audio-technicaの開放型ヘッドホン新モデル・ATH-R70xaが海外発表
audio-technicaの開放型ヘッドホン新モデル・ATH-R70xaが2025年1月下旬に海外発表されました。海外価格は349ユーロ(日本円で約57,200円)。日本での発売日や価格は未定ですが、国内公式サイトで1月下旬以降に発表今後発表するとしています。ATH-R70xaと従来機・ATH-R70xを比較しての違いを海外発表から推測・解説します。
追記:国内正式発表されました
2月6日に国内発表されました。2月14日発売で直販価格が54,450円とのことです。海外価格ほどの値段ではなかったものの、やはりATH-R70xからはそれなりに上がるようです。
ATH-R70xおよびATH-R70xaの基本概要
いずれもプロ用オープン型ヘッドホンのリファレンスモデルという位置づけ
audio-technicaの開放型ヘッドホンであるATH-R70xおよびATH-R70xaは、いずれもプロフェッショナル用途を意識したモニター用ヘッドホンのリファレンスモデルとして位置づけられています。
これらのモデルは、特にスタジオ環境や音楽制作などの専門的な場面で、正確な音質再生を求めるユーザー向けに設計されています。オープン型(開放型)のデザインを採用していることで、自然で広がりのあるサウンドを提供し、音響のバランスチェックやミキシング作業に最適とされています。
ATH-R70xの特徴と市場での高い評価
2015年に発売されたATH-R70xは、audio-technica初のプロフェッショナル向けオープン型ヘッドホンとして登場しました。高い再現性と音響バランスを誇り、特に低音から高音までナチュラルなサウンドが評価され、音楽制作やリスニング用途で多くの支持を集めています。
また、装着感にも配慮されており、「新3D方式ウイングサポート」による快適なフィット感が特徴とされています。そのほか、210gの軽量設計と高インピーダンス(470Ω)が音質の正確さを重視した設計になっています。市場ではその性能の高さに対して、比較的手ごろな価格(セール時に3万円台半ば前後)が大きな評価ポイントの一つとなっています。

ATH-R70xaの初期発表内容と注目ポイント
ATH-R70xaは、ATH-R70xの後継機として2025年1月にまず海外で発表されました。海外価格は349ユーロ(日本円で約57,200円)。


「トゥルーオープンエアー(真の開放型)オーディオ」を具現化すると謳っており、その主な特徴として、プロフェッショナルの新たなニーズに応えるべく改良されたサウンド精度とディテールの向上が挙げられます。特にATH-R70xの自然な音響特性を引き継ぎつつ、さらなる音の解像度や分離感の洗練が期待されています。
大口径のφ45mmドライバーを搭載している点や、軽量化された本体設計、最適化されたヘッドバンド構造も大きな注目ポイントです。
また、国内の東京町田工場で手作りされている点も、「メイド・イン・ジャパン」としての品質に対する期待を高めています。
両モデルの開発背景に見るコンセプトの変遷
ATH-R70xとATH-R70xaは、いずれもaudio-technicaがプロフェッショナル用途における音響モニタリングの課題を解決するために設計されました。
ATH-R70xは「正確なサウンド再生」と「長時間の快適な装着感」を追求したモデルですが、ATH-R70xaではこれらに加え、さらに現代の音楽制作やプロ現場で求められる精密性を満たすべく、設計が進化しています。
特にヘッドバンドの構造や本体の軽量化など、ユーザビリティの向上が図られている点からも、時代のニーズに応えた開発コンセプトの変遷がうかがえます。このようにして、プロフェッショナルなリファレンスツールとしての価値がより高まることが見込まれます。
ATH-R70xaとATH-R70xを比較しての違いを海外発表から分析
ATH-R70xaはATH-R70xの強化バージョン(後継機)
audio-technicaの開放型ヘッドホン・ATH-R70xaは、従来機であるATH-R70xの強化バージョン、つまり後継機と位置づけられています。プロフェッショナル用途のリファレンスモデルとしての方向性は維持しつつ、さらに精度や利便性を向上させた設計が特徴です。
ATH-R70xaは自然でバランスの取れたサウンドを維持しながら、精度とディテールが洗練
ATH-R70xはそのバランスの取れた自然なサウンドで高評価を得ていましたが、ATH-R70xaはその特性を引き継ぎつつ、音の精度やディテールがより洗練されることを目指しているとしています。これにより、プロフェッショナルのモニタリング用途だけでなく、繊細なサウンド表現を求めるリスニング環境にもより対応できる可能性が示唆されています。
ATH-R70xaは大口径φ45mmドライバーを搭載していますが、ATH-R70xと異なるものかは不明
ATH-R70xaには引き続き大口径のφ45mmドライバーが採用されています。ただし、ドライバーそのものがATH-R70xから新設計のものへ変更されているかどうかについては、具体的な情報は明らかにされていません。この点は海外発表からも詳細が不明なため、さらなる確認が必要です。
ATH-R70xa の完全オープンバックサウンド
ATH-R70xでは、低周波数を効果的に表現するためにダンピングおよび音響設計を活用していました。
一方、ATH-R70xaではこうした設計に依存せず、完全オープンバック構造を採用し、ドライバーそのものの性能を活かした設計となっています。この変更により、音の透明性や解像度がさらに向上する可能性が期待されています。
ATH-R70xaの出力音圧レベル97dB/mWと、ATH-R70xの98dBから1dB下がった
ATH-R70xでは出力音圧レベルが98dB/mWという仕様でしたが、ATH-R70xaではこれが97dB/mWに変更されています。この1dBの違いは大きな影響を与えるものではありませんが、サウンドの全体設計における微妙なチューニングの違いとして注目されます。
そのほか470Ωのハイインピーダンスや、40kHzクリアの周波数帯域、耐入力などは同一スペック
出力音圧レベル以外の主なスペック、例えば470Ωのハイインピーダンス、40kHzという広い周波数帯域、そして高い耐入力性といった要素に関しては、ATH-R70xとATH-R70xaで大きな違いは見られません。この点では、高性能、高音質なものの、ヘッドホンアンプに性能を求めるようなプロフェッショナル環境に求められる仕様を継承している形となっています。
ATH-R70xaはATH-R70xの「新3D方式ウイングサポート」はやめて一般的なヘッドバンドに変更
ATH-R70xでは「新3D方式ウイングサポート」を採用していましたが、ATH-R70xaではこれを廃止し、一般的なヘッドバンド構造に変更されました。「新3D方式ウイングサポート」は頭の大きいユーザーにはうまくアジャストせず、一部で不評であった構造で、後継機ではこの点の改善が求められていただけに、待望の改善と言えそうです。
ユーザーの頭の形状や好みに左右されづらい設計となり、フィット感の改善が期待されます。
ATH-R70xaの本体重量は199gと、ATH-R70xの210gよりも軽量化
ATH-R70xaは本体重量が199gとなり、もともと軽量で評価の高かったATH-R70xよりもさらに11g軽量化されています。この軽量化により、長時間のモニタリングやリスニングの際の疲労軽減にも寄与すると期待されています。
本体両出しケーブルは引き続き着脱可能
ATH-R70xに採用されていた両出しケーブルの着脱可能な構造は、ATH-R70xaにも引き継がれています。この仕様によって、ケーブル交換やバランス接続などのカスタマイズの自由度が確保され、プロフェッショナルのニーズにも応えています。ATH-R70xに採用されていた3.5mmTRSと同様と思われますが、正式に発表されていないので、A2DC端子に変わっている可能性はあります。
ATH-R70xa は、東京町田の工場で手作りされていると謳う
興味深い点として、ATH-R70xaは東京町田の工場で手作業により製造されていることを明言しています。この点は「日本製」の品質にこだわるユーザーにとって大きな魅力となるでしょう。
国内での価格、発売日はまだ未定なもののATH-R70xよりも高額になると思われます
現時点ではATH-R70xaの国内価格や発売日は未定ですが、従来のATH-R70xよりも高額になる可能性が示唆されています。進化した技術や新構造、昨今の材料費高騰を考慮すると、価格上昇は自然な結果と考えられますが、それに対する消費者の反応も注目されます。
audio-technica ATH-R70xa 仕様
タイプ:オープン型
ドライバーの直径:45 mm
周波数応答:5〜40,000 Hz
最大入力:1,000 mW
感度:97dB/mW
重量:199 g
デザインと装着感の違いを分析
ヘッドバンドおよびイヤーパッドの改善要素
audio-technicaの開放型ヘッドホン・ATH-R70xaと従来機・ATH-R70xを比較して、デザイン面ではヘッドバンドに大きな変化があることが特徴的です。従来のATH-R70xでは「新3D方式ウイングサポート」を採用していましたが、ATH-R70xaではより一般的なヘッドバンド構造に変更されています。
この変更により、ユーザーの頭の形状やサイズに対してより幅広く対応できる仕様となったことが推測されます。
また、イヤーパッドに関しても装着感の向上が期待される新素材や内部設計の改良が施されている可能性があります。これにより、長時間の使用でもより快適で安定した装着感が実現しているのではないかと考えられます。
本体重量とフィット感の進化
ATH-R70xaは本体重量が199gと、従来のATH-R70xの210gから軽量化されています。ヘッドホンの設計において重量の軽減は、装着感や体感的な負荷の軽減に直接貢献します。
この約11gの差は一見すると小さいように思えますが、長時間使用するプロフェッショナル用途やリスニングセッションにおいては大きな影響を与える可能性があります。
また、軽量化と合わせてフィット感が改良されていることで、ユーザーにとってより自然な装着感がもたらされていると思われます。
ユーザーが求める快適性への対応
ATH-R70xaでは、従来モデルで評価されつつも一部のユーザーから指摘されていた「特定の頭の形状に合わない」という課題を解消するためのデザイン変更が行われています。一般的なヘッドバンドへの変更や本体重量の軽減が、幅広いユーザー層の快適性に対応するための施策として挙げられます。
また、プロフェッショナル用途での長時間使用を想定して、圧迫感や形状のクセを排除し、快適なユーザー体験を提供することを意図していると考えられます。
このように、ATH-R70xaは従来機・ATH-R70xと比較してデザインや装着感の面で進化を遂げており、ユーザーからのさらなる支持を得る可能性が高まっています。
音質の比較と搭載技術の分析
ドライバー構造の違いとその影響を推測
audio-technicaの開放型ヘッドホン・ATH-R70xaと従来機・ATH-R70xを比較しての違いを分析する際、注目すべきポイントの一つにドライバー構造があります。ATH-R70xは40年以上のヘッドホン設計のノウハウに基づき、ダンピングと音響設計を活用してバランスの取れたサウンドを提供していました。
一方、ATH-R70xaでは完全オープンバックの設計を採用し、ドライバーの性能のみに依存したサウンド生成が特徴とされています。この設計変更により、音の正確性と自然さの両立がさらに追求されていると推測できます。
周波数特性と音質の特徴の違いを推測
ATH-R70xからATH-R70xaへの進化を見る際、周波数特性は重要な比較ポイントです。両モデルとも40kHzのハイレゾ対応を保ちつつ、ATH-R70xaでは音質のディテールがさらに強化されると期待されています。
特にATH-R70xaの初期発表内容からは、精度や透明感の向上が謳われており、これが周波数特性の最適化や新しいドライバー技術の採用によるものと考えられます。
この調整は、スタジオでのプロユースだけでなく、リスナーがより広範な音域を楽しめることにもつながるでしょう。
音の解像度・分離感で見る進化を推測
解像度や分離感は、プロ用リファレンスヘッドホンにとって重要な評価基準です。ATH-R70xは長らく高い評価を受けてきましたが、ATH-R70xaではこれらの要素がさらに洗練されていると期待されています。
完全オープンバック設計やドライバー精度の強化が相まって、音の立体感や細部の再現性が向上している可能性があります。これにより、楽器やボーカルの音像がより明確になり、ミキシングやマスタリング作業においても、リスナーが音全体の空間とディテールを正確に把握できるようになるでしょう。
ATH-R70xaへの期待と不安
ユーザーの頭を選ばなくなるであろうことには期待の声が多い
ATH-R70xに搭載されていた「新3D方式ウイングサポート」はユニークな構造で、高い評価を得た一方、一部のユーザーには装着感が合わないとの声もありました。そのため、ATH-R70xaで一般的なヘッドバンドに変更されたことは、多くのユーザーに快適なフィット感を提供する可能性が高いと期待されています。この新たなデザインにより、より多くのユーザーにとって使いやすいモデルとなるでしょう。
リケーブルやバランス接続がより簡単になることへの期待
リケーブルやバランス接続に対応していることは、前モデルATH-R70xがプロフェッショナルやオーディオマニアから高い支持を得る重要なポイントでした。
ATH-R70xaでもこの機能が引き続き搭載され、着脱可能な本体両出しケーブルの仕様が維持されています。このため、好みのケーブルを自由に選べる柔軟性が維持されており、様々なオーディオ機器との接続・活用が期待されています。
できればATH-R70xでは用意されていなかった純正のバランス接続用ケーブルの登場も期待したいところです。
完成度の高いATH-R70xの音質が変わることへの期待と不安はネット上で入り混じる
ATH-R70xの自然でバランスの取れた音質は、多くのオーディオファンやプロフェッショナルに評価されてきました。
しかし、ATH-R70xaでは音質が「さらに精度とディテールを洗練されたものに」という方向性が示されており、この進化に期待する声がある一方で、完成度の高い音質が大きく変化することへの懸念も見受けられます。特に前モデルの音を愛するファンにとっては、その変化が良い方向に向かうかどうか注目されるポイントです。
ATH-R70xユーザーからするとATH-R70xaの価格への不安の声が聴かれる
ATH-R70xはその優れた性能や音質を考慮すると、リーズナブルな実売価格設定が大きな魅力の一つでした。とくにセール時の3万円台前半となると、この価格でこの音質は非常に価値が高いと言われてきました。
海外発表ではATH-R70xaが前モデルと比較してさらなる品質向上が期待される一方、価格も大きく上昇する可能性があり、この点に一部ユーザーからの不安の声が挙がっています。海外価格の349ユーロ(日本円で約57,200円)は、国内価格の大幅上昇への不安を掻き立てています。少しでも安い国内価格をお願いしたいところです。
特に、プロフェッショナル用途以外のオーディオファンにとって手ごろな価格帯を維持できるかが注目されます。
個人的な期待と不安
管理人の私も同社の開放型ヘッドホンを長年愛用しています。ゼンハイザーやソニーなどのヘッドホンもいろいろと持っていますが、同社の開放型上位機ならではの音質、再現性に惹かれ、使用することが多い状況です。個人的には3D方式ウイングサポートは使いやすかったのですが、そうではないというユーザーが多くいることも知っており、今回の変更はやむを得ないと思います。
音質面ではATH-R70xのフラットネスや自然な再現性、キレと豊かさのバランスなど、他では得難い美質があると思う一方、音像の再現性や弦楽の再現性などにもう少しの点があるように思われましたが、ATH-R70xaでさらに完成度が高くなっているのか、ATH-R70xのほうがバランスが良かったとなってしまうのか期待と不安が入り混じります。
ATH-R70xが3万円台半ばで買えるうちに確保したほうがいいのか、迷うところです(基本的に同系統のATH-ADの上位機を持っているので必要なのか疑問もありますが)。
ATH-R70xaの新たな可能性と総括
プロフェッショナル用途での評価ポイント
audio-technicaの開放型ヘッドホン・ATH-R70xaは、従来のATH-R70xと同様にプロフェッショナル用途を重視した設計が特徴的です。特に高精度で自然なサウンドの再現性が評価される点は、音楽制作やスタジオワークにおいて重要視されるポイントです。
そして、ATH-R70xよりさらに精度やディテールが向上していると予測されており、エンジニアやミュージシャンにとって信頼のおける新たな定番ツールとなる可能性を秘めています。
従来モデルからのアップグレードの価値
ATH-R70xaは、多くの点で従来機ATH-R70xから進化を遂げています。特に、より軽量化された本体設計や新しいヘッドバンドの採用は、長時間の使用を想定したユーザーにとって大きなメリットとなるでしょう。
また、ドライバー構造や音響設計に対する変更により、オープン型ヘッドホンとしての特性である自然なサウンドのさらなる向上が期待されています。そのため、ATH-R70xを愛用してきたユーザーにとっても十分に乗り換える価値がある改良点が見られると言えましょう。
市場動向と期待されるユーザー層
ATH-R70xaは、プロフェッショナルオーディオ市場をターゲットとしながらも、音楽制作やリスニングに熱心なヘッドホンユーザーにも強く訴求する製品となるでしょう。
ATH-R70xがその性能にしては手頃な価格で提供され、高いコストパフォーマンスを評価されたことを考慮すると、ATH-R70xaも一般コンシューマーも含めた市場での注目を浴びる可能性が高いです。
一方で、価格がATH-R70xに比べて上昇する可能性もあるため、プロ用途以外での普及には価格設定が重要なカギとなりそうです。さらに、audio-technicaの伝統的な高品質ヘッドホンとして、その性能とデザインが新たなファンを引き込むことが期待されています。
まとめ
audio-technicaの開放型ヘッドホン・ATH-R70xaと従来機・ATH-R70xを比較しての違いを海外発表から推測・解説しました。新モデルATH-R70xaは、ATH-R70xの自然でバランスの取れたサウンドを継承しながら、音質や装着感の進化を実現しています。特に大口径ドライバーや重量の軽量化といった仕様の改善、そしてヘッドバンド構造の変更など、細部にわたるアップグレードが施されており、プロフェッショナル用途のみならず幅広いリスナー層に応える製品となることが期待されます。
一方で、ATH-R70xの長年愛され続けてきた特性を維持しつつ新モデルでどのようなサウンドの変化を生むのか、そして価格の変動がどのようにユーザーに受け入れられるのかといった点には不安の声も聞かれます。
現時点では日本国内での価格・発売日は未定ですが、audio-technicaの開放型ヘッドホンの未来を切り開く重要な一歩となるモデルであることは間違いないと個人的には思います。ATH-R70xaの登場が市場にもたらす影響を今後も注視していきたいところです。

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