FIIO BR13 据え置きタイプのBluetoothレシーバー兼USB対応DAC 約1.08万円
FIIOは据え置きタイプのBluetoothレシーバー兼USB対応DAC「BR13」を2023年12月8日に発売。オープン価格で、税込みの実売価格は10,780円前後。
本機の内容・特徴の紹介・解説と、各種レビュー・評価から浮かび上がる本機の実力を分析・考察します。
FIIO BR13 内容・特徴
BR13は、Bluetooth受信機能を備えたUSB入力対応DACであり、最新のBluetooth受信機能とDDC機能を持ったデジタルハブとして活用できる製品です。外形寸法は98×96×26.5mm(幅×奥行き×高さ/アンテナ含まず)。重量は約135g。
BR13の主要スペックは、USB Type-Cとデジタル音声入力2系統(同軸、光)を持ち、デジタル音声出力2系統(同軸、光)とアナログ音声出力1系統(RCA)を備えています。BluetoothバージョンはVer.5.1で、対応コーデックはSBC/AAC/aptX/aptX LL/aptX Adaptive/aptX HD/LDAC。専用の低遅延モードとマルチポイントにも対応。
対応サンプリングレート/量子化ビット数はUSB-Cが96kHz/32bit、同軸デジタル入力が192kHz/24bit、光デジタル入力が96KHz/24bitまで。
Qualcomm製の高性能Bluetoothチップ「QCC5125」と、ESS製DACチップ「ES9018K2M」、および3PEAK製のTPA1882オペアンプを組み合わせることで高品位・高音質を狙っています。通信距離30mを実現するBluetooth接続バーアンテナ搭載もポイントです。
そのほかの特徴
・筐体はアルミ押し出し材+切削加工でコンパクト・高品位
・本体ボタンで音量のUp/Down、入力切替、EQ選択が可能
・専用に設計されたハイコントラストで広視野角な視認性の高いVAディスプレイを搭載
・内蔵のDSPによるアップサンプリングにより高音質化
・60段階で音量レベルを調整可能なボリュームを搭載
・UAC1.0に対応し、USB入力時の互換性を向上
・「FiiO Control」アプリの利用で各種設定や操作が可能
FIIO BR13 各種レビュー・評価から浮かび上がる本機の実力を分析
音質の評価
ユーザーレビューから見る音質面は、FiiO BR13が高音質であることが一致して評価されています。自然で素直なサウンドながら、レンジ感、情報量、ノイズの少なさ、定位感なども十分で、ハイレゾの高音質も楽しめる品位であると評価されています。
価格を考慮すると高品位なDACや電源回路、アナログ系を搭載しており、これらが奏功して音源をデジタルからアナログに変換する際に高品質な音質を実現していると評価されています。
Bluetoothレシーバー機能抜きのUSB対応DACとしても約1万円という価格からはかなりの高音質であると評価されています。単体USB-DACの入門機としても使えるという評価もあるほどです。
もちろん、BR13は搭載する高性能なBluetooth受信機能により、ワイヤレス接続でも高音質を実現しています。高品位なBluetoothコーデックであるLDACやaptX Adaptiveのサポートにより、高品質な音楽を楽しむことが可能です。
操作性の評価
操作性の評価では、FiiO BR13は非常に使いやすいデバイスとして高く評価されています。ユーザーインターフェースはシンプルで直感的であり、操作に迷うことはありません。設定や接続も簡単であり、初心者から上級者まで幅広いユーザーに適しています。
一方、専用アプリの使用では細かな設定や操作もでき、多機能な操作性も備えています。
デザインの評価
デザインの評価では、FiiO BR13は洗練された外観であり、高級感があります。アルミニウム合金設計とディスプレイの組み合わせは、一層その印象を高めています。また、コンパクトなサイズと薄さも特徴であり、据え置き型としても場所を取らずに設置できるのが魅力です。
機能性の評価
FiiO BR13は、Bluetooth受信機能を含むUSB-DACとして幅広い機器との接続に対応しています。USB Type-Cポートとデジタル音声入出力ポートを備えており、多彩な音源機器や接続方法に対応しています。最新のBluetooth受信機能とDDC機能を備え、デジタルハブとして活用できる点も特徴であり評価点です。
価格やサイズを考慮するとかなりの機能性であり、初心者には最大限に活用するのが難しいほどです。>今は必要でなくとも、あとから便利に使える可能性もあるので、本機の入出力の多彩さはあって損のない機能でしょう。
価格対性能の評価
実売価格は10,780円前後。この価格帯において、LDACやaptX Adaptiveなどの高品位Bluetoothコーデックを搭載しており、ワイヤレス接続を幅広くサポートしています。高品質かつ便利な音楽体験を求めるユーザーにとって、コストパフォーマンスの高い製品と言えるでしょう。
FIIO BR13と競合製品を比較しての評価
BR13と競合する1万円近辺のBluetoothレシーバーを比較すると、BR13は音質のクオリティや接続の安定性において優れていると評価されています。特に、高性能なBluetoothコーデックであるLDACとaptX Adaptiveを両方サポートしており、ワイヤレス接続時に高品質な音楽を楽しむことができる点が高く評価されるポイントとなっています。
FIIOはいわゆる中国メーカーのなかでも規模が大きいためコストメリットも大きく、加えて、製品の信頼性・評価も高いメーカーであり、本機もそうした従来の評価やメリットを活かした製品と言えそうです。
FIIO BR13の否定的な評価
いい評価ばかりではなく、少数ながらBR13に対しての否定的な評価も見られます。
・本体が小さく、軽いため、本体ボタンが押しづらい。本体を押さえながら押す必要があるほど。
・本体が小さく、軽いため、接続するケーブルによっては本体が浮いてしまう。
・USBと光デジタルの入力対応スペックが物足りない
・アナログ出力の音質は高域の濁りや低域の甘さなど、高級DACと比較すると劣っている
FiiO BR13と類似製品・BTA30Proとの比較・違い
据え置きBluetoohレシーバーの中でも高い評価を得るFiiO BR13には、同じFIIOのなかでの競合製品としてBTA30Pro(実売約2.3万円)が存在します。
BTA30ProはBluetooth送信機能を重視した製品であり、BR13とは異なりBluetoothは受信機能のほか送信機能も搭載しています。これにより、BTA30Proはワイヤレススピーカーやワイヤレスヘッドフォンなど、Bluetooth対応機器への音声送信には最適です。一方で、BR13はBluetoothは受信機能に特化しており、Bluetoothは受信のみできればよいという用途であればBTA30Proを選ぶ必要はないでしょう。
ただ、BTA30ProはBR13より2倍以上高額で、DAC部分の品位や対応ファイルのスペック(DSD対応など)がやや高いといった違いもありますので、自分の求める音質の品位も考慮して選ぶ必要はあるかもしれません。
参考:FIIO BTR30Pro 仕様
DACチップ:ES9038Q2M
Bluetoothチップ:CSR8675
DSPチップ:CT7302
オーディオオペアンプ:OPA1662
通信方式:Bluetooth 5.0
対応コーデック(送信):LDAC/aptX HD/aptX LL/aptX/SBC
対応コーデック:(受信)LDAC/aptX HD/aptX/AAC/SBC
対応サンプリングレート (入力/USB):384kHz/32bit; DSD256 (DoP)
対応サンプリングレート (入力/RCA同軸):384kHz/24bit; DSD128 (DoP)
対応サンプリングレート (入力/TOS光):96kHz/24bit
対応サンプリングレート (出力/RCA同軸):384kHz/24bit; DSD128 (DoP)
対応サンプリングレート (出力/TOS光):96kHz/24bit
アップサンプリング:最大192kHz
インターフェイス:RCA/光デジタル入出力/同軸/USB Type-C
サイズ:幅120x奥行き55x高さ23.5mm
重量:145g
FIIO BR13がおすすめのユーザーや使い方
FIIO BR13の内容や各種レビュー・評価を考慮すると、FIIO BR13がおすすめのユーザーや使い方は以下のようなものが挙げられます。
・Bluetooth入力を持っていないプレーヤーやアンプなどをBluetooth対応にしたい(アナログ入力・デジタル入力双方に対応)
・BluetoothレシーバーにはLDACかaptX AdaptiveかaptX LLの対応が欲しい
・小型・軽量の据え置きUSB-DAC、あるいはUSB-DDCが欲しい
・USB-DACとBluetoothレシーバーを1台で兼用したい
・以上の用途で予算は1万円程度
FiiO BR13は、音質や機能性など多くの面で評価の高い製品です。しかし、小型・軽量な筐体ゆえの操作性や価格による音質の限界といった弱点も存在します。とは言え、弱点は価格を考慮すると無い物ねだりの範疇であり、総合的にはBR13は1万円程度の据え置きBluetoothレシーバーとして、まず第一に検討されるべき優秀機であると言えるでしょう。
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