
audio-technicaの開放型ヘッドホン最上位機・ATH-ADX7000と下位モデルのATH-ADX5000を比較しての違いを解説。どちらをどう選べばよいかも案内します。
はじめに・本記事の目的
本記事では、audio-technicaの開放型ヘッドホン最上位モデル「ATH-ADX7000」(2025年10月発売)と、その下位モデルである「ATH-ADX5000」(2017年発売)を徹底比較します。「ATH-ADX7000」はオーディオテクニカのフラッグシップモデルとして、さらなる進化を遂げた一台です。一方、「ATH-ADX5000」は高い評価を得ていた従来の人気モデルであり、この2機種の違いを知ることは、ヘッドホン選びにおける重要な判断材料となるでしょう。
両モデルは、オーディオテクニカの「トゥルーオープンエアーオーディオ(TOA)」の思想を基に設計されており、開放型ならではの広がりのある音場と自然な音響体験を追求しています。しかしながら、性能や価格、仕様において明確な差異が存在します。本記事では、それぞれの特徴や共通点を詳しく解説し、音楽好きやオーディオ愛好家にとってどちらのモデルがより適しているのかを明確にしていきます。
また、「ATH-ADX7000」と「ATH-ADX5000」の違いだけでなく、用途やターゲットに応じた最適な選び方についても取り上げることで、読者の皆さんが自身の目的に合ったヘッドホンを選ぶ際の参考にすることを目的としています。それぞれのモデルが持つ魅力や強みを確認しながら、最適な一台を見つけてみてください!
ATH-ADX7000とATH-ADX5000の概要
トゥルーオープンエアーオーディオ(TOA)思想の高級開放型ヘッドホン
ATH-ADX7000とATH-ADX5000は、オーディオテクニカが掲げる「トゥルーオープンエアーオーディオ(TOA)」思想を体現する高級開放型ヘッドホンです。このTOA設計とは、空気の流れを効果的にコントロールし、振動板の自然な動作を最大限に引き出すことで、原音に忠実な高精度な音質を実現する技術コンセプトです。これにより、広がりのあるサウンドと自然な音響特性を提供します。
58mmドライバーや国内製造といったこだわり
両モデルとも、φ58mm大口径ドライバーを搭載しており、これがダイナミックで高解像度な音を支えています。また、日本国内での製造にこだわっており、高品質な素材選定や緻密な仕上げを実現しています。この点は、audio-technicaブランドの信頼性とも直結しており、特にオーディオファンから評価を受ける重要なポイントです。
最上位モデルのATH-ADX7000
ATH-ADX7000は、audio-technicaの開放型ヘッドホンの最上位機として設計されています。このモデルは新開発の「HXDT(High-Concentricity X Dynamic Transducer)」ドライバーを採用し、音場の広がりや解像度をさらに追求しています。また、軽さと剛性を両立させたアルミニウムとマグネシウムによる特殊ハウジングを採用し、約275gという軽量設計を実現しています。さらなる音質向上を目的とした構造改良や付属アクセサリーの拡充も特徴です。
その下位モデルのATH-ADX5000
2017年に発売されたATH-ADX5000は、ADXシリーズを象徴するモデルとしての実績があります。「トゥルーオープンエアーオーディオ」を牽引してきた先駆的な製品であり、ATH-ADX7000の基盤ともなっています。その完成度の高さは現在も評価が高く、バランスの良いサウンドと日本製高級ヘッドホンとしての品質の良さが魅力です。
市場価格とターゲット層
ATH-ADX7000の市場価格は約558,800円(税込)、ATH-ADX5000は約261,800円(税込)と、両者の価格には大きな差があります。ATH-ADX7000は、特に究極の音質を求めるオーディオマニアやプロフェッショナルユーザーをターゲットとしています。一方で、ATH-ADX5000は、音質と価格のバランスを重視するハイエンド志向のユーザーに向けた一品といえます。それぞれの価格帯にはっきりとした特徴とターゲット層が設定されている点が印象的です。
ATH-ADX7000とATH-ADX5000の違い(ATH-ADX7000における進化・向上点)
ドライバー構造の進化:
口径:58mmダイナミック型(ATH-ADX5000と同一サイズ)
新技術「HXDT(High-Concentricity X Dynamic Transducer)」採用
→ ダイアフラムの同心度(中心精度)を極限まで向上。
→ タングステンコーティングが不要となり、質量低減&応答性(レスポンス)向上。
→ より自然で俊敏な音の立ち上がりを実現。
ATH-ADX7000は、新たに開発された「HXDT(High-Concentricity X Dynamic Transducer)」を採用しています。この技術により、58mmドライバーの振動がより精密に制御され、音の定位感や解像度が顕著に向上しました。一方で、ATH-ADX5000も高品質なドライバーを搭載していますが、ATH-ADX7000ほどの細かい制御技術は採用されていません。これにより、ATH-ADX7000はさらにリアルで自然な音場を実現しています。
バッフル構造の刷新:
材質変更:樹脂製 → アルミビレット削り出し(高精度5軸CNC加工)
形状:有機的で滑らかな曲線構成により、空気の流れがスムーズ。
効果:
不要共振を抑制
剛性を維持しながら軽量化
ドライバーとの一体化構造によりパーツ点数を削減
微小な歪みを解消し、よりピュアなサウンドへ。
ATH-ADX7000では、バッフル構造が根本的に再設計されています。この刷新により音響空間が最適化され、音の抜けや広がりが非常に自然なものとなっています。一方、ATH-ADX5000はこれと比較して従来型のバッフル構造を維持しており、繊細さで一歩譲る印象です。
磁気回路の革新:
素材変更:パーメンジュール → 無方向性電磁鋼板(日本発の特殊技術)
特徴:
磁束の流れがどの方向にも均一
エネルギーロスを最小化し、電気信号から音への変換効率を向上
ノイズ抑制により、音の透明度・純度が向上。
業界初の採用例として注目される技術。
ATH-ADX7000では、磁気回路において効率性が大幅に改善されています。これによりダイナミックレンジが広がり、小さな音から大きな音までより正確に再現することが可能です。この革新は、音楽の繊細なニュアンスを重視するリスナーにとって大きな魅力となります。
イヤーパッド素材の拡充:
従来(ADX5000):アルカンターラ製
新モデル(ADX7000):
アルカンターラ製に加え、
妙中パイル織物社製 高級ベルベット素材を新採用。
→ さらに柔らかく肌触りが良い装着感を実現。
ATH-ADX7000では、イヤーパッド素材にもこだわりが見られます。特に耳へのフィット感や長時間の使用でも疲れにくい点が大きな特徴です。一方でATH-ADX5000も高級素材を使用していますが、ATH-ADX7000ほどの進化は見られません。この違いにより快適性に差が出ています。
スライダーの違い:ATH-ADX7000はチタニウム素材をスライダーに採用することで、構造の安定性と耐久性を向上
ATH-ADX7000は、スライダーにチタニウム素材を採用しています。この選択により適度な軽量化を維持しつつ、構造の安定性と耐久性をさらに高めています。一方ATH-ADX5000では、同素材は採用されていないため、耐久性ではATH-ADX7000が上回ります。
インピーダンスの違い:ATH-ADX7000は490Ω、ATH-ADX5000は420Ω
インピーダンスにおいて、ATH-ADX7000は490Ωと、ATH-ADX5000の420Ωに比べて高く設定されています。この結果、ATH-ADX7000はより大型のアンプや上級オーディオ機器との組み合わせによる真価を発揮しますが、ATH-ADX5000はやや扱いやすい設計です。
付属ケーブルの拡充:ATH-ADX7000は従来はオプションだったバランス接続用ケーブルも付属
ATH-ADX7000では、従来オプション扱いだったバランス接続用ケーブルが標準で付属しています。この仕様により、ハイエンドオーディオ機器との接続性が向上。ただし、ATH-ADX5000においてはバランスケーブルが付属していないため別途購入が必要となります。
重量の違い:ATH-ADX7000は約275g、ATH-ADX5000は約270g
両モデルの重量はわずかに異なり、ATH-ADX7000は約275g、ATH-ADX5000は約270gとなっています。ATH-ADX7000は追加の素材や設計による進化が重量増加の理由であり、それでも軽量設計を維持していることから、ユーザーの負担は最小限に抑えられています。
価格の違い:ATH-ADX7000は¥558,800、ATH-ADX5000は¥261,800
価格面では、ATH-ADX7000は¥558,800(税込)、一方ATH-ADX5000は約半額の¥261,800(税込)となっています。この違いは、新しい技術や付属品の有無などによるもので、よりこだわった設計とプレミアムな仕様が反映されています。
ATH-ADX7000とATH-ADX5000の共通点
オープンエアー(開放型)ダイナミック型ヘッドホンである
ATH-ADX7000とATH-ADX5000はどちらも、オーディオテクニカの誇る開放型ヘッドホンです。オープンエアー構造により、空気の自然な流れを活かした解放感のあるサウンドを実現しています。この設計は、長時間のリスニングにおいても快適でストレスのない体験を提供します。
「トゥルーオープンエアーオーディオ」設計を謳う
両モデルは、audio-technicaが掲げる「トゥルーオープンエアーオーディオ」思想を十分に反映しています。この設計により、振動板の動きが空気の抵抗を最小限に抑え、よりダイナミックで自然な音響特性を引き出しています。ヘッドホンの構造全体を通じて原音の忠実な再現を追求しています。
ドライバー口径が φ58 mm である。
ATH-ADX7000とATH-ADX5000のどちらも、直径58mmの大型ダイナミックドライバーを採用しています。この大きな振動板は、低音から高音まで幅広い周波数帯域をカバーし、立体感と解像度の高い音を提供します。
バッフル一体型ドライバー設計を採用
両モデルにはバッフル一体型のドライバー設計が導入されています。この構造により、不要な共振を抑えつつ、より正確な音響再現が可能となっています。特に高精度の中高音域の表現に優れています。
独自開発のコアマウントテクノロジー
audio-technica独自の「コアマウントテクノロジー」による設計は、ヘッドホン内部の振動とズレを最適化します。これにより、振動板の効率的な動作が実現され、クリアで精密な音の定位が得られます。
日本製の特殊ハニカムパンチングハウジングを採用
両モデルのハウジングには特殊なハニカムパンチングデザインが採用されています。この構造は高剛性でありながら軽量化を実現し、音響特性を向上させると同時に、耐久性と美しい外観を両立しています。
薄く軽く、剛性の高いマグネシウム成型フレーム&アーム
フレームとアームには剛性が高く非常に軽量なマグネシウム合金が使用されています。これにより、長時間のリスニングセッションでも快適な装着感を維持できる設計になっています。
270g台の軽量設計
どちらのモデルも約270gという軽量設計が特徴です。この軽さは装着時の疲れを抑えるとともに、使用者に快適なリスニング環境を提供します。
再生周波数帯域が 5〜50,000 Hz をカバーしている。
両モデルの再生周波数帯域は5~50,000 Hzと非常に広範囲です。この広い周波数特性により、音源の細部まで忠実に再現し、豊かな音の表現が可能となっています。
出力音圧レベル(感度)が 100 dB/mW である。
感度は100 dB/mWで、これにより音源の微細な信号までも正確に再現。広帯域にわたるダイナミックレンジを活かし、臨場感のあるサウンド体験を提供します。
入力端子に A2DC ジャック(着脱式)を採用している。
両モデルとも、A2DC(Audio Designed Detachable Coaxial)ジャックを採用しており、ケーブルの脱着が容易です。この仕様により、ケーブルの交換やカスタマイズも可能で、多様なリスニングスタイルに対応しています。
コード長 3.0 m の着脱式ケーブルが付属している。
標準で付属する3.0mのケーブルは、リスニングルームなど広い空間での使用にも対応しています。さらに、着脱式設計のため用途に合ったケーブルを利用できます。
日本国内で設計・製造されている(「MADE IN JAPAN」またはそれに準じた表現)ことが明記されて
これらのヘッドホンは日本国内で設計・製造され、高い品質基準を確保しています。audio-technicaの持つ伝統的な技術力と現代的な革新が融合した製品です。
装着感や装備仕様においてハイエンド仕様である(例:高級素材パッド、マグネシウム/軽量剛性フレーム等の仕様)という方向性を共有している
両モデルは、装着感や使用感の面でもハイエンドヘッドホンとして最高水準の仕様を提供します。高級素材を採用したイヤーパッドや軽量剛性のフレームにより、上質なリスニング体験を追求しています。
両モデルの違いのまとめ
audio-technicaのATH-ADX7000はATH-ADX5000と比較して多くの改良が施されています。特にドライバー構造やバッフル設計、磁気回路の進化による音質の向上、そしてチタニウムスライダーやバランスケーブルの付属など、細部にまでこだわりが詰め込まれています。価格やインピーダンス、重量にも違いがあり、高級感やパフォーマンスの面でATH-ADX7000はフラッグシップにふさわしい位置づけとなっています。
両モデルの共通点のまとめ
audio-technicaの開放型ヘッドホンであるATH-ADX7000とATH-ADX5000は、どちらも「トゥルーオープンエアーオーディオ」設計を採用し、日本国内で製造されています。再生周波数帯域が5〜50,000Hzに対応し、軽量で高剛性なマグネシウム成型フレームを採用するなど、ハイエンド仕様を共有しています。オーディオテクニカの技術と品質を体現する共通点が魅力です。
ATH-ADX7000 vs ATH-ADX5000 比較表
| 項目 | ATH-ADX7000 | ATH-ADX5000 | 備考(進化・特徴) | 
|---|---|---|---|
| 形式 | 開放型ダイナミック(トゥルーオープンエアーオーディオ) | 開放型ダイナミック(トゥルーオープンエアーオーディオ) | 共通 | 
| ドライバー口径 | φ58 mm | φ58 mm | 共通 | 
| ドライバー構造 | HXDT(High-Concentricity X Dynamic Transducer)採用。タングステンコーティング不要、レスポンス向上 | 通常構造、タングステンコーティング採用 | HXDTで同心度・応答性向上 | 
| ダイアフラム | コーティングレス | タングステンコーティングあり | 軽量化+高レスポンス | 
| バッフル構造 | アルミビレット削り出し(5軸CNC)・ドライバー一体化構造 | 樹脂製バッフル(ドライバー一体型構造) | 剛性向上・不要共振低減・空気流改善 | 
| 磁気回路 | 無方向性電磁鋼板採用(業界初) | パーメンジュール採用 | 磁束均一化・エネルギーロス低減・ノイズ抑制 | 
| スライダー素材 | チタニウム製 | 不明(チタニウムではない) | 耐久性・安定性向上 | 
| ハウジング構造 | 日本製ハニカムパンチングハウジング | 同上 | 共通 | 
| フレーム/アーム材質 | マグネシウム成型 | マグネシウム成型 | 共通(軽量・高剛性) | 
| イヤーパッド素材 | アルカンターラ製+妙中パイル織物社製ベルベット素材(2種) | アルカンターラ製のみ | 柔らかく肌触りの良い装着感 | 
| インピーダンス | 490 Ω | 420 Ω | わずかに高インピーダンス化 | 
| 出力音圧レベル(感度) | 100 dB/mW | 100 dB/mW | 共通 | 
| 再生周波数帯域 | 5 – 50,000 Hz | 5 – 50,000 Hz | 共通 | 
| ケーブル端子 | A2DC着脱式 | A2DC着脱式 | 共通 | 
| 付属ケーブル | 3.0 mアンバランス+4.4 mmバランス(両方付属) | 3.0 mアンバランスのみ(バランスケーブル別売) | バランス接続用ケーブルが標準付属に | 
| 重量 | 約275 g | 約270 g | わずかに増加(アルミ削り出し構造による) | 
| 製造国 | 日本製 | 日本製 | 共通 | 
| 価格(希望小売) | ¥558,800(税込) | ¥261,800(税込) | 約2倍の価格差 | 
| 設計思想 | 音の純度・応答性・磁気効率を徹底追求した次世代フラッグシップ | トゥルーオープンエアー思想を確立した初代モデル | ADX5000の哲学を継承しつつ全方位的にブラッシュアップ | 
🧩 総括
ATH-ADX7000は、ATH-ADX5000の設計理念を継承しながら、
「精度・素材・磁気・快適性」の4要素を根本から再構築したモデルです。
とくにHXDTドライバー、無方向性電磁鋼板、アルミ削り出しバッフルの採用が象徴的で、
音のレスポンス・透明度・立体感が大幅に向上しています。
ATH-ADX7000とATH-ADX5000の違いによる影響を分析
再生音質面の違い
ATH-ADX7000とATH-ADX5000はどちらもaudio-technicaの高級開放型ヘッドホンであり、「トゥルーオープンエアーオーディオ」を表現する上で設計されています。しかし、ATH-ADX7000では特に「HXDT(High-Concentricity X Dynamic Transducer)」が採用され、振動板の動きをよりコントロールしやすい設計となっています。その結果、音にさらなる精密さと透明感が加わり、奥行き感や立体感の向上が明確です。一方、ATH-ADX5000も高い再生品質を誇りますが、ATH-ADX7000ではその上をいく原音忠実性としっかりした音場表現が実現されています。
適合音楽ジャンルの違い
ATH-ADX7000は、クラシックやジャズなど複雑な楽器構成や豊かな音場が求められる音楽ジャンルに最適です。繊細さとダイナミクスの表現が素晴らしく、特にライブの臨場感や空気感を重視した音作りが向いています。
一方、ATH-ADX5000はポップ、ロック、アコースティックなど幅広いジャンルに対応しつつも、現実的な立体感や音場感よりも柔らかな音楽性を引き出す傾向があります。
機能、使い勝手面の違い
ATH-ADX7000は、付属ケーブルとしてバランス接続用ケーブルが標準で付属している点が特徴です。この点では、ATH-ADX5000よりも更に幅広い機器への対応力が高まりました。また、490Ωの高インピーダンス設計による音の安定性が向上しているため、使用するオーディオ機器を選ぶ特性があります。
使用機器の汎用性
ATH-ADX5000はインピーダンスが420Ωであるため、ATH-ADX7000と比較すると駆動しやすい設計です。一方、ATH-ADX7000は490Ωという非常にハイインピーダンスな設計のため、専用アンプやハイエンドのオーディオ環境が必要となります。これにより音質のポテンシャルを最大限引き出せる上級機器への依存度が高まります。
適した使用環境の違い
ATH-ADX5000はリーズナブルなハイエンドヘッドホンとして、一般的なリスニングルームから専用のオーディオ環境まで幅広い場面で活躍します。一方、ATH-ADX7000は高品質な音響空間を提供する専用リスニングルームや、特にプロフェッショナルな音楽制作環境での利用に最適です。また、軽量設計(275g)により長時間装着しても疲れにくい点が共通する一方で、ATH-ADX7000はその剛性と耐久性において更に安心感を提供します。
デザイン、質感、モノとしての魅力の違い
ATH-ADX7000はスライダーにチタニウム素材を採用するなど、ATH-ADX5000と比較して質感や仕上がりの高級感が更に際立ちます。このため、物としての所有欲をさらに強く刺激するモデルです。両モデルとも「MADE IN JAPAN」としての高い信頼性を共有しますが、ATH-ADX7000にはaudio-technicaの最高峰モデルとしてのブランド価値が色濃く反映されています。
コストパフォーマンスの違い
価格面では、ATH-ADX7000が558,800円(税込)、ATH-ADX5000が261,800円(税込)となり、大きな価格差があります。この価格差には、さらなる設計の工夫や進化した音響性能が反映されており、ATH-ADX7000は究極を求める音響ファンに向けた製品です。一方、ATH-ADX5000はハイエンド機としての基本要素を備えつつ、比較的手の届きやすい価格帯である点が魅力です。
それぞれのメリットは?
ATH-ADX7000のメリットのまとめ(箇条書き)
– audio-technicaの開放型ヘッドホン最上位機であり、高い技術力を結集して作られたフラッグシップモデルです。
– 新たに採用された「HXDT(High-Concentricity X Dynamic Transducer)」により、振動板の動きを自然に制御し、高精度で定位感のある音質を実現しています。
– スライダー部分にチタニウム素材を採用し、耐久性と構造の安定性が強化されており、長期間の使用にも耐えられます。
– 付属ケーブルが拡充され、バランス接続用ケーブルが同梱されることで、多様なオーディオシステムに対応可能です。
– 再生周波数帯域5〜50,000Hz、インピーダンス490Ωとハイエンド仕様で、特に原音に忠実で広がりのある音場を求めるリスナーに最適です。
– 軽量かつ剛性の高いアルミニウムとマグネシウムを組み合わせたハウジングデザインは、長時間のリスニングでも快適な装着感を保証します。
– MADE IN JAPANの国内製造により、製品の品質や信頼性が非常に高いことが特徴です。
ATH-ADX5000のメリットのまとめ(箇条書き)
– audio-technicaのATHシリーズにおけるコストパフォーマンスが高いモデルであり、特にATH-ADXシリーズの一員として、優れた音質を提供します。
– トゥルーオープンエアーオーディオ(TOA)設計を採用しており、自然な音の広がりが楽しめます。
– 58mmドライバーやバッフル一体型設計といった、高精度技術を搭載しており、価格を超える音響パフォーマンスを提供します。
– 420Ωというインピーダンス設計により、ATH-ADX7000よりもドライブしやすく、さまざまなアンプやオーディオ機器と組み合わせやすいです(あまり違いはないかもしれませんが)。
– 再生周波数帯域5〜50,000Hzをカバーし、繊細な高音域から迫力のある低音域まで、バランスの良い音質を実現しています。
– 約270gという軽量設計で、長時間のリスニングでも負担なく使用できるため、リラックスした楽しみ方に適しています。
– ATH-ADX7000よりもリーズナブルな価格(参考価格 ¥261,800)で入手可能で、ハイエンドモデルを求める方の入門機として申し分ありません。
どちらを選ぶべきか? 判断ポイント
購入前に考慮すべき要素
audio-technicaの開放型ヘッドホン最上位機・ATH-ADX7000と下位モデルのATH-ADX5000を選ぶ際には、いくつかの要素を事前に考慮することが重要です。まず予算が大きな判断基準となります。ATH-ADX7000は約558,800円、ATH-ADX5000は約261,800円と価格差がありますので、どれだけ投資できるかを検討する必要があります。
また、再生する音楽ジャンルや求める音質も大切なポイントです。ATH-ADX7000はさらに進化したドライバー構造やバッフル設計、バランス接続用ケーブルの付属など音質へのこだわりが際立っています。一方、ATH-ADX5000も開放型ヘッドホンとして高いレベルの音質を提供しており、コストパフォーマンスに優れています。
さらに、使用する環境も選択に影響を与えます。ATH-ADX7000のようなハイインピーダンス仕様(490Ω)では、十分な性能を引き出すために高性能なアンプやソース機器が必要です。もし使用機器が限定的であればATH-ADX5000のほうが取り回しやすい場合もあります。これらの要素を総合的に判断することが、最適な選択に繋がります。
それぞれのモデルが持つ魅力と用途
ATH-ADX7000が持つ最大の魅力は、その突き抜けた音質クオリティにあります。「トゥルーオープンエアーオーディオ(TOA)」の思想のもと、空気の流れを最適化し、より自然な音響空間を実現しています。新技術「HXDT(High-Concentricity X Dynamic Transducer)」により、定位感や解像感、音場感が極めて高く、特にクラシックやジャズ、アコースティック音楽などでその真価を発揮します。さらに、ハイエンドな素材やデザインも魅力で、所有する喜びを感じさせます。
一方、ATH-ADX5000はATH-ADX7000ほど高価格ではありませんが、こちらも58mmの高性能ドライバーや「コアマウントテクノロジー」を採用し、原音に忠実な音質を提供します。低めのインピーダンス設計(420Ω)で、多くのオーディオ機器と組み合わせやすい点もメリットです。高音質を求めつつもコスト面を重視する場合や、特定の高価なアンプを使用しないで楽しみたい方には最適な選択肢と言えるでしょう。
どちらのモデルもトゥルーオープンエアーオーディオ設計による自然な音響空間を追求しており、用途や予算に応じて選択肢が分かれる点が特徴です。
それぞれのおすすめユーザーや使い方は?
ATH-ADX7000がおすすめのユーザーは?(箇条書き)
– 音質に妥協したくないプロフェッショナルなリスナーや音楽制作者。
– 細部にまで忠実な再現力を求める、クラシックやジャズなどの繊細な表現や音場性を楽しみたい方。
– 高価でも最高峰の開放型ヘッドホンを求めるオーディオマニアやハイエンド志向のリスナー。
– 付属品でバランス接続を使用したい方
– ハイインピーダンス(490Ω)対応の高性能アンプを所有しているか、導入を検討している方。
– 長時間のリスニングでも快適な装着感を重視し、軽量高剛性素材に魅力を感じる方。
– オーディオテクニカの最高級ヘッドホンが欲しい方。
– モノとしての魅力にも溢れた高級ヘッドホンが欲しい方。
ATH-ADX5000がおすすめのユーザーは?(箇条書き)
– 高解像度の音質を手軽(上位との比較問題ですが)に体験したい、初めてのハイエンドヘッドホンを検討している方。
– 音楽嗜好が幅広く、ロックやポップスなど多様なジャンルを楽しみたいリスナー。
– ハイエンドモデルにおける「トゥルーオープンエアーオーディオ」の設計思想を試したい方。
– ATH-ADX7000の購入には至らないが、同シリーズの高い音質や快適性を求める方。
– 420Ωのインピーダンスに対応したアンプやプレーヤーを所有している方。
– バランス接続は不要、あるいは自分でケーブルを用意できる方
まとめ
ATH-ADX7000とATH-ADX5000は、audio-technicaによるトゥルーオープンエアーオーディオ(TOA)の哲学を体現した高級開放型ヘッドホンです。それぞれのモデルは、日本国内設計・製造の高い技術に裏付けられた完成度を持ちながら、価格や使用感、そして音質の方向性に明確な違いがあります。
ATH-ADX7000は、最上位モデルとしてさらなる進化を遂げ、特に音質面や素材選択、装備仕様での差別化が図られています。一方、ATH-ADX5000は、高級開放型ヘッドホンとしての基本性能をしっかりと抑えつつ、コストパフォーマンスの点で優れた選択肢となります。
どちらを選ぶかは、価格や好みの音質、用途に応じて判断する必要がありますが、両モデルともaudio-technicaの豊富な経験と技術が詰まった逸品であり、高い満足度を提供することが期待できます。どのモデルを選んでも、オーディオテクニカによる洗練された音場体験を存分に楽しむことができるでしょう!



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