STAX SR-X1 / SRS-X1000 新エントリーイヤースピーカー
スタックス(STAX)は、静電型イヤースピーカーのエントリー機の新製品として「SR-X1」を2024年5月9日に発売。価格は66,000円。ドライバーユニット「SRM-270S」がセットになった「SRS-X1000」(121,000円)も発売。
イヤースピーカー「SR-X1」について
SR-X1の概要
STAXの新しいエントリーモデル「SR-X1」は、高品質な音楽再生を手軽に楽しめるように設計されたイヤースピーカー(静電型ヘッドホン)です。
SR-X1では、円形エレクトロスタティックユニットを使用しており、後方開放型のエンクロージャーを採用しています。これにより、広範囲な再生周波数帯域と高い音圧感度を実現しています。
中型の円形発音体を新設計で採用し、周波数帯域は7-41,000Hzと広範囲にわたります。このユニークな形状と広い帯域は、よりリアルでクリアな音の再生を可能にし、様々なジャンルの音楽に対応します。開発の主たる目的は、高解像度音源にもしっかりと対応し、音楽の細部までクリアに聴こえるようにすることでした。
SR-X1の登場とその目的・品位
STAXでは、静電型イヤースピーカーの新エントリーモデルとしてSR-X1を市場に投入しました。この製品の目的は、静電型イヤースピーカー特有の細やかで定評のある音質を、上級機よりも手頃な価格で提供することにあります。音楽愛好家が高価なオーディオ設備に投資することなく、質の高い音楽体験を家庭で楽しめるようにするため、SR-X1は価格と性能のバランスに優れた仕様となっています。これにより、多くのユーザーに新たな選択肢を提供しています。
筐体に発音ユニットをダイレクト配置するなど、各パーツの最適化を追求。開放面のバックスリット構造により音波の透過をスムーズにし、歪みを低減したとしています。
金属素材を積極的に採用し、フレーム構造の共振抑制と一体化したヘッドパッドによる軽量化を実現。イヤーパッドにはシープスキンとメモリーフォームを使用し、フィット感を高めています。
STAXの静電型イヤースピーカーセット「SRS-X1000」の特徴
エントリー向けドライバーとしてのSRS-X1000
STAX SRS-X1000は、高性能な静電型イヤースピーカーセットとして設計されています。このセットは、イヤースピーカーであるSR-X1とドライバーアンプSRM-270Sから構成されており、この組み合わせがユーザーに卓越したオーディオ体験を手ごろに提供します。
SRM-270Sドライバーは、その高調波歪みが非常に低く、正確でクリアな音を約束します。この新たなセットは、旧来のモデルを基にさらに改良を加え、よりリアルでナチュラルな音を再現することを目的としています。ローノイズFET採用、エミッタフォロワー回路のブラッシュアップにより、音質を向上させているとしています。
SRS-X1000の価格
SRS-X1000のセット価格は、日本国内で税込121,000円となっています。この価格設定は、高品質なオーディオ機器としてはリーズナブルな部類に入ります。組み込まれたSR-X1イヤースピーカーとSRM-270Sドライバーユニットが、この価格で提供する高度な音響技術とパフォーマンスを考えると、音質にこだわるユーザーにとっては魅力的な選択肢と言えるでしょう。改良された静電型の技術は、明瞭で洗練されたサウンドを提供し、その価格以上の価値があると評価されています。
STAX SR-X1 / SRS-X1000 仕様
SR-X1の仕様
形式: プッシュプル・エレクトロスタティック円形発音体、後方開放型
再生周波数帯域: 7-41,000Hz
静電容量: 110pF
インピーダンス: 145k Ω
音圧感度: 101dB/Vr.m.s.
バイアス電圧: DC580V
重量: 234g
SRS-X1000(SRM-270S)の仕様
周波数特性: DC-35,000Hz
定格入力レベル: 125mV
利得: 58dB
高調波歪: 0.01%以下
入力インピーダンス: 25kΩ
最大出力電圧: 280Vr.m.s.
音声入力:RCA1系統
音声出力:RCAスルー1系統
重量: 540g
SR-X1とSRS-X1000の各種レビュー・評価を分析
静電型らしい繊細な音質が良い
STAXに特有の静電型イヤースピーカーは、細部の音までクリアに再現することで知られています。SR-X1およびSRS-X1000は、その伝統をしっかりと受け継ぎつつ、繊細かつ精緻な音質を提供していると評価されています。高解像度のサウンドステージは、クラシック音楽やジャズなどの複雑な音楽ジャンルを楽しむのに最適です。
軽快な本体は装着感良好
SR-X1の重量は234gと非常に軽量で、長時間のリスニングでも疲れにくいのが特徴です。イヤーパッドは本革羊皮を使用しており、肌触りが良く快適な着け心地を実現しています。日常的に使用することを考えれば、その装着感の良さは大きな利点と言えるでしょう。
エントリーモデルのせいか、すべてにおいてリアルサウンドとはいかない
SR-X1はエントリーモデルであり、価格を抑えるためにいくつかの妥協点も見受けられます。最上級モデルと比較すると、低音の深みや一部の高音の伸びが限定的な場合がありますが、この価格帯でこれだけの音質を得られるのは非常に魅力的です。
専用ドライバーが必要なのは初心者には煩わしい
STAXの製品は専用のドライバーユニットが必要であり、それがSRS-X1000にも含まれています。しかし、このシステムが初心者にとっては少々煩わしいかもしれません。静電型イヤースピーカーを扱う上での学習曲線はありますが、その独特の音質体験のためには避けられない側面です。
昔のエントリーモデルよりかなり価格が高くなっているのは気になる
以前のSTAXのエントリーモデルに比べると、SR-X1の価格は66,000円、SRS-X1000のセット価格は121,000円と、明らかに高くなっています。この価格上昇が一部のユーザーにとって障壁となる可能性がありますが、その分、品質と性能の向上が見込まれます。また、オーディオ業界全体で、以前よりも高価格化の波もあることを考慮するとSTAXは頑張っているほうだ、他社の同価格帯よりも優れているといった擁護の意見もあります。
SR-X1とSRS-X1000がおすすめのユーザー
STAXの静電型イヤースピーカーをはじめて使うユーザー
STAXの静電型イヤースピーカーは、その独特な音質で高い評価を得ていますが、その扱いや価格が初心者には敷居が高いと感じられがちです。しかし、新エントリーモデルのSR-X1やセット商品のSRS-X1000は、その静電型イヤースピーカー特有の繊細でクリアな音質を、現在のオーディオ状況を考えると、比較的手ごろな価格で提供するため、静電型を初めて使うユーザーにはおすすめです。専用のドライバーユニットSRM-270Sがセットになっているため、別途購入する必要がなく、手軽に高品質な音楽体験を始められます。
クラシックやアコースティック音源に強いヘッドホンを10万円程度で求めるユーザー
STAXのSR-X1及びSRS-X1000は、クラシックやアコースティック音源の再生に非常に適しています。静電型イヤースピーカーの特性上、微細な音のニュアンスや空間の広がりを忠実に再現できるため、これらのジャンルのリスナーには特におすすめです。また、SRS-X1000のセット価格が約121,000円(税込)と、このレベルの音質を得られる製品としては、ヘッドホンアンプ込みで非常にコストパフォーマンスが高いと評価されています。
STAXの静電型イヤースピーカーをかつて使っていたユーザー
かつてSTAXの製品を使用していたが、何らかの理由で使用をやめてしまったユーザーにとって、SR-X1やSRS-X1000は再びSTAXの世界へと足を踏み入れる絶好の機会です。特にSRS-X1000は、新旧の技術が融合されており、昔ながらのSTAX製品の良さを残しつつ、現代の技術でさらなる進化を遂げています。音質の改善だけでなく、装着感や操作性の向上も図られているため、より快適に長時間のリスニングが可能です。
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