ゼンハイザーの開放型ヘッドホン・SENNHEISER HD 550とHD 505の違いを徹底解説。どちらをどう選べばよいかも考察します。
はじめに・本記事の目的
近年、音楽鑑賞や映像コンテンツを楽しむために、高品質なヘッドホンへの需要がますます高まっています。その中でも、音質だけでなく長時間の快適な装着感を提供するモデルとしてゼンハイザーの開放型ヘッドホンは特に注目されています。今回は、新たに発表された「SENNHEISER HD 550」と「HD 505」の2つのモデルについて、その違いや特徴を徹底解説します。
本記事では、HD 550とHD 505を比較し、選び方のポイントを詳しく掘り下げていきます。それぞれのモデルが持つ個性的なスペックやターゲットユーザーに合わせた設計について触れながら、どのような音質やデザインが期待できるのかを明らかにしていきます。また、開放型ヘッドホンの持つ特性にも注目し、ゼンハイザーならではの魅力をお届けします。
ゼンハイザーの開放型ヘッドホンの選択を考えている方や、新型HD 550、HD 505に興味を持つ方にとって、本記事が最適な選択をするための参考になれば幸いです。
ゼンハイザー HD 550とHD 505の概要
HD 550とHD 505の開発背景と位置づけ
ゼンハイザーは常に革新的な音響技術で知られるブランドですが、「HD 550」と「HD 505」は、オーディオファイル向けのHDシリーズに新たに加わったモデルです。これらは、有線型で開放型のヘッドホンとして設計され、高音質を手頃な価格で提供する「HD 500」シリーズの一環として位置づけられています。
特にHD 505は、カジュアルリスナーやAmazon専売モデルとして戦略的に設定されており、手軽にゼンハイザーの開放型ヘッドホンを体験できるラインナップの役割を果たしています。一方、HD 550は上位モデル「HD 600」シリーズの技術を一部継承し、音響性能をさらに高めた設計となっています。このように、両モデルとも高品質なリスニング体験を目指しつつ、それぞれ異なるターゲット層に向けて開発がなされています。
基本スペック比較
HD 550とHD 505はどちらも38mm径の自社製ドライバーユニットを搭載し、高い技術力を備えています。HD 550ではラミネート加工が施された振動板が採用されているのに対し、HD 505ではポリマーブレンド素材が用いられ、個々の音のチューニングに差が生まれています。
これにより、HD 550はニュートラルで分析的な音質傾向を示し、HD 505は低音の量感がやや豊かでリスニング向けのサウンドプロファイルに仕上がっています。また、どちらもベロア素材のイヤーパッド、着脱可能なアンバランスケーブル、そして6.3mm変換アダプターが付属しており、装着感と汎用性が高い仕様です。
共通する特徴と魅力
ゼンハイザーのHD 550とHD 505は、開放型ヘッドホンならではの広い音場と自然な空間表現が大きな魅力です。耳を覆うオーバーイヤー設計と柔らかなベロア素材のイヤーパッドにより、長時間の使用でも快適に音楽を楽しめる設計となっています。
さらに、どちらのモデルもアイルランドの自社工場で製造されたドライバーを使用しており、高品質な音響パフォーマンスが実現されています。音楽好きや映画鑑賞に適した仕様で、ゼンハイザーらしい精細な音響再生が期待できます。
開放型ヘッドホンとは?HDシリーズの特性
開放型ヘッドホンは、音が外に漏れる設計が特徴で、密閉型と比較して広がりのある自然な音場を体験できる点が魅力です。ゼンハイザーのHDシリーズもこの特性を徹底的に追求し、リスナーに一段上のリスニング体験を提供しています。
特にHD 550とHD 505は、開放型ヘッドホンならではのメリットを活かしつつ、ニュートラルで自然なサウンドを目指してチューニングされています。そのため、クラシックやジャズのような音場が重要な音楽ジャンルに適している一方、室内でのリスニング環境を考慮したい設計となっています。
ターゲットユーザーの違い
HD 550とHD 505は、それぞれ異なるターゲット層を意識して作られています。HD 550は、音質に妥協しないオーディオ愛好家や、音楽制作のモニタリング用途にも対応する高音質さを求めるユーザー向けです。一方、HD 505は、より手軽にゼンハイザーの開放型ヘッドホンの魅力を体験したいエントリーユーザーや、コストパフォーマンスを重視するリスナーに適しています。
さらに、HD 550は幅広い販路で入手可能であるのに対し、HD 505はAmazon専売という特徴があり、購入のしやすさや試聴環境に違いがあります。このようなターゲット設定と販路戦略によって、ユーザーのニーズや利用シーンに応じた製品選びが可能となっています。
HD 550とHD 505で違う点
振動板が違う
ゼンハイザーの開放型ヘッドホン「HD 550」と「HD 505」では、振動板の素材に違いがあります。HD 550はラミネート加工を施した振動板を採用しており、正確な音響特性と高い耐久性を実現しています。一方で、HD 505はポリマーブレンド素材の振動板を採用しており、比較的柔軟性のある仕上がりで低域の豊かさを加えています。この素材の違いが、それぞれのモデルの音響特性に直接影響しています。
上位モデル設計の踏襲の違い。HD 550は上位の「HD 620S」の技術を取り入れ
HD 550は、上位モデル「HD 620S」との共通技術を取り入れています。ラミネート加工の振動板をはじめ、軽量なアルミ製ボイスコイルや優れたマグネットシステムを備えたドライバーが特徴です。一方、HD 505は独自設計のポリマーブレンド素材を組み込むことで、別の音響体験を提供します。このように、HD 550の設計には上位モデル技術が踏襲されており、より高品位な音を追求しています。
音作りの違い
HD 550はゼンハイザーが「オーディオファイルクラスの音質」をキーワードに設計したモデルで、緻密な音響処理が特徴です。このため、解像度が高く、細部まで分析可能な音質を楽しむことができます。
一方、HD 505はより親しみやすいバランスを重視した設計となっており、さまざまなジャンルの音楽に適した一台となっています。両モデルとも音へのこだわりはあるものの、ターゲットとするリスニング体験に違いが見られます。
音響設計の違い。HD 550のみ「アコースティックフォーム」を内蔵
HD 550は、高域の描写力を際立たせるために「アコースティックフォーム」をドライバー背面に採用しています。この設計により、滑らかな高音域再現とともに、キレのある低音の再生を可能にしています。
一方で、HD 505にはこのアコースティックフォームが搭載されておらず、設計が異なるため、それぞれ異なる音響表現が楽しめます。
物理スペックの違い
HD 550とHD 505は物理スペックにも若干の違いがあります。
HD 550の再生周波数帯域は6Hz~39.5kHz、インピーダンスは150Ω、感度は106.7dB(1kHz/1Vrms)。
HD 505の再生周波数帯域は12Hz~38.5kHz、インピーダンスは120Ω、感度は107.9dB(1kHz/1Vrms)。
HD 550のほうが低音側がワイドレンジでインピーダンスは高め。HD 505は比較するとインピーダンスは低く、感度は高いので、やや鳴らしやすい傾向となっています。
デザインの違い
HD 550とHD 505はデザインの方向性にも違いがあります。HD 550は黒を基調としたシックで落ち着いたデザインが特徴です。これに対し、HD 505は、ヘッドバンドやロゴ部分にアクセントとしてコッパーカラーを採用し、高級感とカジュアルさを両立させています。また、HD 505のロゴにはスピン加工が施されている点も個性的なデザイン要素となっています。
販路が違う。HD 550はAmazonを除いた幅広い販路で、HD 505はAmazon専売
HD 550は、幅広い販路で購入できる一般流通モデルとして展開されています。一方、HD 505はAmazon専売モデルとして設計されており、購入できるプラットフォームが大きく異なります。この販路の違いは、購入時の体験や試聴の機会にも影響を与えるポイントです。
価格が違う。HD 550の実売価格は54,450円前後でHD 505のAmazon価格は50,600円
両モデルの価格にも差があります。HD 550の実売価格は約54,450円前後で、高級ヘッドホンとしての位置づけが強調されています。一方、HD 505はAmazon専売で約50,600円とされており、ややリーズナブルな価格が魅力です。この数千円の価格差が、それぞれのモデルを選ぶ際の判断基準になる場合もあります。
オーディオニュースサイトによる試聴記事などから読み取れる音質などの違い
どちらも開放型ならではの空間表現に長けた伸びのあるサウンドを楽しめる
ゼンハイザーの開放型ヘッドホンであるHD 550とHD 505は、どちらもオープンバック構造を採用しており、開放型ならではの広がりのある空間表現が特徴です。頭外定位を実現するサウンドは、音楽の繊細なニュアンスを損なわず、空間全体に自然な広がりを感じさせてくれます。これにより、特にクラシックやジャズなどのジャンルで豊かな音場を楽しみたい方に適しています。
HD 550のほうが音場空間が広く、解像感も高く、低音のヌケ感も上。HD 505は低音の量感がやや豊かか
試聴記事でも指摘されているように、HD 550はHD 505と比べて音場空間がさらに広がり、全体的に解像感が優れているとされています。また、低音域の「ヌケ感」にも定評があり、適度な引き締まりを持ちながら音を濁らせない設計となっています。
一方、HD 505は低音の量感がやや豊かで、ポップスやバンドサウンドなどでは迫力ある再現力が魅力に映ることが多いようです。このため、両モデルは異なるサウンドキャラクターを持ちながら、それぞれの用途や好みに応じた選択が可能です。
数千円の価格差ながらHD 550のほうが上位機のような印象のようです
価格差は数千円程度ですが、HD 550は上位モデルのような仕上がりを持つと言われています。特に、その細部にわたる技術的なこだわりや、HD 600シリーズの設計踏襲によるニュートラルな音質設計が評価を受けています。
このため、厳密な音質を追求したい「オーディオファイル」にとって、HD 550が魅力的な選択肢であることが多いようです。
ただ、音のキャラクターの違いもあり、音の好みや音楽ジャンルで選ぶこともできそう
HD 550の分析的な特性とHD 505のややリッチな音質の違いを考えると、音楽ジャンルや聴く人の好みによって選び分けることも十分可能です。
例えば、クラシックや映画音楽を深く楽しみたい方にはHD 550が、ポップスやダンスミュージックを迫力あるサウンドで楽しみたい方にはHD 505が適しているようです。
販路の違いや試聴のしやすさも考慮したい
販路の違いも購入の際に重要なポイントです。HD 505はAmazon専売モデルであるため、試聴の機会が限られることがあります。
一方、HD 550は一般量販店でも取り扱われており、事前に試聴してから購入を検討することが可能です。試聴環境を含めた購入体験のしやすさが、選択の際の決め手となることも考えられます。
スペック上はHD 505のほうが鳴らしやすい
スペックを見ると、HD 505の方が鳴らしやすい特性を持っている点も注目に値します。アンプなど外部機器の性能に左右されにくいため、ポータブルデバイスなどでも十分なパフォーマンスを発揮できます。
一方で、HD 550はやや再生環境に依存する部分がありますが、本格的な専用オーディオ機器で使用すればその真価を発揮します。
HD 550とHD 505の共通点
どちらもオーバーイヤー開放型の有線ヘッドホン
ゼンハイザーの開放型ヘッドホンであるSENNHEISER HD 550とHD 505は、どちらもオーバーイヤータイプの有線ヘッドホンとして設計されています。開放型構造により、空間表現力に優れた自然で広がりのあるサウンドを楽しむことができます。この特性により、リスニング体験の中で臨場感を求めるユーザーに最適な選択肢となっています。
外観デザインはほぼ共通
両モデルとも、ゼンハイザー特有の洗練された外観デザインを採用しています。全体的なフォルムや作りは共通しており、どちらも高い質感を感じられる美しい仕上がりです。ただし、アクセントカラーには差があり、HD 505にはカッパー(銅)のカラーリング、HD 550にはシルバーが採用されています。この微妙な違いがそれぞれの個性を生み出しています。
ドライバー口径はどちらも38mm径
HD 550とHD 505のどちらも、38mm径のドライバーを搭載しています。このサイズのドライバーにより、低音から高音まで幅広い周波数帯域をクリアかつバランスよく再現できる設計を実現しています。この結果、開放型ならではの空間表現と繊細な音のディテールを体感できます。
アイルランドの自社ファクトリーで製造したドライバーを搭載
両モデルには、アイルランドにあるゼンハイザーの自社工場で製造された高品質なドライバーが採用されています。この高精度なトランスデューサーが、それぞれのモデルにおける音質の基盤を支えており、使用者に信頼性の高いサウンド体験を提供しています。
イヤーパッドは柔らかなベロア地を採用
どちらのモデルも、イヤーパッドには柔らかで肌触りの良いベロア素材を使用しています。この素材の採用により、長時間の装着でも快適さが損なわれることなく、耳への負担を軽減することが可能です。
ケーブルは着脱可能で、3.5mmステレオミニ端子のアンバランスケーブル(180cm)が付属
HD 550とHD 505には共通して、着脱可能な3.5mmステレオミニ端子を採用したアンバランスケーブルが付属しています。ケーブル長は180cmで、通常の音楽鑑賞に十分対応できる長さとなっています。この設計により、ケーブルの交換やカスタマイズも容易です。
6.3mmプラグへの変換アダプターが付属
どちらのモデルにも、6.3mmプラグへの変換アダプターが標準で付属しています。これにより、オーディオインターフェイスやアンプなど、3.5mm以外の端子を使用する機器とも接続しやすくなっています。
別売りで4.4mmバランスケーブルも用意
HD 550とHD 505の両方に対応するオプションとして、4.4mmバランスケーブルが別売りで用意されています。このケーブルを使用することで、さらなる音質向上を求める方にも対応した拡張性の高い設計となっています。
音質の違いを分析
HD 550の“分析的なチューニング”が生む音の特徴
ゼンハイザー HD 550は「分析的なチューニング」を特徴とし、音のディテールや解像感を重視した設計がなされています。このモデルは上位機種「HD 620S」から一部の設計思想を受け継いでおり、特に中高域の情報量が豊かで、音場が広がるような立体感を楽しむことができます。高域の滑らかさや低域のキレの良さは、HDシリーズらしいプレミアムなリスニング体験を提供します。また、メッシュダンピングリングなどの最新技術が搭載されており、特定の帯域を理想的に調整し、より自然でバランスの取れたサウンドを実現しています。
HD 505のバランスの取れたサウンドプロファイル
HD 505はHD 550に比べ、ややリラックスした音の傾向を持っているようです。ポリマーブレンド素材の振動板とアルミニウム製の軽量ボイスコイルを組み合わせることで、バランスの取れたサウンドプロファイルを実現しているようです。低音の量感が少し豊かに感じられ、中域にも厚みがあり、さまざまな音楽ジャンルに対応する汎用性の高さが魅力です。高解像度ながらも、温かみのあるサウンドは特にポップスやアコースティック楽曲での適性を発揮しそうです。
ジャンル別(クラシック/ポップス/映画)の適性
HD 550はクラシックやジャズといった繊細な音の表現が求められるジャンルに最適です。その高い解像感と広い音場は、オーケストラやライブ音源をリアルに再現します。
一方、HD 505はポップスや映画鑑賞など、低音の迫力やバランスの良さを楽しめる用途に向いているでしょう。特に映画ではその低音の量感が臨場感を高め、エンターテインメントに適したチューニングが好印象でしょう。
低音・中音・高音の表現力比較
HD 550は中高域が鮮明で、特に高音の抜けと解像感が際立っています。低音はキレがあり、締まった表現ですが、量感が控えめなため、フラットかつ正確なサウンドを好むユーザーに向いています。
一方、HD 505の低音はHD 550よりも多少量感がありますが、バランスは崩れず、全体としてリスニング用途に適したニュートラルな音作りが魅力となりそうです。高域のシャープさはHD 550に劣るものの、温かみのあるトーンが人によっては心地よく感じられるでしょう。
音漏れや周囲の影響を受けやすさの比較は同等
どちらのモデルも開放型特有の構造により、音漏れが生じやすいという特性があります。そのため、静かな室内環境での使用が想定されるモデルです。同時に、外部の騒音が入りやすい点も共通しており、通勤や公共の場での使用には適していません。しかしながら、この開放型構造こそが広がりのある音場や空間表現を実現する大きな要因となっています。このため、音楽鑑賞や映画視聴を静かな環境で行うリスナーに理想的な設計と言えます。
デザインと装着感の違いを分析
HD 550の高級感あるデザインの特徴
HD 550のデザインは、黒を基調としたスタイリッシュな外観が特徴です。全体にシンプルで洗練された印象を与えつつ、シルバーのアクセントが上品さをプラスしています。ロゴバッジにはスピン加工が施されておらず、落ち着いた雰囲気を強調し、オーディオファイル向けの高級感あふれる佇まいが魅力です。このデザインは、ホームリスニングやスタジオユースといった場面で自然に溶け込むだけでなく、使用者のこだわりを感じさせます。
HD 505のシンプルで汎用性の高いデザイン
HD 505は、シンプルかつ汎用性に優れたデザインが特徴です。黒をベースに、ゼンハイザーのロゴやヘッドバンド部分にカッパー(銅)のカラーリングを取り入れることで、高級感を演出しながらも親しみやすさを感じさせます。また、ロゴバッジにはスピン加工が施されており、デザインのアクセントとして目を引きます。このカジュアルさと高級感のバランスは、幅広いユーザー層に適しており、HD 505をあらゆるシーンで活躍できるデザインに仕上げています。
付属アクセサリーと利便性
どちらのモデルにも標準で3.5mmステレオミニ端子のアンバランスケーブル(180cm)が付属しており、様々な再生機器との互換性を確保しています。また、6.3mmプラグへの変換アダプターも同梱されているため、ホームオーディオ機器でも簡単に接続可能です。さらに、別売りで4.4mmバランスケーブルが用意されているため、より高音質なバランス接続を楽しみたいユーザーにも対応しています。ただし、全体的な付属品の内容は両モデルでほぼ共通しており、主に高音質体験へのアプローチが異なる点で選び分けるのがポイントです。
耐久性とコストパフォーマンス
HD 550の構造と耐久性について
ゼンハイザーの開放型ヘッドホン「HD 550」は、上位モデルである「HD 600シリーズ」の技術を一部取り込むことで、耐久性と音質の両立を実現しています。特に、ドライバーユニットには耐久性の高いアルミ製軽量ボイスコイルが採用されており、長期間にわたる使用でも安定した性能を発揮します。全体的に高品質な素材が使用されているため、耐久性が求められる場面での性能も信頼できそうです。
HD 505のコストとパフォーマンスのバランス
一方、HD 505はコストパフォーマンスに優れた設計が特長です。ゼンハイザーのヘッドホンとしては比較的手頃な価格帯でありつつも、アイルランド自社ファクトリー製造のドライバーやポリマーブレンド素材の振動板を内蔵することで、高い音響性能を実現しています。価格を抑えつつ、高級ヘッドホンに匹敵するレベルのサウンドを提供するという点が魅力です。また、アクセントカラーのカッパーデザインや軽量化された構造は、コスト削減を目的としたシンプルな設計ながらも高い完成度を感じさせます。
価格差と販路が選びに与える影響
HD 550とHD 505の価格差も、選択において重要なポイントです。HD 550は実売価格が約54,450円とされており、HDシリーズの中でもやや高めのポジションに位置付けられています。一方、HD 505は約50,600円と少し手頃な価格設定ですが、Amazon専売モデルである点が特筆されます。このような販路の違いは、実際に試聴して選びたいユーザーにとっての検討材料となります。音質や耐久性だけでなく、自分にとって購入のしやすい環境も考慮して選ぶことが重要です。
どちらを選ぶべき?購入時のポイント
予算と好みに基づく選択肢
ゼンハイザーの開放型ヘッドホン「HD 550」と「HD 505」を比較して、どちらを選ぶかは、まず予算と好みを考慮することが重要です。HD 550は市場価格が約54,450円前後で、高解像度音質と上位モデルの技術を反映した設計が特徴です。一方、HD 505は約50,600円で購入できるため、わずかにコストを抑えつつ高品質なサウンド体験を求めるユーザーに向いています。価格差を考慮しながら、どのモデルが自分の予算とニーズに適しているか検討することをおすすめします。
利用シーンに応じたヘッドホン選び
利用シーンを考慮することもヘッドホン選びでは大切です。例えば、自宅でじっくり音楽鑑賞を楽しむ場合は、HD 550の広い音場空間と優れた解像感が魅力となるでしょう。一方、リビングや作業中に気軽に音楽を楽しみたい場合は、HD 505が提供するバランスの取れたサウンドプロファイルが適しています。用途に応じて、それぞれのモデルの特性を活かしましょう。
音質とデザインの優先順位を考える
音質を優先する場合、HD 550は広い音場空間やキレのある低音、繊細な高域描写力などで際立っています。一方、HD 505はバランスの取れたサウンドが特徴的で、デザイン面でもカッパーをアクセントに用いて汎用性が高い仕上がりです。また、HD 550はシックで洗練されたデザインが魅力的です。音質を重視するのか、デザインを重視するのか自分の優先順位を明確にしましょう。
量販店などでの試聴のしやすさ
HD 505がAmazon専売であるのに対し、HD 550は量販店や他のECサイトでも販売されています。これにより、HD 550は店舗で実際に試聴できる機会が多いですが、HD 505は試聴が難しい場合もあり、購入前に性能を確認するのが難しいかもしれません。試聴体験を重視したい方はHD 550を検討すると良いでしょう。
HD 550がおすすめのユーザーや使い方は?
ゼンハイザーの開放型ヘッドホン「HD 550」は、その中立的でバランスの取れた音質や、高品質な設計・素材を備えていることから、特に以下のようなユーザーにおすすめです。
まず、音楽制作や音源の細部を正確に把握したいオーディオマニアやプロフェッショナルユーザーに適しています。HD 550は「HD 600シリーズ」の技術を取り入れた設計が特徴で、ニュートラルな音響特性が、音楽のジャンルを問わず幅広い表現への対応を可能にしています。そのため、自宅での音楽リスニングはもちろん、ミックス作業や音響チェックの用途にも最適です。
また、HD 550は高域から低域まで繊細に表現できるため、クラシックやジャズ、アコースティック音楽など、音のディテールや広がりを重視するリスニングに向いています。特に、解像感の高いサウンドや空間表現を堪能したい場合、このモデルは大いにその期待に応えるでしょう。
デザイン面でも、シックで高級感のある仕上げが好みのユーザーにぴったりです。ブラックを基調とした落ち着いたスタイルは、ホームシアターやパソコン周りなどのインテリアとも調和しやすく、大人の落ち着いた雰囲気を演出します。
さらに、Amazonを除いた幅広い販路で購入可能なので、家電量販店や専門店で実際に試聴して選びたいという方にも向いていると言えます。適切な装着感などを含めた選定が可能です。
ゼンハイザーのHD 550はその価格以上の価値を感じられる開放型ヘッドホンとして、多くのユーザーに高い満足感を提供する製品です。特に、オーディオファイルクラスのヘッドホンに興味を持つ方や、上位機種に近いサウンドをより手頃な価格で楽しみたい方にとって、最適な選択肢となるでしょう。
HD 505がおすすめのユーザーや使い方は?
ゼンハイザーの開放型ヘッドホンである「HD 505」は、カジュアルに高音質音楽を楽しみたいユーザーにおすすめです。特に、50,600円という実売価格が示すように、エントリーハイエンドというポジションにあり、ハイエンドモデルに手が届きにくい方でも、本格的な音質を体験できる設定となっています。アコースティックフォームなどの特殊な内部設計を持たない分、音作りが癖なくバランスの取れたサウンドプロファイルに仕上がっているため、幅広いジャンルの音楽に対応できる点が魅力です。
デザイン面では、カッパーのアクセントカラーが取り入れられたスタイリッシュな外観に仕上がっています。ゼンハイザーのロゴバッジにスピン加工が施されており、高級感を感じさせつつも派手過ぎないため、普段使いにも適していると言えます。また、Amazon専売モデルとして販売されており、オンラインで手軽に購入可能な点も利便性が高いと言えるでしょう。
音楽配信サービスやストリーミングを気軽に楽しむ方、またコンパクトなオーディオシステムを持つ初心者エントリーユーザーにも最適と言えます。特に、スペック上HD 505はHD 550よりも鳴らしやすい設計であるため、高出力なヘッドホンアンプを持たないユーザーでも十分にそのポテンシャルを発揮します。
最後に、軽量設計とベロア地イヤーパッドもHD 505のおすすめポイントです。長時間のリスニングにおいても疲れにくく、自宅でのリラックスタイムにも適したヘッドホンとなっています。オープンバック構造による自然な音場表現を楽しみつつ、コストパフォーマンスに優れたヘッドホンを探している方には「HD 505」が最適な選択肢となるでしょう。
管理人の視点
どちらのモデルも、発売直後の価格のままだと高いと思います。というのも両機の上位となる「HD 620S」の実売価格が5万円ですから。また、モニター用モデルの「HD 490 PRO Plus」が実売約4.9万円であり、これらとの比較検討も悩ましいところです。というか、やはりこの価格のままだと、妙な感じでブランド内で競合しそうです。実売4万円台となると超ロングセラーのモニター機・HD 600が実売約4.4万円で控えています。下を見るとHD 599 SE、HD 400 PRO、HD 560Sが2万円台です。
となると、今回の両モデルは3万円台から4万円くらいだと自社内での価格的な競合がなくなり、うまく住み分けできそうです。
いずれにしても発売直後のタイミングでの実売価格はまだ高いと思うので、両機を検討している方は少し価格が落ち着くまで様子を見てはいかがでしょうか。
音質傾向や適性という面では、メーカーの説明はHD 550は「ナチュラルで温かみのある音色。リラックスして音楽を楽しみたい方にぴったり。」HD 505は「緻密で分析的なサウンドを実現。細部までクリアに聞き取りたい方におすすめ。」としていますが、ニュースサイトのレビュー記事だと、これとは逆の傾向のような感じです。いずれにしても結構個性は違うようなので、よく比較して選びたいところですね。
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