FOSTEX T50RPmk4とT50RPmk3gを比較しての違いは?

ヘッドホン

FOSTEX T50RPmk4 平面振動板のRPドライバーを搭載したヘッドホン

フォステクスは、平面振動板のRPドライバーを搭載したヘッドホン「T50RPmk4」を2024年5月下旬に発売。オープン価格で、税込みの実売価格は34,650円前後。

2017年発売の「T50RPmk3g」(発売時税抜き定価2万円・2024年現在の実売価格は約2.7万円に上昇)の後継機。

RPドライバーの基本設計は踏襲しつつも、細部の改良により音質の改善が図られた新モデル。第4世代へ進化した平面振動板のRPドライバーを搭載しているのが大きな違いです。そのほか、「T50RPmk4」の内容を、「T50RPmk3g」と比較しての違いを中心にご紹介。

フォステクスの伝統的なヘッドホンシリーズ・RP

フォステクスのヘッドホンシリーズは、長い間、音楽愛好家やプロの業界関係者から高く評価されてきました。特に、RP(Regular Phase)技術を採用したモデルは、その独自の駆動方式により、クリアでモニターライクな音質を実現しています。この技術の進化を追いながら、FOSTEXはT50RPのマーク3(mk3)とマーク4(mk4)という二つの異なる世代のヘッドホンを市場に送り出しました。

平面駆動型ヘッドホンの特性

平面駆動型ヘッドホンは、ダイナミック型とは異なる駆動原理を持ち、均一な磁界の中で薄い振動板を動かします。この方式は、非常にリニアな応答と広い周波数帯域、低歪みを実現し、高い解像感と自然な音質を提供します。T50RPシリーズは、この特性を最大限に活かす設計がされています。

T50RPmk4の新機能と改良点

フォステクスのヘッドホンシリーズは、常に音響技術の最前線を行く製品を世に送り出してきました。その中でも、特にFOSTEX T50RPmk4は、前モデルのT50RPmk3gからのアップグレードで大幅な進化を遂げています。

全面駆動型平面振動板のRPドライバーリニューアル

一番の変更点は、全面駆動型平面振動板のRPドライバーのリニューアルです。マグネットの増量、プリンテッドコイルのパターン形状を新設計、磁気回路の構成部品も一新などにより、振動板の不要共振を抑え、より鋭いレスポンスでの音の立上がりと立下がりを実現したとしています。

これはT50RPmk4の最も核となる部分であり、よりクリアで幅広い音域を実現しています。リニューアルされたRPドライバーは、細部の音まできめ細かく再現することに成功しています。

ドライバーの変更により周波数帯域拡大、能率向上、インピーダンス低下を達成

ドライバーの変更により、各種物理特性も改善。周波数帯域が拡大し、更に音の能率が向上しました。また、インピーダンスも低下しており、さまざまなオーディオ機器との相性が良くなっています。これにより、より繊細な音質を容易に楽しむことができるようになりました。最大入力はどちらも3,000mWとプロ用途にも耐えるクオリティーです。

T50RPmk3gの再生周波数帯域は15Hz~35kHz、感度は92dB/mW、インピーダンスは50Ω
T50RPmk4の再生周波数帯域は10Hz~40kHz、感度は97dB/mW、インピーダンスは28Ω

両側に4極3.5mmコネクタを搭載に変更

T50RPmk4は、両側に4極3.5mmコネクタを搭載することで、リケーブルが容易になりました。左右どちら側からでも接続できるので、使用する際の利便性の向上にも寄与しています。

バランス接続が簡単に可能に

FOSTEX T50RPmk4では、バランス接続の簡単さが特徴の一つです。従来T50RPmk3gでは、改造を必要とする場合がありましたが、T50RPmk4はその必要がありません。これにより、よりクリアで力強いサウンドを楽しむことが容易に可能になりました。

左右のハウジングを同じ形状とすることで音質差を低減

さらに、左右のハウジングを同じ形状にすることで、コネクタ部の有無による内部構造と容積の違いから生じる音質差を低減しています。これにより、よりバランスの取れた音質を実現しています。

なお、ケーブルを除いた本体重量はT50RPmk3gの315gに対してT50RPmk4では330gとなっています。

イヤーパッドも変更

最後に、イヤーパッドも変更されています。より快適な装着感と、周囲の音を遮断することで、没入感のある音楽体験を提供します。この変更は、長時間の使用でも疲れにくいという点で、大きな改善と言えるでしょう。

以上のように、FOSTEX T50RPmk4は、RPドライバーのリニューアルから始まり、接続性の向上、装着感の改良に至るまで、ユーザーの音楽体験を一新するための大幅な改良が施されています。FOSTEX T50RPmk3との比較では、その違いはより一層明確になり、新たなヘッドホン体験を提供します。

どちらをどう選ぶ

音質と機能性を重視する方:

T50RPmk4: 高解像度で繊細な音質、高音域の表現力向上、能率とインピーダンスの低減、バランス接続対応、快適な装着感など、T50RPmk3を大きく上回る性能を備えています。価格差はありますが、音質と機能性にこだわる方には最適な選択肢と言えるでしょう。

コストパフォーマンスを重視する方:

T50RPmk3g: 自然で豊かな音質、聴き疲れの少ない装着感など、基本性能は十分に高く、コストパフォーマンスに優れています。T50RPmk4ほどの高性能は必要ない、初めて平面駆動型ヘッドホンを体験したい方におすすめです。ただし、やや鳴らしにくいスペックであることには留意が必要です。

その他の注意点

T50RPmk4は本体重量がわずかに重くなっています。長時間装着する場合は、重量を考慮する必要があります。
T50RPmk4は音質・機能性は向上していますが、T50RPmk3gと比較して高額になっています。予算を十分に検討してから購入することをおすすめします。
T50RPmk4とT50RPmk3gは音漏れのあるセミオープン型です。音漏れがあっては困る環境での使用にも注意しましょう。

まとめ

T50RPmk4とT50RPmk3gは、それぞれ異なる魅力を持つヘッドホンです。ご自身のニーズに合わせて、最適なモデルを選びましょう。

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