SONYのモニターヘッドホン・MDR-M1とMDR-M1STを比較しての違いを推測
SONYのモニターヘッドホンの系譜
ソニーのモニターヘッドホンは、業界内外で高い評価を受けており、その歴史は非常に長いものです。特にMDRシリーズは、プロフェッショナルな音楽制作現場で広く使われてきました。例えば、MDR-CD900STは、長年にわたりスタジオの標準的な機材として定着しており、その信頼性と実用性については多くの音楽クリエーターから支持を得ています。しかし、時代と共に音楽制作の環境や需要が変化し、次世代のモニターヘッドホンが求められるようになりました。
このような背景にありますが、ソニーはMDR-M1ST(2019年)や新製品であるMDR-M1を次世代のモニターヘッドホンとして発表しました。これらのモデルは音質や機能性で従来の製品を超えることを目指し、プロの音楽クリエイターが納得する仕様を備えています。MDR-M1とMDR-M1STを比較しての違いを推測することで、ソニーのモニターヘッドホンが次の一歩をどのように踏み出しているのかを理解する手助けとなるでしょう。
SONYの新モニターヘッドホン・MDR-M1について
SONYの新モニターヘッドホン・MDR-M1が海外で250ドルで発売
SONYは新たにMDR-M1というモニターヘッドホンを海外で2024年9月に発売しました。価格は250ドルで、そのハイパフォーマンスが注目されています。ハイレゾ音質の次世代モデルとして、音楽クリエイターやエンジニアに特化した設計が特徴です。
MDR-M1の国内発売は無いと公式に発表
この先進的なヘッドホンであるMDR-M1ですが、残念ながら公式に国内発売の予定は無いと発表されています。国内のファンにとっては、海外の市場でのみ利用できるモデルとなっています。
ただし、MDR-M1の開発についての日本語情報はnoteで公開
日本国内での発売は無いものの、MDR-M1に関する詳細な開発背景や製品情報は、日本語のnoteで公開されています。これにより、製品の理念や技術的特長をより深く理解することが可能です。
国内アマゾンでは扱いが始まっており、国内でも購入は可能
公式に国内発売がないMDR-M1ですが、国内のアマゾンでは購入が可能です。これにより、日本の使用者が手に入れる手段が確保され、市場での取扱いが始まっています。
MDR-M1STと基本は同様のバリエーションモデルと推測
MDR-M1はその外観やスペックが先行モデルであるMDR-M1STに非常に似ています。このことから、MDR-M1がMDR-M1STのバリエーションモデルであると推測されています。両者の違いは音質や特定機能に見出すことができるといえるでしょう。
MDR-M1STがMDR-CD900STの発展形、MDR-M1がMDR-7506の発展形とされる
MDR-M1STは、過去の人気モデルであるMDR-CD900STの発展形と位置づけられています。これに対し、MDR-M1はMDR-CD900STと並び立つものの音作りが異なるMDR-7506の流れを組む製品として理解することで、両者の開発背景や設計哲学を納得することができます。それぞれの系譜に基づく新製品としての特徴が際立っています。
MDR-M1のMDR-M1STと異なる面も含む特徴
ソニー社内の著名エンジニアや業界トップ級の音楽クリエイターの参加による音作りが加わっている
MDR-M1は、SONYのモニターヘッドホンとして、業界の期待を集めています。この製品では、MDR-M1STでは公表されていなかったようなソニー社内の著名エンジニアやトップクラスの音楽クリエイターが参加し、高度な音作りが行われています。
MDR-M1開発に参加したソニー社内の著名エンジニア
MDR-M1の開発には、ソニー社内で数々の成功を収めた著名なエンジニアたちが携わっています。彼らの技術力と経験は、この新製品の音質に大きく寄与しており、ユーザーに一層の信頼感を与える要素となっています。
六代目 耳型職人でヘッドホン音質設計を担当した潮見俊輔氏
五代目 耳型職人で商品企画を務めた松尾伴大氏
MDR-M1開発に参加した業界トップ級の音楽クリエイター
また、MDR-M1の開発には、音楽業界のトップクラスのクリエイターも加わりました。彼らの知識とインスピレーションが、モニターヘッドホンの可能性をさらに広げ、音楽制作の幅を広げるためのサポートをしています。
グラミー賞のノミネートや受賞経験も持つレコーディング・ミキシングエンジニアのAkihiro Nishimura氏
MDR-M1は音楽制作の工程のうち、レコーディングとミキシングに適していると謳う
MDR-M1は、特にレコーディングとミキシングの場面での使用を念頭に置いて設計されています。これにより、音楽制作の多様な工程において、そのポテンシャルを最大限に引き出すことができるとされています。
MDR-M1はMDR-M1STには付属していなかった3.5mmのステレオミニジャック対応ケーブルが付属
新たな特徴として、MDR-M1には3.5mmステレオミニジャック対応のケーブルが付属しています。これにより、より広範な接続性を提供し、ユーザーの利便性を向上させます。この付属品は、MDR-M1STにはなかったため、ユーザーからの評価が得られるポイントです。
ネット上ではMDR-M1STのイヤーパッド周りの設計改善を期待する声も
ネット上では、MDR-M1STを使用する一部のユーザーから、イヤーパッドが耳に当たりやすいとの指摘がありました。MDR-M1では、この部分の設計が改善されていることが期待されています。これは、長時間の使用における快適性を向上させる可能性があり、新製品への期待感を高める要素となっています。
以下の基本内容はMDR-M1とMDR-M1STで共通の模様
高い遮音性を備えた密閉型モニターヘッドホン
SONYのモニターヘッドホンであるMDR-M1とMDR-M1STは、どちらもオーバーイヤー密閉型のデザインを採用しています。この設計は外部の雑音をシャットアウトし、音楽や音源の詳細をクリアに聞くことができるという利点があります。スタジオでの録音やミキシング中に集中して作業を行いたいというプロユースのニーズにも応えることができる遮音性を持っています。
40mm口径ドーム型のドライバーを搭載
MDR-M1とMDR-M1STには、40mm口径のドーム型ドライバーが搭載されています。これにより、低音から高音までバランス良く再生が可能となり、音楽の細部まで忠実に再現することができます。ドライバーの性能は、プロの現場から家庭での使用まで、様々なシーンで活躍できる品質です。
5Hz~80kHzのハイレゾ対応超広帯域再生
どちらのモデルも、5Hzから80kHzまでの広い再生周波数帯域に対応しています。これにより通常の音楽再生だけでなく、ハイレゾ音源の持つ微細な音表現や、音場の広がりを余すところなく楽しめます。ハイレゾ対応という点は、さらに高音質を求める音楽愛好家にも魅力的な特長です。
リケーブル対応でバランス接続にも対応可能
この2つのモデルはリケーブル対応であり、必要に応じてケーブルの交換を行える柔軟性を持っています。また、バランス接続にも対応可能なため、より高音質な音楽再生環境を構築することができます。これにより、音質を追求するユーザーにとって魅力的な選択肢となります。
可動部の耐久性や耐落下強度が高くプロユースに耐えうる品質
MDR-M1とMDR-M1STは、プロユースにも対応できる耐久性を備えています。頻繁に使用される可動部の強度や、落下時の耐性が高く、長期間にわたって使用することができます。これにより、現場でのハードな使い方にも耐えうる品質が保証されています。
参考:MDR-M1STの仕様
形式 密閉ダイナミック型
ドライバーユニット 40mm、ドーム型(CCAWボイスコイル)
最大入力 1500mW(IEC)
インピーダンス 24Ω (1kHzにて)
音圧感度 103dB/mW
再生周波数帯域 5~80,000Hz(JEITA)
コード長 約2.5m
質量 約215g(ケーブル含まず)
MDR-M1とMDR-M1STの比較分析
音質の違い
SONYのモニターヘッドホンであるMDR-M1とMDR-M1STの音質の違いについて、両モデルともに高品質な音響設計を持っていることは共通していますが、その音のキャラクターにはメーカーによって差別化された違いがあります。
MDR-M1は、新しい技術とエンジニアの参加により、フラットでバランスの取れた音質を追求しており、特にレコーディングやミキシングの段階で使用することに適しています。MDR-7506の系譜を受け継いでいるとのことから、自然で広い音場性やリスニング用途にも使える汎用性の高さも期待できます。
一方、MDR-M1STは、既存のユーザーに支持されたMDR-CD900STの系譜を受け継ぎ、ハイレゾ対応によってより広範な周波数帯域を再生できる点で、プロフェッショナルに必要な精密な音像と情報量、リアルな音場感を提供しています。これらの点から、音質の面で各モデルがそれぞれのフィールドでの使用に特化していることが理解できます。
機能性と利便性
機能性と利便性の観点から見ると、MDR-M1とMDR-M1STにはいくつかの重要な違いがあります。まず、MDR-M1にはMDR-M1STには含まれていなかった3.5mmのステレオミニジャック対応ケーブルが付属しており、さまざまな音響機器との接続がより簡単になっています。
また、MDR-M1は耳に優しい設計を施しているとされ、特に長時間の使用において耳への圧迫感を軽減する効果があります。
どちらのモデルもリケーブル対応であり、バランス接続によりさらに優れた音質体験が可能ですが、こうしたケーブル仕様の違いによって、それぞれの使用シーンに合わせた利便性を持っています。結果として、どちらを選ぶかは、どのような環境や用途で使用するかによって決まるでしょう。
使用シーン別のおすすめを探る
スタジオやDTMでの使用
スタジオやDTMでの使用を考えると、SONYのモニターヘッドホン・MDR-M1は非常に適した選択肢です。特に、レコーディングやミキシングにフォーカスした音作りがされており、高い遮音性とハイレゾ対応によって、精密な音響のコントロールが可能です。音質の面でも、詳細な音の解析に優れているので、プロの音楽クリエイターにも満足していただけるでしょう。MDR-M1STと比べると、さらに業界トップクリエイターの参加による音作りが加わっている点も大きな違いとなり、音質の差別化が図られています。
日常的なリスニング
日常的なリスニング用途での使用を重視するならば、MDR-M1も良い選択肢です。高い解像度と広い周波数帯域は、あらゆるジャンルの音楽を楽しむために適しています。特に、MDR-M1STには付属していなかった3.5mmのステレオミニジャック対応ケーブルが付属することで、より多くのデバイスに対応可能になっています。しかし、よりカジュアルなリスニング体験を求める場合、オープン型のヘッドホンが選ばれることもあるため、この点での違いを考慮に入れる必要があります。
MDR-CD900STを使っていたユーザーには?
MDR-CD900STを長年使用していたユーザーにとって、MDR-M1STは自然なステップアップとして考えられるでしょう。MDR-CD900STの持つプロユース機能を受け継ぎつつ、MDR-M1STは順当かつ現代的な音質向上を実現しています。特に、低音域と高音域の制約を感じていたユーザーには、新製品MDR-M1STのハイレゾ対応が大きな魅力となります。さらに、耐久性もプロユースに耐える品質を保っています。
MDR-7506を使っていたユーザーには?
MDR-7506を使用していたユーザーに対しても、MDR-M1は魅力的なアップグレード選択となるでしょう。MDR-7506に対する進化形として、MDR-M1はよりクリアな音質と広い再生周波数が提供されます。この違いにより、より深い音楽体験が期待できます。特に、モニターヘッドホンとしての強みを維持しながら、音楽制作の全工程に対応できる点が特長です。
MDR-M1STでしっくりこなかったユーザーにMDR-M1はおすすめ?
MDR-M1STで何かしっくりこないと感じたユーザーには、MDR-M1を試してみる価値があります。MDR-M1は音質のみならず、イヤーパッド周りの設計の改善が期待され、使用感の向上が見込まれています。また、SONYの社内エンジニアと業界トップの音楽クリエイターが開発に関与しており、その音作りには定評があります。これにより、MDR-M1STとの違いをはっきりと体験できる可能性があります。
まとめ
最適な選択肢を探る
SONYのモニターヘッドホン・MDR-M1とMDR-M1STの比較を通じて、それぞれのモデルが持つ特徴や役割が浮き彫りになりました。MDR-M1は、MDR-M1STとは異なる音作りにおいて、ソニー社内の著名なエンジニアや業界トップ級の音楽クリエイターが参加していることが大きな特長です。また、MDR-7506の発展形としての位置づけがなされており、特にレコーディングやミキシングといった音楽制作の工程に適しています。
一方、MDR-M1STは、従来のMDR-CD900STの次世代モデルとして位置づけられ、高い解像度とプロユースの耐久性を兼ね備えています。ハイレゾ対応という強みもあり、詳細な音質を求めるプロの方々にとっては引き続き選択肢となるでしょう。
スタジオや日常的なリスニングには、音楽ジャンルや用途に応じたヘッドホン選びが重要です。MDR-M1は広い音場とクリアな音質が期待できるため、スタジオ用途やDTMでの使用に向いています。また、MDR-M1STを使用していたユーザーで音質や装着感に改良を求める方にも注目のモデルとなるでしょう。
いずれのモデルも、SONYのモニターヘッドホンとしての長年の系譜を引き継いでおり、それぞれの違いを理解して場面に応じた選択をすることが、最適なパフォーマンスを引き出す鍵となります。
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