SONY ULT WEAR(WH-ULT900N)とWH-1000XM5を比較しての違いは?

ヘッドホン

SONY ULT WEAR(WH-ULT900N)約3.3万円のBluetoothヘッドホン

ソニーは、ポータブルオーディオ製品の新シリーズ「ULT POWER SOUNDシリーズ」を発表しました。

そのうち、Bluetoothヘッドホンの新モデル「ULT WEAR(WH-ULT900N)」が2024年4月26日に発売。オープン価格で税込みの実売価格は3.3万円程度。

「ULT POWER SOUNDシリーズ」は、いわゆる重低音再生を重視したシリーズとのことで、「ULT WEAR(WH-ULT900N)」も重低音再生を重視・強化したヘッドホンということになります。

内容・機能的にはアクティブノイズキャンセリング機能搭載型のBluetoothワイヤレスヘッドホン(有線接続対応)で、既存モデルのWH-1000XM5や、WH-CH720Nと同様の基本内容となります。

WH-1000XM5の下位で、WH-CH720Nの上位に当たるモデルで、ミドルクラスモデルとなります。

ULT WEARの内容・特徴を、上位のWH-1000XM5と比較しての違いを中心に解説します。

SONY ULT WEAR(WH-ULT900N)とWH-1000XM5を比較しての違い

「ソニー史上最高の重低音体感」を謳うULT WEAR(WH-ULT900N)

ULT WEARは「ソニー史上最高の重低音体感」を謳い、2つの重低音強化モードを切り替える「ULTボタン」を搭載しています。OFFと合わせて3段階で重低音を調節できます。

Deep BASSモード: 深みのある重低音
ATTACK BASSモード: パンチの効いた重低音

基本的な音質に関わるドライバーの違い

WH-1000XM5は、30mm口径のハイファイドライバーを搭載しクリアで繊細な音質を実現しています。

一方、ULT WEARはULT POWER SOUNDシリーズ用に設計された、より大口径な40mm口径ドライバーを搭載し、パワフルで臨場感あふれる音質を実現しています。一般論として、ドライバーの口径が大きいと低音再生能力に優れていると言われます。

音質の好みは人それぞれですが、クリアで繊細な音質を求める方にはWH-1000XM5、重低音にこだわり、迫力のあるサウンドを求める方には、ULT WEARがおすすめです。

アクティブノイズキャンセリング性能の違い

WH-1000XM5は、統合プロセッサーV1とノイズキャンセリングプロセッサーQN1を搭載し、業界最高レベルのノイズキャンセリング性能を実現しています。

一方、ULT WEARは統合プロセッサーV1のみ搭載で、ノイズキャンセリング性能はWH-1000XM5に比べて劣ります。ソニーの基準(最高5つ星)でULT WEARは3つ星、WH-1000XM5は5つ星のノイズキャンセリング性能とされています。

より静寂の中で音楽に集中したい方には、WH-1000XM5がおすすめです。

マイク数の違いとその影響

アクティブノイズキャンセリング用マイク: WH-1000XM5は合計8個、ULT WEAR(WH-ULT900N)は4個
通話用マイク: WH-1000XM5は4個、ULT WEAR(WH-ULT900N)は2個

WH-1000XM5は、アクティブノイズキャンセリング用マイクと通話用マイクの数がULT WEAR(WH-ULT900N)よりも多く、より高性能なノイズキャンセリングとクリアな通話音質を実現しています。

再生周波数帯域・ハイレゾ対応の違い

再生周波数帯域: WH-1000XM5は4Hz~40kHz、ULT WEAR(WH-ULT900N)は4Hz~20kHz
ハイレゾ対応: WH-1000XM5はハイレゾワイヤレス認証取得、ULT WEAR(WH-ULT900N)は非対応

WH-1000XM5は、再生周波数帯域が40kHzまでと広く、ハイレゾ音源の再生に対応しています。一方、ULT WEAR(WH-ULT900N)は20kHzまでで、ハイレゾ音源の再生には対応していません。

アップコンバート機能の違い

アップコンバート機能: WH-1000XM5はDSEE Extreme、ULT WEAR(WH-ULT900N)はDSEE

WH-1000XM5は、より高性能なアップコンバート機能DSEE Extremeを搭載し、圧縮音源をより高音質に再生できます。一方、ULT WEAR(WH-ULT900N)はDSEEを搭載しており、こちらも圧縮音源をある程度高音質に再生できますが、DSEE Extremeには劣ります。

デザインの違い

ヘッドバンド部分: WH-1000XM5はスリムで洗練されたデザイン、ULT WEAR(WH-ULT900N)はカジュアルでスポーティーなデザイン

ロゴ: WH-1000XM5は側面に小さく、ULT WEAR(WH-ULT900N)は側面に大きく

WH-1000XM5は、全体的に洗練されたデザインで、幅広いユーザーに好まれるでしょう。一方、ULT WEAR(WH-ULT900N)はカジュアルなデザインで、アクティブなユーザーにおすすめです。

イヤーパッド: WH-1000XM5は浅めで硬め、ULT WEAR(WH-ULT900N)は深めで柔らかい。

イヤーパッドの深さや硬さは、装着感に影響します。ULT WEAR(WH-ULT900N)はWH-1000XM5をベースに装着感の改善を謳っており、イヤーパッドの違いもその一環のようです。

ULT WEAR(WH-ULT900N)は深めで柔らかいイヤーパッドで、長時間装着しても疲れにくいでしょう。一方、WH-1000XM5は浅めで硬めのイヤーパッドなので、長時間装着していると耳が痛くなる可能性があります。

SONY ULT WEAR(WH-ULT900N)とWH-1000XM5に共通の内容・特徴

AAC、SBC、LDACコーデックをサポート
360 Reality Audio対応
物理ボタンおよびタッチ式のコントロール
BluetoothおよびNCオンで最大30時間のバッテリー持続時間
急速充電で数時間再生対応
外音取り込みモード搭載
クイックアテンションモード: 周囲の音を取り込みながら音楽を楽しめる
マルチポイント接続: 2台のデバイスと同時に接続可能
ハンズフリー通話: 高音質マイク搭載で、クリアな通話が可能
音声アシスタント対応:Google、Siri、Alexa対応
アプリ操作: 専用アプリで音質調整やノイズキャンセリングレベル調整などができる

SONY ULT WEAR(WH-ULT900N)とWH-1000XM5の比較レビューを分析

ULT WEAR(WH-ULT900N)の各種レビューは、注目モデルということもあり、発売前から評論家を中心としたレビュー、発売当日からは一般ユーザーのレビュー・感想がいろいろとネット上に上がってきています。

それらのなかにはWH-1000XM5との比較を含んだものが多く、両モデルのどちらを選ぼうかと悩んでいる人の参考になり得ます。

ここではこれらの比較レビューを分析し、当サイトなりの考察を行い、どちらのモデルがどのような場合におすすめかも考えます。

音質の比較

SONY ULT WEAR(WH-ULT900N)は、ソニーの新技術、ULTボタンを通じて、これまでにない強力な重低音を体験できることが大きな特徴です。

実際にソニーの既存のヘッドホンでは体験したことのないほどの低音に驚いたという声が多く、「ソニー史上最高の重低音体感」に偽りはないようです。

ただ、低音の質は量感重視で、キレや輪郭、低音の解像度などは不満があるという向きもあります。

一方で、WH-1000XM5はハイレゾ対応の高精細でクリアな中高音が特徴です。WH-1000XM5の音質はバランスがよく、ジャンルを問わず幅広い音楽を高音質で楽しむことが可能です。低音の量感ではULT WEAR(WH-ULT900N)に敵わないものの、キレや輪郭、低音の解像度などは優れているという評価が支配的です。

ノイズキャンセリング機能の比較

SONY ULT WEAR(WH-ULT900N)とWH-1000XM5のノイズキャンセリング機能においても、両モデルとも高い性能を誇りますが、異なるアプローチが取られています。WH-1000XM5は、統合プロセッサーV1とノイズキャンセリングプロセッサーQN1のW搭載により、より精密なノイズキャンセリング性能を実現しています。この進化した技術により、さまざまな環境下での騒音を効果的に低減できます。

一方、SONY ULT WEAR(WH-ULT900N)も高いノイズキャンセリング機能を備えていますが、専門家のレビューなどでは騒音低減性能はWH-1000XM5に劣ると評価されています。

ただ、どちらも高い水準での比較であり、ULT WEAR(WH-ULT900N)の性能で十分に満足できるユーザーも多そうです。</span>

そのほかの比較

そのほかの点では装着感については、ULT WEAR(WH-ULT900N)のほうが快適で長時間使用にも疲れにくいという感想が多く見られます。装着感の改善を謳っているだけの効果はあるようです。

通話性能については、メーカーの仕様からしてもマイク数が多くチップの性能も高いWH-1000XM5に軍配が上がるようです。

そのほかの機能、バッテリー性能あたりに関しては同等という評価が多いようです。

それぞれのモデルのおすすめユーザー・使い方は?

ULT WEAR(WH-ULT900N)がおすすめのユーザー・使い方

SONY ULT WEAR(WH-ULT900N)は、ソニー史上最高の重低音を体験したいという音楽愛好家に最適です。特に、ヒップホップやエレクトロニックミュージックなど、低音が際立つジャンルの楽曲を好むユーザーは、ULTボタンを通じてそのパワフルなサウンドを存分に楽しむことができるでしょう。また、サウンドモードが3段階で調整可能なので、音楽のスタイルや聴く環境に合わせてサウンドをカスタマイズしたい方にも適しています。

長時間の使用でも快適な装着感を提供するため、頻繁に移動する機会が多い、または一日中音楽を聴き続けることが多い使用シーンにもぴったりです。バッテリーライフが長いので、出張や旅行での長時間のフライトにも最適です。ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンに出せる予算が3万円台前半までという方にも向いています。

WH-1000XM5がおすすめのユーザー・使い方

WH-1000XM5は、音楽を高音質で聴くだけでなく、通話品質やノイズキャンセリング機能にもこだわりたいビジネスユーザーや学生など幅広いユーザーにおすすめです。ハイレゾ対応や高度なアップコンバートなどの恩恵もあり、情報量豊富でクリアな中高音と迫力のある高品位な低音を実現しており、音楽のリスニングだけでなく、電話会議やオンライン授業にも適しています。

また、高度なノイズキャンセリング機能を備えているため、オフィスやカフェ、図書館など、周囲の騒音を気にせず集中したい環境での使用に理想的です。

スタイリッシュなデザインは、ファッションにもこだわりたいユーザーに適しています。Bluetooth接続による手軽さと、バッテリーライフの長さも魅力的で、日常のあらゆるシーンでの使用に向いています。ただしワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンに5万円出せるという価値観は必要です。

まとめ

ULT WEARとWH-1000XM5は、以上のように低音再生能力、アクティブノイズキャンセリング性能、マイク性能、再生周波数帯域、ハイレゾ対応、アップコンバート機能、デザインなど、様々な点で違いがあります。

ノイズキャンセリング性能、音質、デザインを重視する方にはWH-1000XM5、重低音、価格、カジュアルなデザインを重視する方にはULT WEARがおすすめです。

ご自身のニーズに合ったヘッドホンを選んでください。

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