念
「HT-A9M2」の小売価格は33万円前後と見られ、従来モデル「HT-A9」からの価格上昇が伺えます。この価格上昇は、新しいデザインや機能追加に伴うものである可能性が高いですが、一部機能削減などもあり、消費者にとってコストパフォーマンスのバランスがどのように受け止められるかは重要な問題点です。
特に、新しいスピーカーのデザインが薄型化されたことで、材料コストや製造プロセスが複雑になる可能性があり、それが価格に反映されていることも考えられます。顧客がこれらの追加コストを製品の価値向上として評価するかどうかが、市場での成功に直結するのではないでしょうか。
HT-A9M2の市場での受け止めは注目
「HT-A9」はソニーならではの技術やコンセプトにより、完結型ホームシアタースピーカーとして、独自で強固な評価を確立しています。オーディオ機器製造のコストアップや、ホームシアター、オーディオ製品の売り上げ減少などの難しい時代を迎えているなか、「HT-A9M2」が先代以来の独自ポジションを維持・発展できるかどうかは注目されるところです。



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