FIIO BT11 LDAC / aptX Adaptive / aptX Lossless送信対応Bluetoothトランスミッター

ポータブルオーディオイベント「ポタフェス2024夏 秋葉原」において、LDAC/aptX Adaptive/aptX Lossless送信対応Bluetoothトランスミッター「BT11」を参考出展しました。

iPhone(USB-Cタイプ)やAndroidスマホをLDAC/aptX Adaptive/aptX Lossless送信対応にできるBluetoothトランスミッターであり、このようにハイスペックかつ汎用性の高いBluetoothトランスミッターはこれまでになく、大いに注目されます。本機の内容を現時点で分かっている情報から紹介します。

FIIO BT11とは?

FIIOのブランド概要

FIIOはオーディオ機器を専門に製造する中国のブランドで、2007年に設立されました。その製品ラインナップは、ハイレゾ音源対応のデジタルオーディオプレーヤー、ヘッドホンアンプ、DAC(デジタル-アナログコンバーター)など多岐にわたり、その品質と性能で高い評価を受けています。FIIOは、「音楽をもっと楽しむために」という理念のもと、音質の向上だけでなく、使いやすさやデザインにもこだわっています。

BT11の基本仕様

FIIO BT11は、これまで市場に存在していなかった、LDAC/aptX Adaptive/aptX Lossless送信対応Bluetoothトランスミッターとして多くのユーザーに注目されています。この製品は、主にモバイル環境での使用を想定しており、小型で軽量なドングル型のデザインが特徴です。USB-C接続を採用しており、iPhoneやAndroidスマートフォンに直接接続して、高品質なBluetoothオーディオを手軽に楽しむことができます。さらに、LE AudioのLC3コーデックや、既存のコーデック(aptX、aptX HD、aptX LL、SBC)にも対応しているため、幅広いデバイスでの使用が可能です。

FIIO BT11 主要な特徴と利点

FIIO BT11はその数々の特徴と利点から、多くのユーザーに注目されています。以下に、FIIO BT11の主な特徴とその利点をご紹介します。

小型のドングル型でモバイル環境で使いやすい

FIIO BT11はコンパクトなドングル型設計で、持ち運びやすさが非常に優れています。これにより、外出先でも手軽に利用でき、モバイル環境での使用が非常に便利です。アウトドアや旅行先での高品質な音楽体験を求める方に最適な選択です。

LDAC送信対応

FIIO BT11はLDAC対応(24bit/96kHz)のBluetoothトランスミッターであるため、ハイレゾ音源の伝送が可能です。音楽を高音質で楽しみたいユーザーにとって、LDAC対応は非常に重要な要素であり、これによりワイヤレス音楽再生のクオリティが大幅に向上します。

aptX Adaptive送信対応

aptX Adaptive(24bit/48kHzないし96kHz)にも対応しているため、FIIO BT11はさまざまな環境下でも安定した接続を提供します。高音質と低遅延を両立させたこのコーデックにより、動画やゲームでも音ズレのない快適な体験が可能です。

aptX Lossless送信対応

さらに、FIIO BT11は最新コーデックであるaptX Lossless(16bit/44.1KHzロスレス)にも対応しており、CD品位での圧縮の無い音質を実現しています。これにより、音楽の質感をしっかりと捉え、CDレベルの音源であれば元データを損なわずに楽しめます。

USBドングル型BluetoothトランスミッターとしてaptX Lossless送信に対応するのはFIIO BT11が初めてであり、大きな注目点です。

LE AudioのLC3対応

次世代のワイヤレスオーディオ技術であるLE AudioのLC3にも対応しているため、FIIO BT11は省電力かつ高音質な音楽再生を実現しています。これにより、バッテリー持ちが長く、快適に使用することができます。

aptX、aptX HD、aptX LL、SBCもサポート

多様な既存コーデックに対応していることもFIIO BT11の大きな特徴です。aptX、aptX HD、aptX LL、SBCといったコーデックをサポートしており、さまざまなデバイスや用途に対応します。これにより、幅広いシチュエーションでベストな音質を提供することができます。

iPhone(USB-Cタイプ)やAndroidスマホなどをLDAC/aptX Adaptive/aptX Lossless送信対応にできる

FIIO BT11は、USB-CタイプのiPhoneやAndroidスマホに接続することで、これらのデバイスをLDAC/aptX Adaptive/aptX Lossless送信対応にすることができます。これにより、通常のBluetooth接続よりも高品質なワイヤレス音楽体験が可能となります。

iPhone(USB-Cタイプ)ではSBCとAACしか送信できず、iPhoneからaptX Adaptive送信するにはクリエイティブの「BT-W4」か「BT-W5」といった限られたUSBドングル型トランスミッターを使う必要がありました。

また、iPhone(USB-Cタイプ)でLDAC送信をするには、LDAC送信対応の小型トランスミッターはないため、LDAC送信対応の小型DAPであるShanling M0 ProをiPhoneとUSB接続して使うという、非常にイレギュラーな方法でした。

一方、幅広い送信コーデックが利用できるAndroidにおいても、aptX Lossless送信対応機はクアルコムのSnapdragon 8gen1以降のSoC搭載機という制約があり、まだまだ使用可能なユーザーは少ない状況です。

これらのiPhoneとAndroidでのメリットのうち片方だけでも大きなものであり、iPhone、Androidユーザーのそれぞれから熱視線を浴びるような機器が登場したと言えるでしょう。

加えて、PCからもLDAC/aptX Adaptive/aptX Lossless送信対応できるようになるのももちろん見逃せません。

LDACとaptX系の片方しか対応しないといった不便さがないのもポイントが非常に高いです。

音質とパフォーマンスのメリット

高品質な音質体験

FIIO BT11は、LDAC、aptX Adaptive、aptX Losslessなどの最新の高品質コーデックに対応しているため、音楽のディテールを余すところなく再生できます。これらのコーデックは、高解像度音源をほぼ無損失で伝送することができるため、特に音質にこだわるリスナーにとって大きな魅力です。

遅延の少ない接続

FIIO BT11は、低遅延コーデックであるaptX Adaptiveにも対応しており、特に動画視聴やゲームプレイの際にその効果を発揮します。このコーデックは、伝送環境に応じて自動的に最適なビットレートを選択するため、常に安定した接続が確保され、音声と映像のズレが最小限に抑えられます。また、aptX LL(Low Latency)にも対応しているため、音声と映像の同期が非常に重要なシーンでも優れたパフォーマンスを発揮します。これによって、どのような用途でも快適に使用できることが魅力です。

競合製品との比較

他社製品との違いは圧倒的な対応コーデックの幅

FIIO BT11は、他社製品と比較してもその圧倒的な対応コーデックの幅が特徴です。多くのドングル型Bluetoothトランスミッターは、SBCやAACといった基本的なコーデックにしか対応していません。ハイレゾコーデックに対応していてもLDACかaptX Adaptiveのどちらか一方というのが普通です。aptX Losslessについては送信対応しているドングル型Bluetoothトランスミッターはまだありません。

しかし、FIIO BT11はこれに加えて、LDAC、aptX Adaptive、aptX Lossless、LE AudioのLC3など、最新の高品質コーデックにも軒並み対応しています。このため、FIIO BT11は高解像度の音質を楽しみたい音楽ファンにとって非常に魅力的な選択肢となります。

価格対性能比も高そう

さらに、FIIO BT11は価格対性能比でも優れた製品です。多くの高性能なBluetoothトランスミッターは高価である一方、FIIO BT11は比較的手ごろな価格が予告されており、それでいながらさまざまな先進的な機能を搭載しています。そのため、FIIO BT11はコストパフォーマンスに優れ、音質にこだわりたいけれども高額な製品は避けたいというユーザーにも最適です。LDAC、aptX Adaptive、aptX Lossless送信対応BluetoothトランスミッターとしてのFIIO BT11の魅力は、この価格対性能比の高さにも表れています。

Lightning版は発売されないとFIIOは明言

FIIOは、LDAC/aptX Adaptive/aptX Lossless送信対応BluetoothトランスミッターであるFIIO BT11について、Lightning版の発売は予定していないと明言しています。これにより、iPhoneユーザーの中には、USB-Cタイプを活用する必要があるかもしれません。Lightningコネクタを持つiPhoneユーザーにとっては、この点がデメリットと感じる場合がありますが、FIIO BT11のその他の機能やパフォーマンスが非常に高いため、大きな問題にはならないでしょう。

まとめ

FIIO BT11の総評

FIIO BT11は、LDACやaptX Adaptive、aptX Losslessといった高品質なコーデックに対応したBluetoothトランスミッターです。モバイル環境でも使いやすい小型のドングル型設計が特徴で、音質とパフォーマンスにも優れています。LE AudioのLC3にも対応しており、最新のBluetooth技術を駆使しています。また、iPhoneやAndroidスマホを高音質なBluetooth送信対応にすることができるのも魅力です。全体的に見て、FIIO BT11は幅広いコーデックに対応し、価格対性能比も高い製品と言えるでしょう。

おすすめのユーザータイプ

FIIO BT11は、高音質な音楽をワイヤレスで楽しみたいポータブルオーディオファンや、モバイル環境での使用を重視する方に幅広くおすすめです。とくに、標準状態では利用できないコーデックもあるiPhoneやAndroidスマホでLDACやaptX Adaptive、aptX Losslessといった最新・ハイスペックのコーデックを利用したい方にも最適です。

遅延が少ない接続が求められるゲーマーや、高品位なワイヤレスポータブルオーディオ環境を整えたい方にもフィットするでしょう。FIIO BT11は、その多機能性と高音質を求めるあらゆるユーザーにとって価値のある選択肢となるでしょう。

追記:8/18に中国で発売 299元(約6,300円程度)

8/18に中国で発売されました。価格は299元(約6,300円程度)。日本でも近いうちに発表されるでしょう。価格は1万円は切るでしょうが、1万円近くにはなってしまうでしょうか。

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