東芝 REGZA Z970NとZ870Nを比較しての違いは?

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REGZA ミニLED+量子ドット4K液晶テレビ Z970NシリーズとZ870シリーズ

TVS REGZAは、4KミニLED液晶テレビの最上位シリーズで量子ドットも採用した「Z970N」シリーズを、2024年7月12日より発売。サイズラインナップは65型「65Z970N」と75型「75Z970N」の2つ。

また、ミニLEDと量子ドットを搭載した4K液晶テレビで「Z970N」の下位となる「Z870N」シリーズを2024年5月31日に発売。サイズラインナップは55型「55Z870N」、65型「65Z870N」、75型「75Z870N」の3つ。

両シリーズの違いと共通点を解説し、どちらをどのようなユーザーが選べば良いかも考察します。

価格とラインナップの違い

「Z970N」シリーズは75型「75Z970N」と65型「65Z970N」の2サイズのラインナップで発売当初の実売価格はそれぞれ約66万円と約50万円。2024年末の実売価格はそれぞれ約40万円、約28万円。

「Z870N」シリーズは75型「75Z870N」と65型「65Z870N」の55型「55Z870N」3サイズのラインナップで発売当初の実売価格はそれぞれ約53万円、約40万円、約31万円、2024年末の実売価格はそれぞれ約30万円、約22万円、約18万円。

「Z870N」シリーズのほうが安いものの、それなりに画質の差や性能の差があるためです。ただ、サイズラインナップとして55型があるのは「Z870N」シリーズのみです。

「Z970N」のみ高輝度のミニ LEDバックライトを新たに採用

「Z970N」シリーズは、「Z870M」の3倍のエリアコントロール数を持つミニLEDを採用し、前世代の「Z970M」と比較して約1.3倍の輝度を実現するミニ LEDバックライトを新たに採用しています。これにより、ピーク輝度が2000nit程度から3000nitに向上し、さらに明るく鮮やかな映像を楽しむことができます。

「Z870N」シリーズは高輝度のバックライト採用を謳っておらず、加えてピーク輝度の公開はなく、「Z970N」シリーズよりも数値的には低いことが予想されます。

「Z970N」のみ低反射ARコートと広視野角のハイグレードなパネル仕様

「Z970N」シリーズは、低反射ARコートと広視野角ワイドアングルシートをパネルに採用しており、反射を抑えつつ広い視野角を提供します。このため、どの角度から見ても映像の色や輝度が変わらず、一貫して高画質を楽しむことができます。特に明るい部屋でも外光の反射を抑えることで、見えやすさが向上します。

映像エンジンの違い

「Z970N」シリーズは、映像エンジンに最上位回路の「レグザエンジンZRα」を搭載。高ビットの信号処理と最新の超解像技術を併せ持つ高性能な映像エンジンです。ディープニューラルネットワークを使用したこのエンジンは、AI技術を駆使して映像を自然かつ美しく再現します。特に高画質を求めるユーザーにとっては、非常に魅力的な機能です。以下のような回路・機能で幅広いコンテンツを高画質で映し出します。

ネット動画ビューティPRO
アニメビューティPRO
ナチュラルフェイストーンPRO
室内照明に合わせた自動調整機能・おまかせAIピクチャーPRO

「Z870N」シリーズは、映像エンジンに2024年版「レグザエンジンZR」を搭載しています。従来のZ870Mシリーズに搭載されていた2023年版「レグザエンジンZR」の性能をさらに向上させ、AI技術を活用した以下のような高画質処理を実現しています。

美肌AIフェイストーン
ネット動画AIビューティ
地デジAIビューティ
クラウドAI高画質テクノロジー

「Z970N」のみ「AIシーン高画質PRO」を新搭載

「Z970N」シリーズのみに新たに搭載された「AIシーン高画質PRO」は、「夜景」「花火/星空」「リング競技」「ゴルフ/サッカー」のシーンをAIが自動的に判別して最適な映像を提供します。これにより、シーンに応じたより高画質な映像が楽しめるようになりました。

「Z970N」のみ「ミニLED高コントラストテクノロジー」新搭載

「Z970N」シリーズのみ、「ミニLED高コントラストテクノロジー」を新搭載。ミニLEDの点灯時間と電流を細かく制御することが可能となり、コントラストがさらに向上しました。これにより、映像の明暗がより鮮明に再現されます。

「Z970N」のみ「 AI HDRオプティマイザーPRO」を搭載

「Z970N」シリーズのみ、普通の映像はHDR相当に、HDR映像はより美しいHDR画像に向上させる「 AI HDRオプティマイザーPRO」を搭載しています。

「Z870N」シリーズはHDR映像の色彩を正確に描写する「 AI HDRオプティマイザー」を搭載。

非HDR素材をHDR化できる「Z970N」シリーズの優位性が際立ちます。

「Z970N」のみ「ネット動画バンディングスムーサーPRO」搭載

「Z970N」のみネット動画配信サービスで発生しやすいバンディングノイズ(画像にできる濃淡の縞)を低減し、より滑らかな映像表現を実現する「ネット動画バンディングスムーサーPRO」を搭載。送信時の圧縮によって画質が劣化しがちなネット動画でも、より快適に視聴できます。

「Z870N」でもグレードを落とした「ネット動画バンディングスムーサー」が搭載されているので、ネット動画の高画質化は行われています。

「Z970N」のみミリ波レーダーによる画質・音質、省エネの最適化機能搭載

「Z970M」シリーズは「センシング」機能として、ミリ波レーダーを使用した視聴者位置の検出による、画質・音質の最適化機能を搭載しています。これにより、部屋のどの位置にいてもより精密に最適な映像と音響を楽しむことができます。

さらに、「ミリ波レーダー省エネモード」は、視聴者がテレビの前から離れた際に、自動的にスクリーンセーバーを起動して消費電力を抑える機能。これにより特別な操作をせずとも無駄な電気の消費を抑えられます。また、テレビの前に視聴者が来たことを検知すると、素早く電源が入る「高速電源オン」機能も搭載しており、わざわざユーザーが電源を入れなおす手間もありません。

サウンドシステムの違い

サウンドシステム(内蔵スピーカーとアンプ)にも違いがあります。

「Z970M」シリーズは、11スピーカー構成の「重低音立体音響システムZIS」を搭載。マルチアンプ駆動による122Wの大出力も備えています。

「Z870M」シリーズは、7基のスピーカーを出力60Wのマルチアンプで駆動する「レグザ重低音立体音響システムZ」を搭載しています。

以下、「Z970M」シリーズのみ搭載されているサウンド関連機能です。

Z970Nはトップスピーカーとサイドスピーカーによる音の拡がりと定位を強化

「Z970N」シリーズの「重低音立体音響システムZIS」では、トップスピーカーとサイドスピーカーの配置が重要な役割を果たしています。これにより、音の拡がりと定位が格段に向上し、視聴者は映画や音楽をより臨場感のある状態で楽しむことができます。

特にDolby Atmos対応のコンテンツでは、音が上下左右から包み込むように聞こえるため、家庭でも劇場のような音響体験が可能です。

Z970Nの新機能「レグザイマーシブサウンド 360 PRO」

「Z970N」シリーズではサウンド面の新機能として「レグザイマーシブサウンド 360 PRO」が追加されています。この機能は、AI解析を利用して5.1.2chのバーチャル音場をリアルタイムで最適化するものです。視聴環境や再生するコンテンツに応じて最適な音響設定を行うため、どんなシーンでも極上の音響体験が楽しめます。新開発のエンジンがその性能をさらに引き立てています。

Z970Nの新機能「マルチスピーカークオリティーマネージメント」

「Z970N」シリーズには「マルチスピーカークオリティーマネージメント」という新機能も搭載されています。これは、11スピーカー全ての動作を細かく制御し、各スピーカーから出る音を最適化する技術です。これにより、各スピーカーが最も効率良く音を出すことができ、クオリティの高い音響体験が提供されます。

特に映画のセリフや音楽の細部までクリアに聞こえる点が特徴です。Dolby Atmos対応のコンテンツでは特に効果が大きいとされています。

環境に応じた音質の最適化機能「オーディオキャリブレーションPRO」

両機に搭載されている音質最適化機能「オーディオキャリブレーション」は「Z970N」シリーズは各スピーカーから測定地点までの音の到達時間も計測する「オーディオキャリブレーションPRO」を搭載。精度を高めています。

重量の違い

また、重量に関しては「Z970N」の方が少し重い傾向があり、これは高性能なエンジンやMini LEDエリアコントロールPROなどの技術が多く搭載されているためと考えられます。デザイン面では、どちらも薄型かつ洗練された外観を持つため、見た目の好みで選んでも失敗はありません。

消費電力とエネルギー効率の違い

「Z970N」と「Z870N」では消費電力の面でも差があります。「Z970N」は高性能な映像・音響技術を搭載している分、消費電力が若干高めです。それに対し、「Z870N」は全体的に省エネ設計が意識されており、電気代や環境への配慮を考慮する方に向いているモデルと言えるでしょう。

ただし、「Z970N」は「ミリ波レーダー」を活用した省エネ機能も搭載されているため、実際の使用環境によっては効率的に運用することも可能です。

東芝 REGZA Z970NとZ870Nに共通の内容・特徴

・パネル解像度は4K/3,840×2,160ピクセル
・ミニLEDバックライトシステム+広色域を実現する量子ドットシート
・倍速駆動対応
・パネル方式は非公開(VA/IPS)
・HDRフォーマットはHDR10+/ADAPTIVE、Dolby Vision/IQ、HDR10、HLGに対応

・立体音響のDolby Atmosにも対応
・レグザサウンドプロセスVIRやレグザサウンドリマスターといった音響処理機能を搭載
・多彩なサウンドモード

・HDMI入力は4系統で、うち入力1/2がHDMI2.1をサポート
・4K120p入力/VRR/ALLM/eARCに対応
・4K/1080p 144Hzゲームモード搭載
・約0.83m secの低遅延でプレイできる「瞬速ゲームモード」

・OSはLinuxベースのオリジナル
・主要なネット動画サービスに対応
・好きなタレントの出演番組がすぐに見つかる「ざんまいスマートアクセス」(ネット動画対応)
・推し活リスト機能搭載
・番組こねくと新搭載
・ミラーリング機能搭載
・Bluetooth対応リモコン

・地デジ全録「タイムシフトマシン」
(別売のUSBハードディスクを接続することで、地デジ全番組を録画できる)
・搭載チューナーは、地上×9(タイムシフトマシン含む)、BS/110度CS×3、BS/CS 4K×2

・「回転スタンド」を採用(75Z879Nを除く)

どちらをどう選ぶ

Z970Nがおすすめのユーザー

東芝 REGZA Z970Nは、最新のミニ LED技術やレグザエンジンZRαを搭載しており、テレビ放送をはじめ、ネット動画も含めて、映画やスポーツなどの幅広いコンテンツをできるだけの高画質を最新の液晶テレビで楽しみたい方に特におすすめです。多少の出費は厭わないこともポイントです。

また、音質面でも「ミリ波レーダー」技術を搭載した自動音質最適化や強力なスピーカーシステムにより、外部スピーカーを使わなくともテレビのサウンドをハイレベルに楽しみたい方にもおすすめです。

画質、音質の両面において、自動調整機能が充実しているため、高品位なテレビを難しい調整なしで使いたいユーザーにもおすすめです。

全体的に高品質な映像と音響の両立を液晶テレビに求める方や、リビングに最適な大型テレビを検討している方に適しています。

Z870Nがおすすめのユーザー

東芝 REGZA Z870Nは、コストパフォーマンスと性能のバランスを重視する液晶テレビユーザーに最適なモデルです。ゲーム向けの4K/144Hz対応やVRR機能を搭載しており、滑らかで快適なゲーム体験を求めるゲーマーに特におすすめです。

画質面でもレグザエンジンZRが最新技術により進化しており、十分な高画質性能を持ちながら、比較的購入しやすい価格帯が魅力です。また、コンパクトな55型サイズも用意されているため、省スペースでの設置を希望する方にも適しています。

どちらのテレビも、REGZA得意の録画機能の充実(「タイムシフトマシン」)や、ネット動画の充実、検索機能の充実、ミラーリングなどの便利機能も充実しており、機能面ではどちらを選んでも不足はないでしょう。

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