WiiM ProとPro Plusの違い|最大の差は”アナログ音質とDAC性能”
最大の違いは内蔵DAC性能とアナログ出力の音質差。外部DACを使うならProで十分、RCA直結ならPlusが有利。差額約1.5万円は”音の静寂への投資か、それとも別の機材に回すか”が最大の判断ポイントです。
私はアナログ出力で完結させるならPlus、外部DACを繋ぐデジタル中心の運用ならProで十分だと感じました。差額の1.5万円を「音の背景の静けさ」に払うか、スピーカーや他の機材にまわすか——そこが判断のすべてです。
本記事は購入判断に特化しています。回路設計やジッター理論の詳細は深掘りせず、「体感として何が違うのか」と「どちらを選ぶべきか」に絞って解説します。
比較ポイントは3つだけ
差分3行まとめ
- DAC性能の格差:SNR 102dB(Pro)vs 120dB(Plus)——音の鮮明さ・情報量に直結する数値差
- 歪み率(THD+N):0.005%(Pro)vs 0.00032%(Plus)——回路刷新によりノイズ感が劇的に抑制されている
- アナログ出力の質感:Plusはボーカルの生々しさとS/N比の高さが一段階上
※Wi-Fi・AirPlay 2・対応ストリーミングサービスなど「デジタル機能」はほぼ共通です。
結論ファースト|どちらを選ぶべきか?
一言でいうと?
- プリメインアンプ等にRCA(アナログ)で直結する → WiiM Pro Plus
- 外部DACを持っている、またはデジタル入力付きアンプを使う → WiiM Pro
迷う理由はここだけ
「デジタル出力(光・同軸)で使うなら音は同じでは?」という疑問。理論上、送り出すデジタルデータは同一ですが、Plusは電源やクロックが強化されているため、ハイエンド環境ではデジタル出力でも「音が締まる」と感じる人がいます。しかし一般的に、この価格差の正体は「アナログ段の設計差」にあります。
逆転の選択肢
「今はRCA直結だが、将来5〜10万円クラスの外部DACを導入する予定がある」なら、あえて今はWiiM Proを選び、差額をDAC資金にストックしておくのが最も合理的です。Plusを買った後でDACを追加すると、Plusのアナログ回路への投資が無駄になります。
どちらもあまりおすすめではない人
- Bluetooth再生がメインで、手軽さだけを求めている
- 音質の細かな差(解像感など)にはあまりこだわらない
この場合、WiiM MiniやさらにシンプルなBluetoothレシーバーでも十分に満足できる可能性があります。1.5万円の差額に期待しすぎると、どちらを選んでも拍子抜けするかもしれません。
ミニ比較表(生活差分のみ)
| 比較項目 | WiiM Pro | WiiM Pro Plus |
|---|---|---|
| アナログ音質 | 標準的(元気な音) | 余裕あり(上品・静か) |
| デジタル出力 | 同等 | 同等 |
| ノイズ感 | 普通 | かなり低い(漆黒の背景) |
| 実売価格 | 約2万円台 | 約3.5万円前後 |
| リモコン | ロットにより別売 | 音声対応リモコン付属 |
| 向いている人 | 外部DAC派/コスパ重視 | 直結完結派/音質妥協なし |
3秒で決まる選び方
迷う時間がもったいない人向けの「思考停止」ショートカット判定です。理由はあとで読めば十分です。
GOC判定早見表
- アンプにRCA直結して、そのまま良い音で聴きたい → Pro Plus
- デジタル出力して別のDACに任せる → Pro
- 1.5万円浮かせてスピーカーや別の機材に投資したい → Pro
- とにかく安くWiiMを試してみたい → Pro
アナログ出力の音質差は体感できる?
Plusは音の「背景」が静かに感じやすく、ボーカルが一歩前に出る印象です。特に夜、静かな部屋で小音量でじっくり聴くシーン——アコースティック系や女性ボーカル曲で、歌声の輪郭がくっきりして空気感が増すような感覚があります。スペック上のSNR 120dBが、体感に変換される瞬間です。
Proが「元気でクセのない音」なのに対し、Plusは「落ち着いた上品な音」と形容できます。
ただし、組み合わせるアンプやスピーカーがエントリー帯(1〜2万円程度)だと、この繊細な差はスピーカー側の限界に埋もれます。「差額が誤差になる(聞き分けられない)」という事態を避けるためにも、再生環境とのバランスは必ず考慮してください。ここが”差額が誤差になる人”の落とし穴です。
デジタル出力なら本当に違いはない?
光・同軸出力から送り出される「0と1」のデータ自体は同じです。外部DACを使うなら、最終的な音の決定権はWiiMではなくDAC側にあります。
高価なPlusを買っても、外部DACとデジタル接続するなら恩恵はほぼゼロです。Plusの「Plusたる所以」はあくまでアナログ変換回路。デジタル出力中心の運用であれば、Proで浮かした1.5万円を高品質な光デジタルケーブルやインシュレーターに投資する方が、体験としての満足度は上がりやすいはずです。
【GOCの分析】
理論上、デジタル信号をそのまま出力する「トランスミッター」として使う場合、両者の差はほぼ皆無です。しかし、Plusで施された「電源回路の改善」と「低ノイズクロック」は、デジタル出力のジッター(信号の揺らぎ)抑制にも寄与します。高精度なシステムになればなるほど、Plusの方が「音が引き締まる」というレビューが散見されるのは、この設計の余裕から来るものです。ただし一般的な環境では体感しにくく、ここを期待してPlusを買うのは合理的ではありません。
価格差1.5万円のコスパは妥当?
週末に椅子に座ってじっくり音楽を「鑑賞」するスタイルなら、Plusの差額は「体験への投資」として納得できるでしょう。音に厚みが出て、音楽がよりエモーショナルに聞こえます。
ただ、作業中のBGM用途がメインなら正直Proで十分です。1.5万円浮かせて、もっと良いスピーカーを買うか、ライブや食事に使う方が人生の満足度は高いかもしれません。スピーカーのランクを上げる余地があるなら、差額はそちらに回す方が賢い使い方だと感じます。
デメリット・向かない人
WiiM Proの弱点
- アナログ直結だと少し平面的な硬さを感じることがある
- 「やっぱりPlusにすれば良かった」という後悔欲が後から出やすい
- 将来のアップグレード欲が止まらなくなる可能性がある
WiiM Pro Plusの弱点
- 外部DACを通すと内部の高品位回路がバイパスされ「宝の持ち腐れ」感がある
- 3.5万円出すなら中古の単体DACも視野に入り、選択肢が複雑化する
- エントリー帯のシステムだと差を体感しにくく、価格差に期待しすぎると拍子抜けの可能性
FAQ(購入前の不安解消)
Q1:差額分の満足度は長期で変わる?
→ 音質を趣味とするなら、Plusの「ノイズの少なさ」が長期的に聴き疲れのなさに繋がり、満足度は維持されやすいです。BGM用途メインの場合、数ヶ月で「あまり違いを感じなくなる」可能性があります。
Q2:将来DAC導入予定があるなら、今どちらを選ぶべき?
→ 迷わずProです。PlusのDACチップ(AK4493SEQ)は優秀ですが、専用の単体DACには届きません。将来の拡張を見越すなら、今のPlusへの投資は中途半端になります。差額をDAC資金にしてください。
Q3:WiiM Ultraが出た今、Pro / Pro Plusはまだ買う価値がある?
→ 「ディスプレイ不要・コンパクトに隠して使いたい」という層には、価値は全く色褪せていません。Ultraはディスプレイ付きの高機能機ですが価格も上がります。シンプルに音だけ楽しむならPro系は依然として優れたコスパです。
共通点まとめ+詳細比較
両機種で共通している「基本スペック」を整理します。これらはどちらを選んでも享受できるWiiMの強みです。
- ストリーミング対応:Amazon Music, Spotify, TIDAL, Qobuz, Deezerなど主要サービスを網羅。Roon Readyにも対応
- ワイヤレス規格:AirPlay 2, Chromecast Audio, DLNA, Spotify Connect, Amazon Music Cast対応
- 専用アプリ「WiiM Home」:軽快で設定が容易。マルチルームサウンドシステムの構築も可能
- イコライザー:10バンドグラフィックEQ搭載
- 入出力端子:アナログRCA入出力、光デジタル、同軸デジタル(最大24bit/192kHz)、Bluetooth入出力
- 音声アシスタント:Alexa, Google Assistant, Siri対応
- 本体サイズ:140×140×42mm(両機共通のコンパクト設計)
Plusが「Plus」である3つの設計差
サイズ感や基本的なストリーミング機能は共通ですが、中身の「音響回路」は別物と言って差し支えありません。
① DACチップのグレードアップ:AK4493SEQの採用
WiiM ProがBurr-Brown「PCM5121」を採用しているのに対し、PlusはAKM(旭化成エレクトロニクス)の高性能チップ「AK4493SEQ」を搭載しています。「ベルベットサウンドテクノロジー」を持つチップで、アナログ出力時の滑らかさと静寂感が明らかに異なります。SNRで18dBの差(102dB vs 120dB)は、数値以上に体感の差として現れます。
② 電源・クロック・PCB基板の全面刷新
Plusは超低ノイズクロックを採用し、PCB基板レイアウトも大規模に見直しています。アナログ出力時の歪み率(THD+N)が0.005%から0.00032%へと約16分の1に改善されたのは、この設計投資の結果です。本体重量が330g→400gになっているのも、基板強化と部品点数増加の証です。
③ ADC(アナログ入力)の強化:PCM1861の採用
見落とされがちですが、ADCチップにBurr-Brown「PCM1861」を採用したことで、アナログ入力の品質も向上しています。レコードプレーヤーなどのアナログ機器をWiiM経由でデジタル化・再生する際の音質は、Plusの方が格段にクリアです。
スペック比較表
| 項目 | WiiM Pro | WiiM Pro Plus |
|---|---|---|
| DACチップ | Burr-Brown PCM5121 | AKM AK4493SEQ |
| ADCチップ | 非公表 | Burr-Brown PCM1861 |
| SNR(アナログ出力) | 102 dB | 120 dB |
| THD+N | 0.005% | 0.00032% |
| クロック | 標準 | 超低ノイズクロック |
| リモコン | ロットにより別売 | 音声対応リモコン付属 |
| 重量 | 330g | 400g |
| 実売価格目安 | 約2万円台 | 約3.5万円前後 |
結局どっちを選ぶべき?タイプ別まとめ
- 「これ1台でアンプから最高の音を出したい」 → WiiM Pro Plusがしっくりきます。
- 「外部DACと組み合わせてコスパを追求したい」 → WiiM Proが賢い選択です。
- 「迷いすぎて決められない」 → WiiM Proを選んでください。アナログで満足できなくなったタイミングで外付けDACを追加するほうが、オーディオの楽しみ方が広がります。
- 「1.5万円をスピーカー強化に回したい」 → WiiM Pro。スピーカーの底上げのほうが体感効果は大きい場合がほとんどです。
迷う場合の判断軸は、「自分がRCA(アナログ接続)を使うかどうか」の一点に尽きます。そこさえ確認すれば、失敗はほぼありません。
GOC的まとめ
WiiM ProとPlusの違いは、一言で言えば「アナログ変換へのこだわりの差」です。デジタル部分の利便性はどちらも100点満点。だからこそ、自分のシステムに「DAC」がすでに居るかどうかだけで判断すれば、失敗はあり得ません。
1.5万円の差額を「音の静寂」に払うのか、他の欲望に回すのか。
迷う時間が長いなら、まずはProでWiiMの魔法を体感しましょう。音質に後悔を残したくないなら、迷わずPlusを選んでください。選ぶ基準はスペック表ではなく、あなたの「今の再生環境」です。
なお、上位機種としてディスプレイ付きの「WiiM Ultra」が登場していますが、「画面は不要。コンパクトに隠して使いたい」という層にとって、Pro/Pro Plusの価値は全く色褪せていません。アナログ出力の質にこだわるならPlus一択。デジタル特化ならPro。この明確な基準で選べば、後悔のないネットワークオーディオライフが送れるはずです。「【迷っている方へ】ネットワークオーディオプレーヤーの選び方とおすすめガイドはこちら」
※本記事は実機を用いて、RCA直結および外部DAC接続の両環境で比較した体感ベースの比較記事です。再生環境(アンプ・スピーカー)により印象は変わる可能性があります。



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