iFi audio ZEN DAC 3 約4万円のUSB-DAC複合機
製品紹介と基本スペック
ZEN DAC 3は、iFi audioが手掛けるUSB-DAC複合機(ヘッドホンアンプ・プリアンプ)です。USB経由で高解像度のオーディオ信号を処理し、ハイレゾ音源の再生を可能にします。本機は、バーブラウンのDACチップを採用。DSD512やPCM768といったハイスペックなオーディオフォーマットにも対応しており、豊かな音質を提供します。また、MQAフルデコードにも対応しており、MQA音源も楽しむことができます。
価格と販売情報
ZEN DAC 3の価格は、同クラスのUSB-DAC機器の中でも比較的リーズナブルであり、コストパフォーマンスに優れています。一般的には4万円前後で購入可能です。
デザインと操作性
ZEN DAC 3のデザインは、洗練されたシンプルでモダンな外観が特徴です。筐体には堅牢なアルミニウム合金が使用されており、耐久性にも優れています。前面には直感的に操作できるノブやボタンが配置されており、ユーザーにとっての操作性も高いです。
また、USB入力やアナログ出力端子(バランス接続&プリアウト対応)、ヘッドホン出力端子(バランス接続対応)が豊富に揃っているため、多様なオーディオシステムやヘッドホンと組み合わせて使用することができます。その上、LEDインジケーターが搭載されており、どの入力や出力が選択されているか一目で確認できる点も魅力的です。
電源は利便性の高いUSBバスパワーと、音質向上が図れる外部電源の両方に対応。簡単な使い勝手と音質追求を両立しています。
iFi audio ZEN DAC 3 仕様
入力 USB-C
対応フォーマット DSD512/PCM768kHz/MQAフルデコード
DAC バーブラウン製DACチップ
ライン出力 4.4mmバランス、RCAシングルエンド
ライン出力レベル 4.4mmバランス:2V/最大6.2V(可変)、4.2V(固定)、シングルエンド:1V/最大3.3V(可変)、2.1V(固定)
出力インピーダンス バランス:200Ω、シングルエンド:100Ω
ライン出力 S/N 比 113dB (バランス/シングルエンド)
ライン出力ダイナミックレンジ 113dB (バランス/シングルエンド)
ライン出力 THD+N 0.0015% (バランス)、0.003% (シングルエンド)
ヘッドホン出力 4.4mmバランス、6.3mmシングルエンド
ヘッドホン出力レベル 最大6.2V(バランス)、最大3.3V(シングルエンド)
最大出力パワー バランス:>70mW @ 600Ω、>300mW @ 32Ω、シングルエンド:>18mW @ 600Ω、>210mW @ 32Ω
定格出力パワー バランス:>390mW @ 64Ω、シングルエンド:>210mW @ 32Ω
出力インピーダンス 1Ω以下(バランス・シングルエンド)
ヘッドホン出力 S/N 比 109dB @ 0dBFS(バランス/シングルエンド)
ヘッドホン出力ダイナミックレンジ 109dB @ 0dBFS(バランス/シングルエンド)
ヘッドホン出力 THD+N 0.005% @ 0dBFS(バランス)、0.013% @ 0dBFS(シングルエンド)
周波数特性 5Hz-90kHz(+/-3dB)
電源入力 USB-Cバスパワー、DC5V/0.5A
消費電力 無信号 ~0.5W、最大信号 ~2.5W
サイズ 158mm×115mm×35mm
他モデルとの比較
従来機・ZEN DACとの比較 内容・機能面の向上点
ZEN DAC 3は、iFi audioのUSB-DACとして、最新の製品です。従来モデルに当たるZEN DACと比較すると、音質や機能面での進化が顕著です。例えば、DSD512やPCM768のハイレゾ音源に対応しており、より高解像度な音楽再生が可能です。また、MQAフルデコードにも新対応しており、ストリーミングサービスを利用する際にもフルスペックで楽しむことができます。これにより、オーディオファンにとっては非常に魅力的な選択肢となります。
そのほか、スマホやMαcなど、DoPでしかDSD伝送ができない機器でもDSD 256音源が再生できるようになりました。低域補正機能も、前機種が廉価グレードの「TrueBass」だったところ、上位機種に用いられる「XBass+」へと変更されています。
USB入力端子もUSB-Cへと刷新されており、汎用性が高まっています。
デザインや操作性においても、ZEN DAC 3は良好な使い勝手を誇ります。シンプルでエレガントな筐体デザインはそのままに、操作インターフェースが改良され、さらに直感的な操作が可能となりました。これにより、初めてUSB-DACを使用する方にも安心してお使いいただけます。
競合機・FiiO K7との比較
FiiO K7は、FiiOが発売した据え置き型のDAC/ヘッドホンアンプの人気モデルであり、税込み実売価格は約3.3万円です。ZEN DAC 3と比べると、価格帯が近く、ユーザーにとっては選択の難しさが増します。しかし、それぞれの強みが異なるため、用途や好みによって選択肢が分かれてきます。
まず、筐体についてですが、FiiO K7はアルミニウム合金製で、ブラックとレッドのカラバリがあります。スタイリッシュな外見が特徴で、多くのオーディオ機器と調和するデザインです。一方、ZEN DAC 3もシンプルでエレガントなデザインが魅力であり、デザイン面ではどちらも高評価です。
音質性能に関しては、FiiO K7はAKM製AK4493SEQデュアルDAC構成を採用しており、完全バランス設計とTHX-AAA 788+アンプを組み合わせることで、価格に対して非常に高音質な再生を提供しています。また、USB入力のスペックはPCM384kHz/32bitとDSD256に対応しており、幅広いフォーマットの再生が可能です。これに対し、ZEN DAC 3はDSD512やPCM768にも対応しており、さらに高解像度な音楽再生が可能です。
機能面では、FiiO K7は独立電源供給回路を搭載しており、安定した電力供給が可能です。3つの出力モードや2段階のハードウェアゲイン、RGBインジケーターライト表示など、細部まで配慮された機能が揃っています。ZEN DAC 3も多機能で、MQAフルデコード対応や各種レビューで高評価を得ています。これらの特徴を考慮すると、どちらの製品もハイレゾ音源や高品質のオーディオ機器を求めるユーザーにとって非常に魅力的な選択肢となります。
iFi audio ZEN DAC 3 レビューサイト

iFi audio ZEN DAC 3 ユーザー評価とレビュー分析
肯定的な評価
ZEN DAC 3の評価を分析すると、高い評価が目立ちます。特に、iFi audioのUSB-DACについて、ユーザーからはなにより高音質といったコメントが寄せられています。iFi audio製品全般に共通する、自然でややあたたかみのある、しかし音の情報量やレンジ感は確保された高音質を備えているようです。
この機器はDSD512やPCM768に対応しており、ハイスペックなハイレゾ音源を詳細に再生できる点が好評です。とくにDSD512はこの価格帯では対応機が少ないうえ、実際にDSD512の音質が良好ということからも高く評価されています。興味深いのはDSD512の音源は少ないものですが、再生ソフトでDSD512未満の音源をアップコンバート再生したとしてもDSD512の高音質を享受できたという感想が見られることです。再生ソフトとの組み合わせで本機のDSD512サポートを活かして高音質を楽しむのもうまい活用法になりそうです。
さらに、価格もバランス接続やプリアウトに対応した本格的なUSB-DACにしては手ごろで、多くのユーザーが価格対音質のバランスに満足しています。また、デザインや操作性も評価対象になっており、「簡単に操作できる」「高級感がある」といった意見も多いです。
他のUSB-DACと比較しても、コストパフォーマンスやマルチな対応力で優れている点が強調されています。
否定的な評価
いくらか否定的な評価もあります。まずは従来機のZEN DACの当初価格(約2万円)に比べて2倍にも上がった価格。その分音質・機能ともに向上していますが、ハイコスパなUSB-DACとして鳴らしたZEN DACのコスパには及ばないという声もあります。
また、競合機・FIIO KA3よりも音質は下に感じたという声もあります(ZEN DACのほうが音が荒く、綺麗さも負けているなど)。ただし、両機の音質傾向は異なると言われているので、音の好みも含めて一概にどちらが上・下とは言えないかもしれません(音が綺麗でクリアでも自然でリアルに聴こえるとは限らないなど)が、両機で迷っているならよく比較・検討したほうがいいでしょう。
使用するイヤホンやヘッドホンによってはホワイトノイズが聴こえたというマイナス点もあります。高能率なイヤホン・ヘッドホンの場合、ホワイトノイズが聴こえやすいものですので、こうしたモデルをメインで使用している方は注意したほうがいいかもしれません。
結論と総評
iFi audio ZEN DAC 3の強みと弱み
ZEN DAC 3の強みとしてまず挙げられるのは、その高音質です。数万円クラスのUSB-DACの中でも特に、DSD512やPCM768に対応していることから、その再生能力は非常に高いと言えます。また、ハイレゾ音源をフルに楽しむことができるため、オーディオマニアの期待にも応えてくれます。さらに、MQAフルデコード対応という点も、最新の音楽フォーマットを楽しみたいユーザーには大きな魅力となります。
一方、弱点としては従来機ZEN DACよりも価格が高めに設定されている点があります。また、他のUSB-DACやアンプ付き機器と比較した場合、価格対性能比で劣ると感じるユーザーもいるかもしれません。また、操作性に関しても、複雑な設定が必要な場合があり、初心者には少々ハードルが高いと感じる場合もあるでしょう。
購買を検討するユーザーへのアドバイス
ZEN DAC 3の購入を検討されている方へアドバイスです。まず、この機器は音質にこだわるオーディオファンに特におすすめでしょう。とりわけ高解像度のハイレゾ音源をバランス接続で楽しむために最適な機器と言えるでしょう。プリアンプ機能を活かしてアクティブスピーカーと組み合わせるのもおすすめの使い方です。また、DSD512やPCM768の対応、MQAフルデコード対応といった技術的なスペックも魅力の一つです。
一方で、初心者の方や手軽に高音質を楽しみたいユーザーには、もう少しシンプルなモデルを検討するのも一案かもしれません。例えば、FiiO K7など、基本的な高音質機能を搭載しつつも操作がシンプルな機器も選択肢として考える価値があります。
総じて、ZEN DAC 3は高性能なUSB-DAC/ヘッドホンアンプを探している方には非常に魅力的な選択肢となるでしょう。ただし、価格や操作の複雑さを考慮して、自分に最適なモデルを選ぶことが重要です。
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