Kiwi Ears Allegro 約9,800円と手ごろなドングル型DAC
Kiwi Earsブランドはドングル型DAC「Allegro」を2024年3月29日に発売。価格は9,780円。本機の内容・特徴の紹介と、各種レビュー・評価から本機の実力を分析・考察します。
Kiwi Ears Allegroの概要
Kiwi Ears Allegroは、ドングル型DAC/ヘッドホンアンプであり、USB-DACとしてスマホなどに繋ぐことで音質の向上や高音質再生が可能となる製品です。
Allegroは約20gと非常に軽量であり、USBメモリサイズのコンパクトなサイズなので持ち運びに便利です。USB Type-Cインターフェースを採用しているため、ほとんどの最新のスマートフォンやタブレットとも簡単に接続できます。
ケーブルは着脱式なので、持ち運ぶときに邪魔になりません。また、パッケージにはType-Cケーブルが付属しているので、ケーブルを別途用意する必要がなく外出先でもすぐに使用することができます。
DACチップについて
Kiwi Ears Allegroには、高性能なES9028Q2M DACチップが搭載されています。このDACチップは高解像度でクリアなサウンドを再生することができ、音楽の表現力を向上させます。PCM 384kHz/32bit、DSD256までのネイティブ再生に対応します。
出力オプションについて
Kiwi Ears Allegroは、3.5mmのシングルエンド出力と4.4mmのバランス出力の2つのヘッドホン出力を備えています。また、32Ωで155mWのパワフルな出力を実現。これにより、さまざまなヘッドホンやイヤホンに対応し、より高品質な音楽体験を実現することができます。
ファミコンのコントローラーを模した本体デザイン
Kiwi Ears Allegroのおおきな特徴の一つは、ファミコンのコントローラーを模したユニークな本体デザインです。このデザインはゲーム好きな方をはじめ、ドングル型DACにこれまでなじみのないような方でも親しみやすさを感じることができるでしょう。十字ボタンやA、Bボタンは飾りで、なんらかの操作をすることはできません。ボリュームは側面のボタンで操作します。
Kiwi Ears Allegro レビューサイト

Kiwi Ears Allegro 仕様など
DAC チップ:ES9028Q2M
対応フォーマット:PCM (最大32bit/384kHz), DSD (DSD256)
THD+N:0.0015% (32Ω)
出力:3.5mm: 70mW@32Ω
4.4mm: 155mW@32Ω
SN 比:123dB
周波数特性:20 ‒ 40kHz
ノイズフロア:<1μV
インジケーター表示:青:PCM, 赤:DSD
重量:約20g
入力端子:USB Type-C
出力端子:3.5mm / 4.4mm
付属品:USB Type-C ケーブル、 取扱説明書
Kiwi Ears Allegro 各種レビュー・評価から本機の実力を分析・考察
肯定的な評価の分析・考察
ユーザーレビューでは、Kiwi Ears Allegroの音質は高く評価されています。特に、高解像度でクリアなサウンドを再生でき、高性能なES9028Q2M DACチップに由来すると思われる高音質が好評です。楽器とボーカルの分離や音の解像度に満足している声が多く見られます。響き成分の再現も伴った広い音場と明確な定位も備えているようです。DACの対応スペックも価格を考慮すると十分と評価されています。
市場評価ではAllegroの高い出力能力も評価されています。とくに4.4mm出力ではインイヤーモニターからオーバーイヤーヘッドホンまで幅広いヘッドホンを効率的に駆動できるため、幅広いユーザーに支持されています。
実売1万円以内で3.5mmと4.4mmの両方の出力に対応するドングル型DACは少なく、コストパフォーマンス面の高さも評価されています。
また、デザイン性も高く、ゲーム機のコントローラーを彷彿させる個性的な外観が特に好評です。
否定的な評価の分析・考察
一方、否定的な評価も一部あります。音質面では低音が若干強いという不満がある人がいます。また、ヘッドホンアンプの駆動力においても限界があり、高インピーダンスのヘッドホンには不向きという意見もあります。
また、USB Type-C端子のみの対応のため、iPhoneに対応させるには、ユーザー側でLightningアダプターなどを用意する必要があります。付属ケーブルがやや硬く取り回しにくいという意見もありました。
ファミコンのコントローラーを模したデザインが特徴ではありますが、十字ボタンやA、Bボタンは飾りで、実用性がないのを残念がる声があります。
実売1万円以内にしてはデザインも含めて内容も音質も充実していますが、ドングル型DACに定評のあるFIIOやiBasso Audio、SHANLINGといった人気メーカーに比べると、Kiwi Earsブランドはやや知名度に劣るのも弱点とは言えます。実力本位の人にはあまり関係ないことですが。ただ、前述の人気メーカーでは用意されることが多い専用アプリがないのは実用上のマイナス点でしょう。
価格・内容的には水月雨 (MOONDROP) 破暁-DAWN PRO(約1万円)が競合機になりそうです。
まとめ
Kiwi Ears Allegroは、音質、デザイン、機能、価格のバランスが取れたドングル型DACです。クリアで解像度の高いサウンド、豊かな低音と繊細な高音、広い音場と明確な定位など、音質面で高い評価を得ています。また、コンパクトで個性的なデザイン、PCM 384kHz/32bit、DSD256までのネイティブ再生対応、3.5mmシングルエンド出力と4.4mmバランス出力対応など、機能面も充実しています。これでいて9,800円前後と比較的安価な価格も魅力です。
一方、出力パワーがやや低い、USB Type-C端子のみの対応など、いくつかの課題も指摘されています。音質に関しては、低音が強調されすぎていると感じられるユーザーもいるようです。
総合的に見ると、Kiwi Ears Allegroは、1万円クラスでかなりコストパフォーマンスの高いドングル型DACと言えるでしょう。音質、デザイン、機能、価格のバランスを求めるユーザーにおすすめです。
1万円程度で3.5mmと4.4mm出力両方が欲しい方、面白いデザインのドングル型DACを求めている方にはとくにおすすめです。
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