FIIO K11 R2Rが「ポタフェス2024夏 秋葉原」で試聴機展示

オーディオ

秋葉原にてポータブルオーディオイベント「ポタフェス2024夏 秋葉原」が開催。

FIIOはDAC複合機「K11」(実売価格約2.4万円)のDACチップ「CS43198」を、自社開発のディスクリート型24bit R2R DACに置き換えた「K11 R2R」を国内初公開。発売は今夏で、国内価格は未定。中国の公式ストアでは1,099人民元(約24,000円)で発売しています。

「K11 R2R」は「K11」のDACチップ「CS43198」をR2R DACに変更したほか、「K11」に搭載されていたデジタルフィルターの切り替え機能が無くなった一方、新たにノン・オーバーサンプリング/オーバーサンプリングの2種類のサンプリングモード切り替えができるようになっています。

FIIO K11 R2Rとは?

製品概要

FIIO K11 R2Rは、オーディオを愛する方々に向けた最新のデジタルオーディオコンバーター(DAC)兼ヘッドホンアンプです。寸法: 147x133x32.3mmのコンパクトサイズ。

この製品は、ヘッドホンアンプとしても非常に高性能で、最大出力1400mWのパワフルなサウンドを実現します。フロント部分に液晶ディスプレイと操作ノブを配置したデザインで、直感的な操作が可能です。また、多彩な入出力端子を備えており、3段階のゲインコントロール機能も搭載しているため、IEMから大型ヘッドホンまで幅広く対応します。

FIIO K11のDACチップを自社開発のディスクリート型24bit R2R DACに置き換えたことが最大のポイント

FIIO K11 R2Rを解説し、メリットや魅力に迫る中で、特筆すべきポイントは、FIIOが自社開発したディスクリート型24bit R2R DACを搭載している点です。FIIO K11のもともとのチップ「CS43198」は384kHz/32bitおよびDSD256の再生に対応しており、その高性能さは折り紙付きですが、今回新たに採用したR2R DACは、音質的にさらなる進化を遂げています。

ディスクリート型24bit R2R DACは、PCM信号のより正確なDA変換が可能で、その結果、よりリアルで質感の高い音を提供します。この技術により、FIIO K11 R2Rは、従来のFIIO K11よりもさらに高い音質を実現し、多くのオーディオファンにとって魅力的な選択肢となるでしょう。

R2R型DACの特徴とメリット・デメリット

PCM信号の、より正確なDA変換

R2R型DACは、PCM信号をシンプルかつ正確にDA変換することが特徴です。デジタル信号をアナログ信号に変える際、音の階調や音質の精度が高くなるため、豊かな音楽表現が可能となります。FIIO K11 R2Rを解説し、そのメリットや魅力に迫ると、この正確なDA変換が高音質の鍵となっていることが分かります。

CD時代には一般的に使われていた方式

R2R型DACは、マルチビット型DACとも呼ばれ、かつてのCDプレーヤーなどで一般的に使われていた方式です。1980~90年代には多くのオーディオ機器に採用され、その正確な音質再現能力が高く評価されていました。しかし、技術の進化とともに、よりコンパクトで効率の良いデルタシグマ型が主流となり、現在のオーディオ機器ではあまり見かけなくなりました。

ハイレゾPCMやDSDへの対応が難しく廃れた

R2R型DACは高精度なDA変換が魅力ですが、ハイレゾPCMやDSDなど高解像度のオーディオフォーマットには対応が難しいというデメリットがあります。このため、ハイレゾ音源の普及とともにR2R型DACが廃れていったという背景があります。汎用のR2Rチップでハイレゾに本格的に対応したのはバーブラウンのPCM1704で、24bit/96kHz対応まででした。しかもこのチップの開発は1998年です。

現行の汎用DACチップにも対応製品はなく、搭載するには自社開発が必要

現行のオーディオ機器の多くは、汎用DACチップを使用していますが、R2R型DA変換に対応する汎用チップの現行品は存在しません。そのため、FIIO K11 R2RのようにR2R型DACを搭載する製品は、DACチップや回路の自社開発が必要となり、製品化には大変な技術力とコストがかかるのです。

各種物理特性も今日一般的な他の方式より劣る

R2R型DACは、高精度なDA変換が可能な反面、信号対雑音比(SN比)、歪み率、ダイナミックレンジ、サンプリングレートのサポートなど各種物理特性においては、今日一般的な他の方式より劣る面もあります。また、回路規模が大きくなりやすく、ノイズ対策や電力効率の面で課題が多く、これがR2R型DACが現在一般に普及しにくい理由の一つとなっています。

しかし、PCM系音源の再生音質は他の方式より優れるという意見も多い

それでもなお、PCM系音源の再生においては、今なおR2R型DACが他の方式より優れるという意見が多くあります。特に、中高音域の実在感や力感の高い低音表現において、R2R型DACの優位性を感じ取ることができます。

「ポタフェス2024夏 秋葉原」でのFIIO K11 R2R試聴機への感想の傾向

「ポタフェス2024夏 秋葉原」でのFIIO K11 R2Rの試聴機は、多くのオーディオファンに好評を博しました。やはり、その最大の特徴である自社開発のディスクリート型24bit R2R DACが注目されました。この技術によって、音質のリアル感が一層際立ち、多くの参加者がその質感の高さと感じ取ったようです。

試聴者からは「低音の質が非常に高い」という意見が聞かれました。これは、R2R DACに加え、フルバランス設計のヘッドホンアンプ回路部のおかげで、最大1400mWの出力を実現しているためもあるでしょう。この高い出力もあり、さまざまなヘッドホンなどでの再生に対応でき、その音質の実在感に感嘆の声が上がっていました。

また、多彩な入出力を備えることで、オーディオシステムの中心に据えることができる点も高く評価されました。そして、スマートな液晶ディスプレイとノブを使った直感的な操作性も試聴者の心をつかみました。

一方で、「滑らかさや繊細さは他の方式に譲る部分もある」という意見もありましたが、それでもFIIO K11 R2Rのユニークな音質特性と高音質に対する評価は非常に高かったと言えます。ポタフェス2024夏では、特にPCM系音源の再生品質について、多くの試聴者が他の方式を凌ぐと感じたようです。

また、ノン・オーバーサンプリング/オーバーサンプリングの違いでも音質傾向は変わるようなので、この切り替えによって、より好みの傾向で楽しめるのもポイントでしょう。

今回の試聴機投入により、FIIO K11 R2Rは、特にそのリアルで実在感の高い音質によって、多くのファンを獲得することができました。今後の市場でも、その評価はさらに高まることでしょう。

FIIO K11 R2R メリットと魅力

現在では珍しいR2R型DACによる高音質

FIIO K11 R2Rは、現在では珍しいR2R型DAC(ディスクリート型24bit R2R DAC)を採用しています。R2R型DACは、その原理と特性により精密で自然な音質を提供します。特にPCM系音源の再生時には、その正確なDA変換によって鮮明でリアルな音質を実現します。このため、オーディオ愛好家の間でも評価が高いものです。

高音質と多機能でありながら手頃な価格

FIIO K11 R2Rは、384kHz/32bitおよびDSD256の再生に対応しています。さらにフルバランス設計のヘッドホンアンプ回路部により、最大1400mWの出力を実現しています。これだけの高音質と多機能を備えながら、本国での価格は約2.4万円と非常に手頃です(国内価格はこれよりも数千円は高くなるでしょう)。これにより、広範囲のユーザーが手軽に高品質な音楽体験を楽しむことができます。

多様な接続オプション

FIIO K11 R2Rは、USB入力、バランスヘッドホン出力はじめ、RCA同軸端子、光端子を含むデジタル入力に対応。アナログライン出力も備えるなど多彩な入出力を備えており、オーディオシステムの中心として利用することができます。例えば、PCやデジタルデバイスとの接続はもちろん、既存のオーディオシステムとの統合も非常に簡単です。さらに、フロントに液晶ディスプレイとノブを採用しているため、本体機能の直感的な操作が可能です。このように、多様な接続オプションが用意されていることで、幅広い再生環境に対応できます。

バランス接続の利点

FIIO K11 R2Rはフルバランス設計を採用しており、これによりノイズの低減と信号の劣化を最小限に抑えた高音質を提供します。特にバランス接続の利点は、電力の効率的な供給とより高い出力を可能にする点にあります。多くのイヤホン・ヘッドホンに対応すべく3段階のゲインコントロールも備えており、IEMからヘッドホンまで様々なオーディオ機器に最適な出力を提供します。

設置と使用方法

PCおよびデジタルデバイスとの接続

FIIO K11 R2Rは、多様な入出力オプションを備えており、PCやデジタルデバイスと簡単に接続できます。具体的には、USBケーブルを使用してPCに直接接続することで、USB DACとして動作します。この接続により、384kHz/32bitおよびDSD256の高音質再生が可能です。さらに、フロントの液晶ディスプレイとノブを用いた直感的な操作で、音量やゲインの調整も容易です。ゲインコントロールは3段階あり、IEMからヘッドホンまで様々なオーディオ機器に対応可能です。

既存のオーディオシステムとの統合

FIIO K11 R2Rは、既存のオーディオシステムと簡単に統合することができます。フルバランス設計のヘッドホンアンプ回路部は最大1400mWの出力を実現しており、様々な再生環境にも対応します。多彩な入出力オプションを活用することで、FIIO K11 R2Rをオーディオシステムの中心に据えることができます。例えば、RCA出力を使用してアンプやスピーカーに接続することで、高音質な再生が可能です。また、本体上部のRGBインジケーターライトが稼働状態を示し、シンプルで洗練されたデザインがオーディオシステムに美しく馴染みます。

まとめ

FIIOによるR2R DAC搭載第1号機として今後の新製品にも期待

FIIO K11 R2Rは、FIIOによるR2R DAC搭載の第1号機として非常に注目されています。この製品は、高音質と多機能を兼ね備えており、手頃な価格で提供されるという点でも大きな魅力があります。多彩な接続オプションやフルバランス設計のヘッドホンアンプ回路部など、幅広い再生環境に対応できる機能が充実しています。

また、384kHz/32bitおよびDSD256のハイレゾ再生に対応しています。さらには、IEMからヘッドホンまで幅広いオーディオ機器に対応できる3段階のゲインコントロールも備えています。その結果、オーディオマニアから初心者まで、幅広いユーザー層に満足のいく製品となっています。

FIIO K11 R2Rが市場に登場したことで、今後のFIIOのR2R DAC搭載の新製品にも大いに期待が寄せられています。音質の向上に加え、多機能で使いやすい設計が多くのユーザーに支持されることでしょう。

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