SHANLING M9 Plus 全世界限定999台のDAP 約40万円
MUSINは、中国・SHANLINGの新製品として、全世界限定999台のオーディオプレーヤー「M9 Plus」を2023年6月30日に発売。オープン価格で税込み実売価格は40万円前後。
Android 10を搭載。2180×1080ドットの6型液晶ディスプレイ、Snapdragon 665、メモリー8GB、ストレージ256GBを内蔵。
AKMのフラッグシップDACチップ「AK4499EX」を×4で搭載する、SHANLINGの最上位DAP。デジタル・アナログ信号処理を完全分離するDACシステムをベースに「AK4499EX×4+AK4191EQ×2」構成のフルバランス回路が採用されています。
また、各ラインに独立した昇圧チップを配置する安定した電源供給や低ノイズなI/V変換、低ジッターな第4世代FPGA、高品質なELNA社製オーディオコンデンサーなど高品位な部品を回路に搭載。XMOS第3世代のデコードチップによるUSB周りの高い処理性能も特徴。MQAの16xフルデコードとPCM 768kHz/32bit、DSD512再生に対応。
出力端子は3.5mmシングルエンド+4.4mmバランス。3段階のゲイン切り替えに加えて「Extra Turbo Gainモード」を搭載。シングルエンド出力最大520mW@32Ω、バランス出力最大1125mW@320Ω。
Bluetooth 5.0送信(コーデックはLDAC/LHDC/aptX HD/aptX/SBC)/受信(LDAC/SBC)対応。デュアルバンドWi-Fiに対応。
バッテリー容量は8350mAhで、最大18時間(シングルエンド時/バランス接続時は11時間)動作可能。
SHANLING M9 Plus レビューサイト


SHANLING M9 Plus 各種レビューなどから浮かび上がる特徴
SHANLING M9 Plusが国内で発売される前の試聴レビューなどを読み解くと、以下のような音質傾向のようです。
・ウォームなサウンド
「SHANLING M9 Plus」の音は、ウォームで情報量が多く、AKMのDACチップらしい音だとの意見があります。ただし、「Plus」になってAKM臭さが抑えられたとの声もあります。
・音の臨場感と生々しさ
中高域に臨場感や生々しさがあり、耳にダイレクトに届く感じが素晴らしいという評価があります。
下位モデルとは隔絶した実力があるとの声もあります。
国内発売後はさらに、実機を入手したユーザーによる長時間じっくり使用したあとのレビューとなるので、より本機の特徴を深くとらえたレビューが増えているようです。
音の生々しさと温かみに特徴のあるDAP最高レベルの音質?
購入者によると、上記の特徴に加えて、力感や低域の押し出しの良さが格別に目立つようです。なかなかDAPでは単体ポタアンや、据え置き機には及ばない項目とも言われるところだけに、これらの要素がDAP離れして良いということは、まさにDAPの限界を打ち破るような名機となっているのかもしれません。幅広いイヤホンやヘッドホンに対する駆動力の高さによる、接続機器を選ばないヘッドホンアンプの実力の高さも出色のようです。
なお、海外のDAP評価サイト「Headfonics」での音質評価は極めて高く、9.5となっています。現行機ではこの上にはiBasso DX320 MAX Ti(国内価格約46万円)が9.6であるのみです。
音質評価面では音の生々しさと温かみに特徴のある、しかし、現代最高峰のDAPとしての情報量、レンジ感、SN感も確保しつつ、力感、低域の押し出し、アンプの力などもDAP離れした、最新最高峰のDAPのひとつとして、高度なポータブルオーディオ愛好家に薦められる逸品となっているようです。ネックは価格でしょうが、ここまでくると価格はあまり関係ないというユーザーに向けての製品でもありましょう。
比較対象機はSONY NW-WM1ZM2あたり
本機の価格的な競合機は「SONY NW-WM1ZM2」(実売36万円程度)。実際に「NW-WM1ZM2」と比較しているユーザーがいました。それらのレビューによると、絶対的な音質の実力では「M9 Plus」が「NW-WM1ZM2」に勝るものの、UIをはじめとする全体的な使いやすさ、ソフトや機能面の洗練、動作の安定性や接続機器との互換性など、音質以外の工業製品としての安定度や信頼性は悉くソニーの後塵を拝するようです。しかし、それを考慮しても余りある音質面での差があるということのようです。
とは言っても、本機の音質傾向が好みかという問題も出てくるので、音質のみ追求する予算40万円ある方でも本機に決まり、ともならないでしょう。やはり聴きなれた曲での比較試聴はしたいところです。
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