Astell&Kern AK HC2 レビュー・評価情報

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ドングル型USB-DAC・Astell&Kern AK HC2 定価29,980円

ドングル型USB-DAC・Astell&Kern AK HC2は2022年6月に29,980円で発売。本機の内容の紹介と、レビュー・音質の分析や考察をお届け。

・USBメモリサイズの本体と本体直出しのケーブルから構成

Astell&Kern AK HC2は、USBメモリのようなサイズの本体(22.8×60×12.1mm)と、本体から直接伸びるケーブル・プラグ部分で構成されています。本体はアルミニウム製で、重量は約29gと軽量です。

このサイズと重量は、スマートフォンやタブレットなどのポータブルデバイスに接続する際に、邪魔にならないように配慮されています。また、ケーブルが着脱式ではないため、接続部分の接触不良や断線のリスクを軽減しています。

・付属のUSB-C to Lightningの変換アダプタでiPhoneにも対応

Astell&Kern AK HC2は、USB Type-C端子を搭載しています。そのため、Androidスマートフォンやタブレット、パソコンなどのUSB Type-Cポートに接続して使用できます。

また、付属のUSB-C to Lightning変換アダプタを使用することで、iPhoneにも対応しています。iPhoneでハイレゾ音源を再生したいユーザーにとっては、嬉しい仕様と言えるでしょう。

・DACチップは、Cirrus Logic製「CS43198」をデュアルDAC構成で搭載

AK HC2は、Cirrus Logic製「CS43198」をデュアルDAC構成で搭載しています。CS43198は、高性能DACチップとして定評があり、優れた音質を実現します。

デュアルDAC構成により、より高いS/N比と低歪みを実現しています。また、音場の広さや定位感の向上にも貢献しています。

・最大PCM 384KHz/32bit、DSD256(DSD 11.2MHz)までのネイティブ再生に対応

AK HC2は、最大PCM 384KHz/32bit、DSD256(DSD 11.2MHz)までのネイティブ再生に対応しています。このため、音質劣化を最小限に抑え、ハイレゾ音源の本来のサウンドを忠実に再現することができます。

・ヘッドホン出力は4.4mmバランスのみという潔い設計

AK HC2のヘッドホン出力は、4.4mmバランスのみとなっています。4.4mmバランス出力は、2つの信号を別々に出力することで、より高いS/N比と低歪みを実現する方式です。

そのため、ヘッドホンやイヤホンの性能を最大限に引き出すことができます。また、ノイズの影響を受けにくく、よりクリアな音質を楽しむことができます。ただし、使用するイヤホン・ヘッドホンも基本的に4.4mmバランス接続対応モデルとなります(市販の変換プラグを使えば2.5mmバランスや3.5mmステレオミニ接続も可能)。

・ヘッドホン出力は4Vrms高出力

AK HC2は、ヘッドホン出力に4Vrmsの高出力を実現しています。これにより、インピーダンスの高い、あるいは低能率なヘッドホンやイヤホンでも、音量を十分に確保して、迫力のあるサウンドを楽しむことができます。

・Astell&Kernのデジタルオーディオプレーヤーに使用される電源や回路技術を投入

AK HC2は、Astell&Kernのデジタルオーディオプレーヤーに使用される電源や回路技術を投入しています。これにより、ノイズを徹底的に排除し、クリアで透明感のあるサウンドを実現しています。

具体的には、以下の技術が採用されています。

テーラード超小型タンタルコンデンサー:低ノイズと高い耐久性を実現
デュアル独立水晶発振器:高精度なクロックを生成し、音質の安定性を向上
3個の独立した電源チップ:各ICに最適な電源を供給し、音質を向上

・アルミニウム製で高級感とAstell&Kernらしい幾何学的なデザイン

AK HC2は、アルミニウム製の筐体を採用しています。高級感のある質感と、Astell&Kernらしい幾何学的なデザインが特徴です。

・Android OS向けアプリ「AK HC」も用意

AK HC2には、Android OS向けアプリ「AK HC」が用意されています。このアプリを使用することでボリューム調整を簡単に行うことができます。

・Roonテスト済みデバイス

AK HC2はRoonチームによる「Roonテスト済みデバイス」です。

USB-DACが「Roonテスト済みデバイス」であることによってできることやメリットは、主に以下の2つです。

Roonのすべての機能を使用できる

Roonは、音楽ライブラリの管理や再生、ストリーミングなど、さまざまな機能を提供する音楽再生ソフトウェアです。Roonテスト済みデバイスは、Roonのすべての機能を使用できるため、より快適に音楽を楽しむことができます。

具体的には、以下の機能が使用できます。

音楽ライブラリの管理:アルバム、アーティスト、曲などの情報を表示したり、再生リストを作成したりできる
音楽の再生:PC内やホームネットワーク上のハイレゾ音源を含むさまざまな音源を再生できる
ストリーミング:Spotify、TIDAL、Qobuzなどのストリーミングサービスから音楽を再生できる
音質調整:EQやゲインなどの音質調整をできる

Roonのサポートを受けられる

Roonテスト済みデバイスは、Roonのサポート対象デバイスです。そのため、Roonの使用中に問題が発生した場合、Roonのサポートチームに問い合わせて解決することができます。

Roonのサポートは、日本語を含む20以上の言語に対応しており、メールやチャット、電話で受けることができます。

Roonテスト済みデバイスになるためには、Roonの開発チームによるテストに合格する必要があります。テストでは、Roonのすべての機能が正常に動作するか、音質に問題がないかなどがチェックされます。

Roonテスト済みデバイスは、Roonをより快適に、安心して使用するための重要な要素と言えます。

Roonは基本的にPCでハイレゾ再生をネットワークオーディオやストリーミングで楽しむためのシステムです。AK HC2が「Roonテスト済みデバイス」であるということは、PC用のUSB-DACとしても適していることを示しています。

AK HC2 レビューサイト

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Astell&Kern AK HC2 IRV-AK-HC2 レビュー評価・評判
■最安価格(税込):25,872円 ■価格.com売れ筋ランキング:159位 ■満足度レビュー:4.09(8人) ■クチコミ:43件 (※11月23日時点)
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Astell&Kern AK HC2 各種レビューなどから読み取れる傾向

Astell&Kern AK HC2は、ドングル型USB-DACとして、音質や使い勝手、デザインなど、さまざまな面で高い評価を得ています。

音質とコスパ

Astell&Kern AK HC2は、解像度や音場の広さ、低音の迫力などが高く評価されています。また、バランス接続に対応していることで、より高音質なサウンドを楽しむことができるとされています。

AK HC2はAKのDAP「A&norma SR25 MKII」(99,980円)は搭載DACがAK HC2と同じCirrus Logicの「CS43198」で、それをL/R独立のデュアルDAC構成にしているのも同じ。さらに、4.4mmのバランス出力端子を備えて、バランス接続時のアウトプットレベルが4.0Vrms(負荷無し)というのも同じ。実際に、再生音質の傾向やレベルも「SR25 MKII」に肉薄していると評価されています。

「SR25 MKII」でなくとも、10万円近く程度のDAP並みの音質・駆動力を備えているという評価も見られ、定価ベースでみても相当コスパが高いと言えそうです。

ドングルDACとしては異例の駆動力がメリットであるので、ハイインピーダンスのヘッドホンや低能率のイヤホンとの相性がいいようです。逆に高能率タイプの機器ではホワイトノイズが聴こえる場合もあるようです。

使い勝手

Astell&Kern AK HC2は、USB Type-C端子を搭載しており、スマートフォンやタブレット、パソコンなどのUSB Type-Cポートに接続して使用できます。また、付属のUSB-C to Lightning変換アダプタを使用することで、iPhoneにも対応しています。Lightning接続に機器の追加購入なしに対応している点も評価されています。

接続した機器のOS(AndroidやiOSなど)で利用できる機能をそのまま活用できるので、その点では使い勝手がいいと言えるでしょう。

レビューでは、コンパクトなサイズで持ち運びに便利なこと、アプリ「AK HC」でボリューム設定を簡単にできることなどが高く評価されています。

デザイン

Astell&Kern AK HC2は、アルミニウム製の筐体を採用しており、高級感のある質感と、Astell&Kernらしい幾何学的なデザインが特徴です。

レビューでは、高級感のあるデザインで、デスクやカバンの中で映えるという意見が多く寄せられています。

Astell&Kern AK HC2の欠点は?

Astell&Kern AK HC2の欠点は、以下のようなものが挙げられます。

ヘッドホン出力は4.4mmバランス端子のみで、一般的な3.5mm接続機器がそのままでは使えず(変換プラグを使えば可能)、汎用性が低い。また、バランス接続を良く知らないような初心者には対応イヤホンの用意など、導入の敷居が高いのもマイナスです。

接点の増加による音質劣化を防ぐためというケーブル直出し設計も不評です。モバイル環境では本体とケーブル接合部分の劣化や断線が気になるという声があり、不安視されています。最近のドングル型DACの主流はケーブル直出しではなく、ケーブル着脱式が多いだけに。なお、本機の後継機・AK HC4(2023年12月に約4万円で発売)はケーブル着脱式に変更になっています。

駆動力の高さと引き換えに、接続元で電源供給元にもなるスマホなどのバッテリー減りが早いという指摘もあります。音質と引き換えにバッテリー持ちは目を瞑るくらいの気持ちは必要かもしれません。

Astell&Kern AK HC2 おすすめのユーザーや使い方

Astell&Kern AK HC2は、以下のユーザーにおすすめです。

スマホやタブレット、PCの高音質化を図る

スマートフォンやタブレット、パソコンなどのUSB Type-Cポートを搭載したデバイスで、より高音質な音楽を楽しみたい方。付属のUSB-C to Lightning変換アダプタを使用することで、iPhoneにも対応しています。iPhoneユーザーにもおすすめです。

4.4mmバランス接続に対応したヘッドホンやイヤホンを使用したい方

また、4.4mmバランス接続に対応したヘッドホンやイヤホンを使用することで、高音質なサウンドを楽しむことができます。

Astell&KernのDAPのエッセンスを手軽に楽しみたい方

Astell&KernのDAPは音質に定評があります。しかし、安くても10万円前後します。本機は99,980円の「A&norma SR25 MKII」に肉薄する内容・音質を備えているので、Astell&KernのDAPを10万円出しては買えないけれど、Astell&KernのDAPの音質傾向や雰囲気を手軽に味わってみたい方にも適しています。

「A&norma SR25 MKII」はAndroid OSではないので、スマホと接続すればAndroidやiOSの機能・操作性をそのまま利用できる本機のほうがむしろ機能性では勝っていると言えます。

2023年秋からなんと1万円と激安。この安さなら買いでしょう。

AK HC2は発売後には2.5万円程度の実売価格に落ち着いていました。それでも10万円前後のDAPと張り合える音質からコスパが高いと言われていました。

それが、2023年の秋ごろから、なんと一気に1万円程度で安売りされるようになり、それまで本機に興味の薄かったポータブルオーディオ愛好家も次々と本機を購入しているようです。1万円なら欠点も気にならず、音質の良さだけが浮き上がるというような高評価が多くなっています。

後継機のAK HC4発売前の在庫処分と思われます。しばらくすると在庫がなくなり、安く買うことも難しくなるでしょう。本機に興味を持った方はお早目に購入するのがいいでしょう。

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