JBLのサウンドバーシステムのフラッグシップで7.1.4chモデル「BAR 1000」(直販143,000円)と5.1.2ch対応の「BAR 800」(直販99,000円)を比較しての違いを解説。それぞれのモデルがどのようなユーザーにおすすめかも考察します。
- 比較対象の概要
- JBL BAR 1000とBAR 800の共通点
- 分離可能なワイヤレスリアスピーカーと別筐体のサブウーファーを採用したサウンドバーシステム
- ビームフォーミングスピーカーにJBL独自技術「MultiBeam™」テクノロジーを採用
- ワイヤレス・リアにはバッテリーも内蔵
- ワイヤレスリアスピーカーにはバッテリーも内蔵されており、電源ケーブル不要で自由に配置することが可能です。
- 300Wのハイパワーアンプを搭載した別筐体のサブウーファーを付属
- Dolby Atmos対応
- そのほかの対応フォーマット
- eARC対応、HDRパススルーに対応したHDMI端子
- Bluetoothと、Wi-Fi 6に対応したデュアルバンドWi-Fiを内蔵
- 統合型アプリ「JBL ONE」に対応
- 部屋の音響測定、調整を行う「キャリブレーション」や「EQ設定」
- JBL BAR 1000とBAR 800の違いを詳しく解説
- BAR 1000とBAR 800の違いのまとめ
- どちらを選ぶべきか
- まとめ
比較対象の概要
JBL BAR 1000はサウンドバーのフラッグシップモデルで、7.1.4chシステムを搭載しています。これにより、サラウンドを実現し、映画や音楽鑑賞が迫力満点になります。一方、JBL BAR 800は5.1.2chのシステムで、よりコンパクトながらも高品質な音響体験を提供します。どちらのモデルもワイヤレスリアスピーカーと別筐体のサブウーファーを備えており、Dolby Atmosなど最新の音響技術に対応しています。
JBL BAR 1000とBAR 800の共通点
分離可能なワイヤレスリアスピーカーと別筐体のサブウーファーを採用したサウンドバーシステム
JBL BAR 1000とBAR 800はいずれも、分離可能なワイヤレスリアスピーカーと別筐体のサブウーファーを備えたサウンドバーシステムです。これにより、設置場所に合わせて柔軟に配置を調整できると共に、臨場感あふれるサラウンドサウンドを楽しむことができます。
ビームフォーミングスピーカーにJBL独自技術「MultiBeam™」テクノロジーを採用
両モデルとも、JBLの独自技術である「MultiBeam™」テクノロジーを採用しています。この技術により、ビームフォーミングスピーカーが効率的に音を拡散させることで、リスニングエリア全体で優れた音響体験を提供します。
ワイヤレス・リアにはバッテリーも内蔵
ワイヤレスリアスピーカーにはバッテリーも内蔵されており、電源ケーブル不要で自由に配置することが可能です。
そのため、部屋のレイアウトに応じて最適な配置を簡単に設定できます。
300Wのハイパワーアンプを搭載した別筐体のサブウーファーを付属
JBL BAR 1000もBAR 800も、300Wのハイパワーアンプを搭載した別筐体のサブウーファーが付属しています。これにより、深みのある重低音を楽しむことができ、映画や音楽にさらなる迫力を加えます。
Dolby Atmos対応
どちらのモデルもオブジェクトオーディオのDolby Atmosに対応しており、立体音響で迫力ある音場を実現します。これにより、映画やゲームの世界に没入することができます。
そのほかの対応フォーマット
対応フォーマットが豊富なのも特徴です。ドルビーTrueHD、ドルビーデジタルプラス、ドルビーデジタルに加え、MPEG2 AAC、MPEG4 AAC、LPCM(2ch~8ch)にも対応しています。多様なフォーマットに対応しているため、幅広いコンテンツを高音質で楽しむことができます。
eARC対応、HDRパススルーに対応したHDMI端子
両モデルとも、eARCに対応したHDMI端子を備えており、Dolby VisionとHDR10+のパススルーに対応しています。これにより、高解像度の映像と高音質な音声を同時に楽しむことができます。
Bluetoothと、Wi-Fi 6に対応したデュアルバンドWi-Fiを内蔵
Bluetooth(SBCのみ)に加え、Wi-Fi 6にも対応しています。これにより、安定した接続と高速なデータ転送が可能となり、音楽や映像のストリーミングを快適に楽しめます。
AppleのAirPlay 2などへの対応で音楽ストリーミング再生可能
音楽ストリーミング再生に関しても、AppleのAirPlay 2、Google Chromecast built-in、Amazon Alexa Multi-Room Musicと互換性があります。これにより、さまざまな音楽ストリーミングサービスから直接音楽を楽しむことができます。
統合型アプリ「JBL ONE」に対応
「JBL ONE」という統合型アプリにも対応しており、設定から音楽再生まで一元で管理することが可能です。このアプリを使えば、直感的な操作でカスタムオーディオ体験を楽しむことができます。
部屋の音響測定、調整を行う「キャリブレーション」や「EQ設定」
さらに、「JBL ONE」アプリを使えば、部屋の音響測定や調整を行う「キャリブレーション」や「EQ設定」なども簡単に行うことができます。これは、設置環境によらず、最高の音質を実現するための重要な機能です。
JBL BAR 1000とBAR 800の違いを詳しく解説
BAR 1000は7.1.4chシステムでBAR 800は5.1.2chシステム
JBL BAR 1000とBAR 800を比較しての違いを解説します。まず、チャンネル数の違いです。BAR 1000は7.1.4chシステムを搭載しており、より多くのスピーカー構成が可能なのに対し、BAR 800は5.1.2chシステムとなっています。このため、BAR 1000はより広がりのある立体音響を実現できます。
サウンドバー本体とリアスピーカーのユニット数が違う
サウンドバー本体とリアスピーカーのユニット数も違いがあります。BAR 1000はフロント部分に追加のユニットを搭載しており、これによりより詳細な音場の再現が可能です。対してBAR 800は必要最低限のユニット数でコンパクトにまとめています。
BAR 800は、サウンドバー本体に8基、リアスピーカーに2基、合計11基のユニットを搭載しています。BAR 1000は、サウンドバー本体に10基、リアスピーカーに4基、合計15基のユニットを搭載しています。
BAR 1000はフロントの両端にビームフォーミングスピーカーを余分に搭載
BAR 1000のみの特長として、フロントの両端にビームフォーミングスピーカーを搭載している点が挙げられます。このことで音の方向性をコントロールし、映画や音楽のシーンでより臨場感を味わえます。一方、BAR 800はこのビームフォーミングスピーカーがありません。
内蔵アンプ出力はBAR 800が総合出力720W、BAR 1000が総合出力880W
内蔵アンプの出力にも差があります。BAR 800の総合出力は720Wで、家庭でも十分なパワフルさを提供します。しかし、BAR 1000の総合出力は880Wとさらに高く、非常に迫力のある音を再現します。
BAR 800はDTSとDTS:Xには非対応
オーディオフォーマットの対応範囲にも違いがあります。BAR 800はドルビーオーディオに対応していますが、DTSやDTS:Xには対応していません。これに対して、BAR 1000はDolby Atmosはもちろんのこと、DTS:Xにも対応しています。このため、最新の映画や音楽コンテンツを最高の音質で楽しむことができます。
スピーカーのサイズはBAR 800がコンパクト
サイズにおいては、BAR 800がよりコンパクトな設計となっています。小型で場所を取らないため、設置場所に制約がある場合には便利です。一方、BAR 1000はやや大きめですが、その分音響性能で大きな差をつけています。
BAR 800はワイヤレスリア装着時で1,174×120×56mm(幅×奥行き×高さ)、サウンドバー本体のみでは884×120×56mm(同)。
BAR 1000はワイヤレスリア装着時で1,194×125×56mm(同)、サウンドバー本体のみでは884×125×56mm(同)と、BAR 1000の方がわずかに大きくなっています。
ワイヤレスリアも、BAR 800が外形寸法145×120×56mm(同)、BAR 1000が155×125×56mm(同)と、BAR 1000のものが少し大きくなっています。
HDMI入力の数が違う
HDMI入力の数も異なります。BAR 800はHDMI入力が1つですが、BAR 1000は3つ搭載しています。これにより、複数のデバイスを簡単に接続して切り替えることができ、利便性が増しています。
BAR 1000のほうが価格が高い
価格設定にも違いがあります。BAR 800は10万円を切る価格設定で、非常にコストパフォーマンスに優れています。一方、BAR 1000は143,000円と高価格ですが、その分、多機能かつ高音質なサウンド体験を提供します。
BAR 1000とBAR 800の違いのまとめ
対応するオーディオフォーマット
JBL BAR 1000とBAR 800を比較してみると、主な違いは対応するオーディオフォーマットにも現れます。BAR 1000はDolby Atmosだけでなく、DTS/DTS:Xも対応している点が特徴です。一方、BAR 800はDTSとDTS:Xには対応していないため、音楽や映画の再生体験に違いが生じます。この違いは、特にDTSによる高品質なサウンド環境を求める方にとって非常に重要なポイントになります。
ch数、出力の違いなどによるサウンド体験の違い
JBL BAR 1000は7.1.4chシステムで、合計出力が880Wと非常にパワフルです。一方、BAR 800は5.1.2chシステムで、総合出力は720Wにとどまります。チャンネル数や出力の違いにより、BAR 1000はより重厚で立体感のあるサウンド体験を提供します。特に大画面テレビやホームシアター環境では、この追加のチャンネルと出力が大きな差を生む要因となりえます。
接続ポートの違い
接続ポートでも違いがあります。JBL BAR 1000は多彩な接続オプションを提供しており、特にHDMI入力の数でBAR 800を上回ります。BAR 1000はより多くのデバイスを同時に接続できるように設計されています。このため、複数のデバイスを頻繁に切り替えて使用する場合には、BAR 1000が非常に便利です。
価格
最後に、価格の違いも見逃せないポイントです。JBL BAR 1000はフラッグシップモデルであるため、通常価格は143,000円と高めに設定されています。一方、BAR 800は99,990円と、より手頃な価格で提供されています。予算に制約がある方や、初めてサウンドバーシステムを導入する方にはBAR 800が向いていますが、最高の音響体験を追求する方にはBAR 1000が適しています。
どちらを選ぶべきか
用途に応じた選び方
JBL BAR 1000とBAR 800を比較してそれぞれの違いを理解する際、用途に応じた選び方が重要です。もし、映画鑑賞やスポーツ観戦などでより臨場感溢れるサウンド体験を求めるのであれば、7.1.4chシステムを備えたJBL BAR 1000がおすすめです。BAR 1000はフロントの両端にビームフォーミングスピーカーを余分に搭載しているため、より立体的で迫力のある音響を実現します。
一方、予算を抑えながらも高品質なサウンド体験を希望する方には、5.1.2chシステムのJBL BAR 800が適しています。BAR 1000同様にワイヤレスリアスピーカーと別筐体のサブウーファーを搭載しており、価格帯を考慮して選ぶには十分に高品位な選択肢です。特にドルビーTrueHDやドルビーデジタルプラスなど、ドルビー系の多様なオーディオフォーマットに対応している点も魅力と言えます。
予算に応じた選び方
予算を考慮した場合、JBL BAR 1000はフラッグシップモデルであり、価格が143,000円と高額です。その分、多彩なチャンネル構成や高出力のアンプを備えており、究極の音響体験を求める方には最適です。しかし、その高価格がネックとなることも考えられます。
一方で、JBL BAR 800の価格は99,990円と比較的手頃な設定となっています。10万円を切る価格でできるだけ高品質なサウンドバーを手に入れたい方には、BAR 800が適しています。DTSとDTS:Xには対応していないものの、主要なオーディオフォーマットにはしっかり対応しており、コストパフォーマンスに優れています。
最終的には、求めるサウンド体験と予算に応じて、JBL BAR 1000かBAR 800を選択することが望ましいです。レビューや使用シーンを参考に選ぶことで、最適なサウンドバー選びができるでしょう。
まとめ
最終的な判断ポイント
JBL BAR 1000とJBL BAR 800を比較して、どちらを選ぶべきか最終的に判断する際のポイントをまとめます。まず、音質やチャンネル数にこだわる方には、7.1.4chシステムのJBL BAR 1000がおすすめです。
一方、JBL BAR 800は、5.1.2chシステムでありつつも、BAR 1000同様、分離可能なワイヤレスリアスピーカーと別筐体のサブウーファーを備えています。そのため、ある程度の迫力と臨場感を持ちながら、10万円以下という価格帯が魅力です。音質に関してもHi-Fiオーディオを求める方には十分で、特にコストパフォーマンスが高いと評価されています。
どちらのモデルもサウンドバーに分類されるとは言っても、分離型のリアスピーカーと別筐体のサブウーファーを備えています。つまり、いわゆる手軽なフロント完結型のサウンドバーというだけでなく、リアルな高品位サラウンドが楽しめるリアルサラウンドシステムを構築できるのが特徴です。どちらのモデルを選ぶにしても、両機のポテンシャルを活かすためにもリアルサラウンドもセッティングして使う用途を想定できるユーザーが好ましいと思います。そうでないと、せっかくの高性能の少なくない部分を享受できないことになってしまいますから。
そういう意味でも両機はそこそこ以上に本格的なサラウンド環境を揃えたいユーザーに向ていると言えるでしょう。
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