MOONDROP(水月雨)MIAD01 音楽再生特化Androidスマホ
中国のMOONDROP(水月雨)が、音楽の高音質再生に特化したAndroidスマートフォン・MIAD01を海外で発売しました。価格は399ドル。
DAPとしても使えるレベルのAndroidスマホは珍しい(国内ではONKYOのGRANBEAT以来)こともあり、国内発売を待たずに海外から購入して使っている国内ユーザーの方々が何人もいるようで、ネット上にいろいろとレビューが上がってきています。これらのレビューや製品情報から、本機の実力・魅力を分析・考察します。
MOONDROP MIAD01とは
開発元はオーディオブランドのMOONDROP
MOONDROP MIAD01は、高品質な音響製品で知られる中国のオーディオブランド、MOONDROP(水月雨)によって開発されたAndroidスマートフォンです。このブランドは、精密な音響技術と優れたデザインで、多くのオーディオ愛好家から高い評価を受けています。MOONDROPは特にイヤホンやヘッドフォン、最近ではドングル型DACの分野で名を馳せており、その技術をスマートフォンにも応用しています。
特色として高品質な音質に特化
MIAD01は、音楽の高音質再生に特化して設計されており、一般的なスマートフォンと比較して圧倒的な音質を実現しています。内部には、スマホに搭載されることはまずない、Cirrus Logic社の高音質DACチップが搭載されており、細部にわたる音の再現性が非常に高いです。また、4.4mmバランス出力と3.5mmシングルエンド出力を備えており、高度な音楽再生環境をユーザーに提供しています。さらにハイレゾ音源の再生も可能で、音楽愛好家にとっては非常に魅力的な製品です。
水月雨 MOONDROP MIAD 01
5G対応フルバランスHiFiオーディオプレーヤー↓詳細スペック↓
オーディオ関連:
4.4 mm 5極バランス出力+3.5 mm 3極出力
バランス出力4Vrms
シングルエンド出力2VrmsCirrusLogic社のフラッグシップデコードチップ2枚搭載
SN比117dB
ダイナミックレンジ132dB… pic.twitter.com/sxhuq0Zlgr— 水月雨 Japan (@MOONDROP_JP) April 25, 2024
MOONDROP「MIAD01」プロモ動画https://t.co/TmgUBQmIRy pic.twitter.com/XYi6ifV3Sx
— LeoUila (@LeoUila) April 25, 2024
MOONDROP(水月雨)MIAD01の仕様
クリーンなAndroid 13搭載: 不要なアプリや機能を排除したクリーンなAndroid 13(Google Play Store無し、手動インストール必要)を搭載
CPU: ミドルクラスのCPU、MediaTek Dimensity 7050を搭載
大容量メモリ: 12GB LPDDR4Xメモリと256GB UFS3.1ストレージを搭載
4.4mmバランス出力と3.5mmシングルエンド出力
ヘッドホンアンプ部出力はバランスで4Vrms、アンバランスで2Vrms
高精細ディスプレイ: 6.7インチのフルHD有機ELディスプレイを搭載
120Hzリフレッシュレート、HDR10 1920Hz PWM調光
高画質カメラ: メインカメラは6400万画素デュアルレンズ、フロントカメラは3200万画素のカメラを搭載
大容量バッテリー: 5000mAhの大容量バッテリーを搭載。33W PD急速充電にも対応
対応バンド:
GSM:B2 / 3 / 5 / 8
WCDMA:B1 / 2 / 4 / 5 / 8
LTE:B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 12 / 17 / 20 / 28(A+B) / 38 / 40 / 41 / 66
5G:N1 / 3 / 5 / 7 / 8 / 20 / 28 / 41 / 77 / 78
MOONDROP(水月雨)MIAD01 レビューサイト


MOONDROP(水月雨)MIAD01 各種レビュー・評価から実力を分析・考察
音質の評価
3.5mm & 4.4mm端子による音質実力が評価
MOONDROP MIAD01は、スマホ業界では極めて珍しい4.4mmバランス出力と3.5mmシングルエンド出力を両方備えています。多くの音楽愛好家が、高純度のオーディオ体験を求める中で、この2種類の端子を提供することを非常に評価しています。特に4.4mmバランス出力は、クリアでダイナミックな音質を実現していると評価されています。Cirrus Logic社のDACチップの効果か、解像度が高く、細部にわたる音の表現が可能になっていると評されています。
音楽特化スマホとしての音質・メリットはいかに
MOONDROP MIAD01は、その音楽再生の質に関して、他のスマートフォンやデジタルオーディオプレーヤーと比べても顕著な差を見せています。特に音楽の高音質再生に特化した設計がなされており、音楽特化スマホの先駆者・ONKYO GRANBEATの後継機とも呼ばれるほどです。
実際にハイレゾ音源の再生能力に優れ、広いダイナミックレンジと深い低音、クリアな高音が楽しめるため、ポータブルオーディオ愛好家からの評価が非常に高いです。その背景としてはAndroid OSのSRCを回避したビットパーフェクト出力の実現も影響しているでしょう。アンプ部も強力で、低能率イヤホン・ヘッドホンやマルチドライバーイヤホンなど、普通のスマホでは音量すら満足に取れない機器でも余裕のようです。
単体でSIM通信できるため、各種ストリーミングサービスを、スマホ単体で高音質再生かつ、バランス接続で聴けるのが本機の大きなメリットであり評価ポイントでしょう。バランス接続対応とストリーミング対応を満たすDAPがいくらあっても、SIM通信をできないがために、さらに別個にスマホを用意してテザリングをしなければならない手間や面倒がないのですから。
その他の評価
5G対応や大画面はどう評価されているか
MOONDROP MIAD01は5Gデータ通信対応であり、6.7インチの大画面AMOLEDを搭載しています。これにより、利用者からは没入感のある動画視聴や快適なインターネット使用体験が提供されると高く評価されています。特に、大画面は音楽のビジュアル面での楽しみも高め、歌詞表示やアートワークの鑑賞に適している点が好評です。しかし、一部のレビューでは大きな画面サイズが一手での操作性を低下させるとの指摘も見られます。
ただ、世界初の5G対応DAPという見方もできるだけに、5Gの恩恵を受けられる動画ストリーミングも意識した大画面も悪くはない設計でしょう。
価格は399ドル、日本円で約62000円
MOONDROP MIAD01は399ドル、日本円で約62000円という価格帯で提供されています。この価格はポータブルオーディオ愛好家にとっては高額すぎるほどではなく、特に高音質再生に特化したスマートフォンとしては合理的な設定と評されています。比較的手頃な価格で高品質の音楽体験が可能なため、コストパフォーマンスは高いと考えられています。
スマホとしてのみ見れば価格の割にロースペック
MOONDROP MIAD01は、音質面では非常に高い評価を受けていますが、カメラ性能やその他のスペックを見ると、同価格帯の他のスマートフォンと比較するとやや見劣りする部分があります。
特にカメラの画質が低く評価されているという点や、樹脂筐体によるデザインの質感が少し劣るとの意見もありますが、音楽再生を重視するユーザにとってはこれが致命的な欠点ではないかもしれません。ただ、高性能を要求するゲームを快適にプレイするのは厳しいようです。
オーディオメーカーとしてのユニークなスマホ戦略について
MOONDROPというオーディオメーカーがスマートフォン市場に参入したのは、非常にユニークな動きです。特に「MIAD01」はMOONDROPのオーディオ技術をスマートフォンに融合させることで、他のスマートフォンやDAP(デジタルオーディオプレーヤー)と一線を画する製品となりました。この戦略は、音楽が重要なライフスタイルの一部となっている現代において、オーディオファンの間で注目を集め、新たなニーズを捉える有効な手段と評価されることが多いです。
このような評価から、MOONDROP MIAD01は特化した機能を備えている一方で、全てのスマホユーザーにとって最適な選択とは言えないかもしれませんが、特定のニーズを持つユーザーには非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
MOONDROP MIAD01の今後の見方
MOONDROP MIAD01は、音楽の高音質再生に特化したAndroidスマートフォンとして世界市場に投入されました。このデバイスが将来どのような道を辿るかについて、多くの音楽愛好家やオーディオマニアから注目されています。
現在のスマートフォン市場は多岐にわたるニーズが存在しており、MOONDROP MIAD01のような特定の機能に特化した製品は特定のユーザー層に強く訴求する可能性があります。特に、高音質の音楽再生を求めるユーザーにとって、MIAD01は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
また、ONKYO GRANBEATの後継機とも言われるこのデバイスは、既存の音楽再生専用機器の市場に存在する一定のギャップを埋める形で設計されています。現時点で現行の競合機はなく音質面では優れた性能を持っているため、今後もその評価は高まることが予想されます。
ただし、一部のレビューで指摘されているように、質感が安っぽいとの意見や、カメラ機能に対する不満など、スマートフォンとしての全般的な品質に対する挑戦も残されています。セキュリティーパッチが今後数年間にわたって提供されるのか、国内では大手キャリアから発売されるのかといった、スマホとしての不安もMOONDROPがスマホメーカーではないだけに気になるところです。このような点が改善・解決されれば、より広い市場への展開も期待できるでしょう。
最後に、値段が399ドルということを考慮すると、音質を重視する特定のニーズを持つユーザーにとっては非常に高い価値があると言えます。MOONDROPがこれを機に、スマホ市場においてもオーディオメーカーとしての独自の地位を不動のものとするかもしれません。
音楽愛好家やオーディオマニアからの継続的な支持が続けば、MOONDROP MIAD01は今後、ポータブルオーディオ業界においてさらなる注目を集めることが予想されます。
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