KEF LSX II LT レビュー・評価情報

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KEF LSX II LT ペア137,500円のアクティブスピーカー

KEFは、アクティブスピーカーの新製品「LSX II LT」を2024年1月25日に発売。価格はペアで137,500円。

発売中の「LSX II」(231,000円)の主要な部分は踏襲しつつ、効果的にコストを下げることで大幅な低価格化を実現した弟機です。

「LSX II LT」の内容紹介と、各種レビュー・評価などから浮かび上がる本機の実力を分析・考察します。

KEF LSX II LT 製品概要 主な特徴とテクノロジー

「LSX II LT」はKEFの伝統技術である同軸Uni-Qドライバーを搭載しており、点音源により、音を均等に分散させることができます。D級アンプ内蔵のアクティブタイプであり、外部のパワーアンプが不要です。

LSX II LTはPCとUSBや光デジタルで接続してハイレゾ対応のPCスピーカーとしても使用でき、AirPlay 2やBluetooth経由でワイヤレス接続することもできます。さらに、HDMI ARCも搭載されており、テレビのサウンドをデジタル再生することも可能です。また、アプリからの制御や様々な音楽配信サービスをスピーカー単体で再生することが可能です。

Uni-Qドライバーを軸にしたユニークなデザインは、インテリアに馴染みやすく、高級感を演出しています。3つの異なる仕上げが提供され、左右スピーカー間の接続にはUSB-Cケーブルが使用されます。

以上の基本的な内容は上位機の「LSX II」とほぼ同様でありながら約10万円の低価格化を果たしているため、「LSX II LT」はコストパフォーマンスの高いアクティブスピーカーと言えるでしょう。

KEF LSX II LT 内容・機能(上位機の「LSX II」と共通)

・第11世代「Uni-Qドライバー」を搭載した2ウェイ・同軸型・バスレフ方式
・低域用70W/高域用30Wのバイアンプ方式ハイパワー・クラスDアンプをチャンネルごとに内蔵したアクティブ型
・搭載DSP「Music Integrity Engine」搭載による高音質化
・USB Type-C、HDMI(ARC)、光デジタル入力を搭載した有線接続
・Wi-FiとBluetoothのワイヤレス入力に対応
・Spotify、Apple Music、Amazon Music HDなどのストリーミングサービスやネットワークプレーヤー機能に単体で対応
・セッティングやストリーミング再生は「KEF Connect」アプリで実行可能
・ネットワーク接続時に384kHz/24bit、USB Type-C接続時には192kHz/24bit、光デジタル接続時は96kHz/24bit、HDMI接続時にはPCM 1,411Mbpsの入力に対応。
・DSD再生対応(PCM変換)
・KEFのサブウーファーを接続できる出力搭載で低音強化も可能
・角度をつけて机に設置できる「P1デスクパッド」や、「S1フロアスタンド」もオプションで用意

KEF LSX II LTと上位機のLSX IIの違い

一方、「LSX II LT」は上位機のLSX IIより10万円安い価格を実現するためにLSX IIとは以下の点で異なっている(基本的には劣っている)ことに注意が必要です。

左右スピーカー間の接続方法:ワイヤレスにも対応→有線のみ
電源の搭載方法:左右スピーカーに個別に内蔵→メインの片側のみに搭載
入力端子:3.5mm AUXアナログ有線入力→省略
音声フォーマット:MQA、Roon Ready→非対応
筐体仕上げ:5色・カーボンブラック、ミネラルホワイト、コバルトブルー、ラヴァレッド、サウンドウェーブ・バイ・テレンス・コンランエディション(グレー)→3色・ストーン・ホワイト、グラファイト・グレー、セージ・グリーン

KEF LSX II LT 仕様

ドライバーユニット:Uni-Qドライバー
(19mmアルミニウムドーム+115mmマグネシウム/アルミニウム合金製)
周波数特性:49Hz – 47kHz
感度:102 dB
アンプ出力(1本):30W+70W
通信機能:Wi-Fi(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)・Bluetooth 5.0
入力端子:USB Type-C/光デジタル/RJ45/HDMI ARC
出力端子:RCAサブウーファー出力
サイズ(1本):幅155x奥行き180x高さ240mm
重量(1セット):6.8kg

KEF LSX II LT レビューサイト

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KEF LSX II LT 各種レビュー・評価から浮かび上がる本機の実力

音質レビューから浮かび上がる本機の魅力・弱点

KEF LSX II LTの音質について、まず音楽再生の評価の分析から始めます。LSX II LTはUni-Qドライバーを搭載しており、音楽を均等に分散するため、広い部屋はもちろん、デスクトップのような近接試聴でも定位感に優れたリアルなサウンドを楽しむことができると評価されています。全体的な音質傾向としては原音忠実型で、幅広い音楽ジャンルに適合できるようです。

特に高音域の再生がクリアであり、音楽の細部までしっかりと聴き取ることができると評価されています。いわゆるPCスピーカーとしてみれば、一般的な数万円までのモデルとは勝負にならないほど高音質であると断言できるようです。

次に、映画など映像ソースでの再生の評価です。LSX II LTは映画のサウンドトラックを臨場感たっぷりに再現すると評価されています。バス音や環境音もきちんと再現され、臨場感あふれる映画体験を提供すると評されています。低音域の再生も必要十分に力強く、臨場感あふれる音響効果を楽しむことができるようです。テレビやホームシアター用のHDMI入力対応スピーカーとしても多いに活躍できるでしょう。

気になる上位モデルとの音質差ですが、中高域の再現性や音の情報量、分解能は同等であるという感想が多く見られます。

一方、低音域の再現性については、LSX IIよりも低域の力感や実体感などにおいて差があるという意見が見られました。

低音再生の感覚的な差の理由として、LSX IIが音質的に有利な左右独立電源を採っている一方、LSX II LTは片側のみの電源であることが影響しているのではないかという考察も見られました。

いずれにしても、小型ブックシェルフ型スピーカーですので、低音再生能力には限界があります。コントラバスの最低音やグランカッサなどの低音を高度に求めるならばKEFが提供している別売りのサブウーファーを足す必要はあるでしょう。

価格に対する価値

この価格で上位機と全く同じUni-Qドライバーとアンプ、デジタル系を搭載し、KEF独自の技術を活用したハイクオリティな音質を提供しています。さらに、豊富な接続方式と利便性を備え、デザインも洗練されています。そのため、音質と機能性を考えると、価格に対する価値は非常に高いと言えるでしょう。

本機への評価では価格に対しての音質面での不満は全くと言っていいほど見られませんが、Bluetooth入力時の遅延や、専用アプリが使えない場合の利便性・機能性の後退(つまりは本機の快適な使用には専用アプリ使用が必須)が気になるといった評価もあることには留意したいところです。

評価のまとめ

KEF LSX II LTは、LSX IIをベースに開発されたワイヤレススピーカーであり、より幅広いユーザー層にアプローチするために設計されています。Uni-QドライバーやKEF独自の技術を活用して、高音質な音楽再生や映画視聴が可能です。さらに、デザインもユニークで機能性も優れており、多彩な接続方法を選択できる点も魅力的です。

価格面では、LSX IIより約10万円ほど低価格設定されており、音質や機能性を考えると十分な価値があると言えます。ただし、アナログ入力非対応や左右スピーカーの有線接続が必要な点には注意が必要です。MQA非対応、Roon Ready非対応だと困るという方も要注意です。

KEF LSX II LT おすすめユーザーは?

総じて、KEF LSX II LTはコンパクトかつ高音質であり、さまざまな接続機能を備えた魅力的なワイヤレス対応アクティブスピーカーと言えます。

KEF LSX II LTがおすすめのユーザー・使い方

高音質な音楽再生を左右分離のアクティブタイプで

LSX II LTは、LSX IIと同じUni-QドライバーとクラスDアンプとハイレゾ対応のデジタル系を搭載しており、パワフルでクリアなサウンドを実現します。高音質な音楽再生をメイン用途とする方におすすめです。

高音質な音楽再生が可能なアクティブスピーカーは、昨今はサウンドバータイプの高級機もありますが、伝統的な左右分離型タイプを求めたいという向きにもぴったりでしょう。

省スペース性を重視・デスクトップ使用など

LSX II LTは、片チャンネルで幅155x奥行き180x高さ240mmとコンパクトなサイズです。デスクトップや書斎など、限られたスペースでも設置しやすいスピーカーです。

豊富な接続に対応して欲しい場合

LSX II LTは、Wi-Fi、Bluetooth、USB Type-C、HDMI、光デジタル入力に対応しており、様々なデバイスと接続できます。ワイヤレス入力にも対応しているため、複雑な配線が苦手な方でも簡単に接続できます。

HDMI入力のあるテレビの外部スピーカー

LSX II LTは、HDMIと光デジタル入力端子を備えているため、テレビの外部スピーカーとして使用できます。テレビの音質を向上させたい方におすすめです。

HDMIを備えた左右分離型のアクティブスピーカーは少ない(サウンドバーがほとんど)のため、この点に注目する人にも多いにおすすめです。

よりコストパフォーマンス重視

LSX II LTは、上位のLSX IIよりも93,500円も安価であり、KEFの高音質をより多くの人に体験できる価格帯となっています。予算重視の方や、初めてKEFのスピーカーをアンプ込みで15万円未満で試してみたい方におすすめです。

あまりおすすめできないユーザー・使い方

左右スピーカー間のワイヤレス接続を重視

LSX II LTは、左右スピーカー間の接続が有線のみです。スピーカーの左右間もワイヤレス接続でスッキリと設置したい方には、LSX IIがおすすめです。

アナログ入力が必要な場合

LSX II LTは、アナログ入力端子を省略しています。レコードプレーヤーなど、アナログ接続したい機器を使用する方には、LSX IIがおすすめです。

MQA再生が必要

LSX II LTは、MQA再生に対応していません。MQA音源を聴きたい方には、LSX IIがおすすめです。

Roon Ready

LSX II LTは、Roon Readyに対応していません。Roonを利用して音楽管理・再生したい方には、LSX IIがおすすめです。

高級感

LSX II LTは、LSX IIと比べて筐体仕上げがシンプルです。より高級感のあるスピーカーを求める方には、LSX IIがおすすめです。

まとめ

KEF LSX II LTは、コストパフォーマンスに優れたアクティブスピーカーです。高音質な音楽再生をメイン用途とし、省スペースな設置を求める方におすすめです。一方、左右間のワイヤレス接続やアナログ入力端子、MQA再生、Roon Ready、自由なスピーカー配置、高級感を重視する方には、上位のLSX IIの方が適している可能性があります。

それでも、USBやネットワーク、HDMI対応のオールインワンシステムとして考えると、価格帯最強、あるいは総合的なコスパでも最強クラスとなりえる大注目モデルと言えるかもしれません。

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