DENON PerL Pro(AH-C15PL)とPerL(AH-C10PL)を比較しての違いは?

完全ワイヤレスイヤホン

DENON PerL Pro(AH-C15PL)とPerL(AH-C10PL)

デノンは、完全ワイヤレスイヤホン2機種を2023年7月1日に発売。オープン価格で、発売当初の税込み実売価格は空間オーディオやSnapdragon Soundに対応する上位機「PerL Pro(AH-C15PL)」が57,200円前後、下位の「PerL(AH-C10PL)」が33,000円前後。

2024年7月に実売価格が下がり上位機「PerL Pro(AH-C15PL)」が33,000円前後、下位の「PerL(AH-C10PL)」が22,000円程度となっています。

いずれも医療技術を応用した測定技術でユーザーの聴こえ方を調べ、それを理想的なサウンドに補正するというパーソナライズ機能を備えているのが特徴です。

両モデルの特徴を両モデルに共通の部分と、違う部分を解説しながらご紹介。

両モデルに共通の特徴

サウンドパーソナライズ機能

両モデルとも、医療技術を応用したサウンドパーソナライズ機能(個人の聴覚に最適化した音質に自動調整する機能)を搭載した完全ワイヤレスイヤホンであることが特徴。

パーソナライズ機能として「Masimo AAT(Adaptive Acoustic Technology)」を搭載。医療機器を展開する企業「Masimo Corporation」の有する、新生児の難聴検査に用いられる医療技術を応用しています。

「Masimo Corporation」はデノンやマランツ、Bowers & Wilkinsといったオーディオブランドを展開している米Sound Unitedの親会社であること、また、このパーソナライズ機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホンを発売していた「Nura」ブランドを「Masimo Corporation」が買収したことも加わって、今回の製品がデノンブランドから出たものです。

音決めは同社のサウンドマスター・山内慎一氏

音決めは同社のサウンドマスター・山内慎一氏が行っており、「パーソナライズ機能とあわせ、デノンのVivid & Spaciousサウンドを狙った通りにお届けする」としています。

ドライバーは専用に開発されたという10mm径のダイナミックドライバーを搭載。

アクティブノイズキャンセリング機能

周囲の騒音を低減できる「アクティブノイズキャンセリング」機能や、外音取り込み機能「ソーシャルモード」も搭載。これらモードの設定は専用スマホアプリ「Denon Headphones」から行えます。

aptX、AAC、SBCコーデックに対応

両機種共通でaptX、AAC、SBCコーデックに対応

PerL Pro(AH-C15PL)のみの特徴

超低歪3レイヤー・チタニウム振動板

PerL Proのみ、超低歪3レイヤー・チタニウム振動板を採用。さらに、イヤホンの音声出力を6dB上げるハイゲインモードも用意。

Snapdragon Soundに対応

上位機のPerL Proのみ、クアルコムのSnapdragon Soundに対応。対応機器と連携し、CDクオリティのロスレスサウンドが楽しめるaptX Losslessと、不可逆圧縮ですが96kHz/24bitのハイレゾ伝送が可能なaptX Adaptive(96kHz/24bit)に対応。

5バンドのイコライザーも搭載

上位機のPerL Proのみ、5バンドのイコライザーも搭載しており、サウンドパーソナライズ機能自動調整されたサウンドに対して、さらに好み反映する微調整も可能。

aptX Voiceと低遅延に対応

PerL Proのみ、通話時のサンプリング周波数を一般的な16kHzから32kHzまで高めたaptX Voiceが使えるほか、48msの低遅延で動画やゲームも快適に楽しめるとしています。

アダプティブ・ノイズキャンセリング機能

PerL Proのみ、ハイブリッド・アクティブノイズキャンセリング機能はその効果の強度を、周囲の環境に合わせて自動調整してくれるアダプティブ・ノイズキャンセリング機能が使用可能。

空間オーディオ技術の「Dirac Virtuo」も搭載

PerL Proのみ、空間オーディオ技術の「Dirac Virtuo」も搭載。AVアンプなどでお馴染みのDiracが手掛けた空間オーディオ技術で、ソースが空間オーディオのファイルでなくても、変換して再生。

マルチポイントやワイヤレス充電にも対応

PerL Proのみ、2台のデバイスへ同時接続し、シームレスに切り替えられるマルチポイント接続に対応

PerL Proのみ、充電ケースはQiに対応し、ワイヤレス充電が可能。イヤホンの駆動時間は8時間、充電ケース分は24時間。

PerL(AH-C10PL)がPerL Pro(AH-C15PL)から省略されている内容

振動板の素材

10mmのダイナミックドライバーを備えているのは上位モデルと同じですが、振動板は超低歪3レイヤー・チタニウム振動板ではなく、低歪振動板となります。

アダプティブ・ノイズキャンセリング機能ほか

ハイブリッド・ノイズキャンセリング機能も備えていますが、周囲の環境に自動的に合わせるアダプティブ機能は非搭載空間オーディオ機能、マルチポイントも非対応で、充電ケースもワイヤレス充電には対応しません。

PerL(AH-C10PL)の再生時間はイヤホン単体が6時間、充電ケース分が18時間。

両機の違いの一覧

項目 PerL Pro PerL
ドライバー 超低歪3レイヤー・チタニウム振動板 低歪振動板
ハイゲインモード 搭載 非搭載
イコライザー 5バンド 非搭載
aptX Voice・低遅延 対応 非対応
アダプティブ・ノイズキャンセリング 搭載 非搭載
空間オーディオ Dirac Virtuo 搭載 非搭載
マルチポイント 対応 非搭載
ワイヤレス充電 対応 非搭載
価格 33,000円前後 22,000円程度

PerL Pro(AH-C15PL)がおすすめなユーザーや使い方

PerL Proは、高音質と機能性を重視するユーザーにおすすめです。特に、以下のような方におすすめです。

より高音質な音楽を楽しみたい方: 超低歪3レイヤー・チタニウム振動板やハイゲインモード、5バンドイコライザーなどにより、細部までこだわった音質を楽しめます。Bluetoothコーデックとしては、まだ対応機の少ないaptX Losslessに対応しているのが注目点です。aptX Lossless対応の高音質な完全ワイヤレスイヤホンを探している方にもおすすめです。空間オーディオ技術のDirac Virtuoもポイントです。

クリアな通話音質を求める方: aptX Voiceと低遅延に対応しているので、相手の声をクリアに聞き取ることができます。

周囲の騒音を気にせず音楽や通話に集中したい方: アダプティブ・ノイズキャンセリング機能により、より効果的に周囲の騒音を遮断できます。

複数のデバイスと接続したい方: マルチポイントに対応しているので、2台のデバイスと同時に接続できます。

ワイヤレス充電を使いたい方: ワイヤレス充電に対応しているので、充電ケーブルを挿す必要がありません。

PerL(AH-C10PL)がおすすめのユーザーや使い方

PerLは、コストパフォーマンス重視で、基本的な機能を備えたワイヤレスイヤホンを求めるユーザーにおすすめです。

クリアな音質で音楽を楽しみたい方: 低歪振動板搭載で、クリアで自然な音質を楽しめます。

アクティブノイズキャンセリング機能で周囲の騒音を遮断したい方: 周囲の騒音を効果的に遮断し、音楽や通話に集中できます。

基本的な機能があれば十分な方: 高度な機能は必要ないが、音質と機能性をバランスよく備えたイヤホンを求める方におすすめです。サウンドパーソナライズ機能とデノンのサウンドマスターによる音質設計は、他社のイヤホンにはない大きなメリットになるとは思います。

まとめ

PerL ProとPerLは、どちらも高音質と使いやすさを追求した完全ワイヤレスイヤホンですが、機能や性能、価格などに違いがあります。ご自身のニーズや予算に合わせて、最適なモデルを選ぶことをおすすめします。購入前に、試聴機があれば試聴してみるのも良いでしょう。

なお、PerL Proのほうが大幅に機能性が高く高音質で、上位だから良いのも当たり前ですが、発売1年程度経った2024年7月に一気に2万円程度も実売価格が下がり、約3.3万円で買えるようになりました。PerLも値下がっていますが、それでも約2.2万円。定価時の差よりもPerL Proのほうが割安になっています。そろそろ販売自体終了で、後継機の投入が近いのかもしれません。PerL ProとPerLどちらを欲しいにしても早めの購入をおすすめします。

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